コラム
【注意喚起】いま知っておきたい性感染症|梅毒(ばいどく)
📈【感染状況】
近年、日本国内で梅毒の患者数が急増しています。特に都市部(東京・大阪・福岡など)で多く、
2023年は過去最多の報告数で2024年も同水準で維持となりました。
感染は10代後半から40代にかけて幅広く、女性の増加も顕著で、妊娠中の感染にも注意が必要です。
🤒【症状の進行】
梅毒は進行段階ごとに症状が異なります。痛みがないことも多く、気づかれにくいのが特徴です。
時期 | 主な症状 | 備考 |
---|---|---|
第1期(3週〜3か月) | 陰部や口唇などにしこり(硬性下疳)、リンパの腫れ | 痛みなし。自然に治ることもあり、放置されやすい |
第2期(数か月〜1年) | 全身に淡い発疹(バラ疹)、脱毛、発熱、倦怠感など | 皮膚症状は一見アトピーや湿疹と間違われやすい |
潜伏期(無症状) | 特になし | 体内で菌が残存し、進行のリスクあり |
晩期(数年後) | 心臓・血管・神経・骨などの重篤な合併症 | 近年は稀ですが、放置すると危険 |
🔬【診断方法】RPRとTPHAの違いと注意点
梅毒は主に血液検査で診断します。2種類の検査を組み合わせて判定します。
◆ RPR検査(非トレポネーマ抗体)
- 感染でできた非特異的な抗体を測定
- 治療効果の判定にも使用(抗体価が下がる)
- 例)1:16 → 治療後 1:4へ低下で治癒傾向
◆ TPHA検査(トレポネーマ抗体)
- 梅毒菌に特異的な抗体を検出
- 一度陽性になると、治療後も長期間陽性のまま
⚠ 判定が難しい理由
- TPHA陽性+RPR陰性の場合、過去感染か?治癒済か?見分けがつきにくい
- 初期や高齢者では抗体反応が弱く偽陰性も
- 特に慣れていない医師では解釈を誤る可能性があり、診断の経験が重要です。
💉【治療方法】〜以前と今の違い〜
昔は内服(ペニシリン系など)で長期間治療するのが主流でしたが、
現在は、1回の注射(ベンザチンベンジルペニシリン筋注)で確実な治療が可能に。
▶ 現在の治療のポイント
- 初期(第1期・第2期)では治療反応が非常に良好
- 治療失敗や再発リスクも、注射治療で大きく減少
- ただし、放置して進行すると、治療に長期間を要することも
📌早期発見・早期治療がもっとも重要です!
🧠【梅毒の豆知識】
- 梅毒の原因菌「トレポネーマ」はコルク栓のような形状
- 江戸時代は「花柳病」と呼ばれ、遊郭を通じて流行
- シェイクスピアやナポレオンも梅毒にかかっていた説があります
- キスやオーラルセックスでも感染するため、コンドーム使用だけでは防げないことも
🏥【当院は梅毒の診断と治療が得意です】
0th Clinicでは…
✅ RPR・TPHAの正確な判定とフォローアップ
✅ パートナーの検査・治療相談も対応
✅ 他の性感染症(クラミジア・HIVなど)との同時検査も可能
📲 気になる症状がある方へ
「しこりや発疹が気になる」「パートナーが感染したかも」「検査だけしたい」
そんなときは、プライバシーに配慮した体制で診療いたします。
お気軽にLINE・WEBからご予約ください。