コラム
コレステロールが高いと言われたら ─ 日頃からできる食事療法(簡単・続けやすい)
コレステロールが高いと言われたら ─ 日頃からできる食事療法(簡単・続けやすい)
「LDL(悪玉)を下げる」「中性脂肪を上げない」がポイント。難しいカロリー計算は不要。“置き換え”と“足し算”で今日から始められます。
まずは“置き換え” ─ 無理なくLDLを下げる
避けたいもの(毎日たくさんはNG)
- バター/生クリーム/ラード/ギー、牛・豚の脂身、皮つき鶏肉、ソーセージ/ベーコン/サラミ
- 菓子パン・ドーナツ・パイ・ケーキなどの洋菓子(見えない脂)
- ココナッツ/パーム油を多く使う食品(飽和脂肪酸が多い)
- 揚げ物・フライの頻度を減らす(週の回数を決める)
- 油:オリーブ油/キャノーラ油/菜種油/ごま油を「少量」使う
- 肉:赤身・鶏むね/ささみ・脂身を落とす調理(茹で/蒸し/グリル)
- 乳:牛乳/ヨーグルトは低脂肪〜無脂肪へ、チーズは量を決める(指2本幅くらい)
- 主菜:週2回は青魚(サバ/イワシ/サンマ/サケ)、大豆製品(豆腐/納豆/厚揚げ)を主役に
“足し算” ─ LDLを下げる食材を増やす
- 水溶性食物繊維:オートミール/麦ごはん/大麦、豆類、海藻、果物、野菜。まず5〜10g/日を目標に。
- 大豆たんぱく:納豆/豆腐/厚揚げ/無調整豆乳を主菜・副菜に。
- 青魚の脂(n-3系):サバ/イワシ/サンマ/サケを週2回以上。
- ナッツ:無塩のアーモンド/くるみ/ピスタチオを1日ひとつかみ(20〜25g)。
- 植物ステロール添加食品:ヨーグルト/スプレッド/飲料などを活用(量は製品表示を確認)。
※食物繊維を増やすときは、水分も一緒に。お腹の張りやすい方は少量から慣らしましょう。
中性脂肪が高い人のコツ(膵炎予防にも)
- お酒を控える:ビール/日本酒/ワイン/ハイボール/チューハイは中性脂肪を上げやすい。まずは「休肝日」を作る。
- 甘い飲み物をやめる:清涼飲料・加糖コーヒー・エナドリ・ジュースは毎日→週1以下へ。
- 夜食・〆の炭水化物を見直す:麺・白飯・菓子の夜遅い摂取は翌朝TG悪化の原因。
- 揚げ物+アルコールのセットは避ける(TGが跳ねやすい)。
コンビニ/外食での選び方
おすすめの組み合わせ
- サバ缶/グリルチキン+海藻サラダ+豆腐/納豆+おにぎり(雑穀)
- 蕎麦(かけ/もり)+温玉+海苔/ワカメ
- 刺身定食や焼き魚定食(フライ系より)
- 揚げ物の“盛り合わせ”+アルコール
- 菓子パン・クリーム系パスタ・大盛りラーメンの頻回利用
栄養表示の読み方(超シンプル)
- 脂質の内訳に注目:「飽和脂肪酸」が少ないものへ。原材料にバター/ショートニング/パーム油の多い商品は控えめに。
- 食物繊維の量をチェック:1食あたり3g以上を目安に。
- たんぱく質:主菜は15–25g/食を目安に(魚・大豆・鶏むねなど)。
- 砂糖・果糖ぶどう糖液糖が先頭付近にある飲料は避ける。
よくある質問
卵は食べていい?
近年は食事中のコレステロール量より、飽和脂肪酸の影響が大きいと考えられています。卵は1日1個程度までを目安に、全体の脂質バランスを調整しましょう(糖尿病・FHの方は個別に相談)。
チーズやバターは?
飽和脂肪酸が多いので量を決めて(例:チーズは指2本幅くらい/日)、オリーブ油やナッツに置き換える日を作りましょう。
オイルはどれが良い?
基本はオリーブ油・キャノーラ油・菜種油など。不飽和脂肪酸中心にしつつ、使い過ぎに注意。
サプリ(フィッシュオイル/赤麹/植物ステロール)は有効?
植物ステロール強化食品はLDL低下に一定のエビデンスがあります。サプリは製品差が大きく、医師と相談の上で。赤麹(モナコリンK)は薬との重複や安全性・表示の問題があるため自己判断の常用は推奨しません。
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本記事は一般的な情報提供を目的としています。家族性高コレステロール血症(FH)や極端な高LDL/高TGでは、食事だけで目標に届かないことがあります。胸痛・麻痺などの緊急症状がある場合は速やかに医療機関を受診してください。