コラム
健診で便潜血が1個でも陽性なら、迷わず受診を。【医師監修】
健診で便潜血が1個でも陽性なら、迷わず受診を。【医師監修】
結論:2日法のうち“1日でも陽性”は要精密検査=大腸内視鏡が原則です。
「痔かも」「もう1回だけ便潜血を」という自己判断は不可。検査をやり直しても精密検査の代わりにはなりません。まずは受診して段取りを決めましょう。
結論:2日法の“1日でも”陽性=要精密検査
- 対象:大腸がん検診は40歳以上は年1回、2日法の便潜血検査が基本。
- 判定:1日分でも陽性→必ず精密検査。再度の便潜血は代替になりません。
- 精密検査の第一選択:全大腸内視鏡検査(必要時はX線やCT併用)。
なぜ“1個陽性”で受診が必要?
- 大腸がんは毎日出血しない:2日法は見逃しを減らすための設計。1日でも陽性なら異常の可能性を示します。
- “痔の血”かどうかは自己判断不可:痔があってもがん・ポリープの出血と区別は困難。内視鏡で確認が必要です。
- “もう一度FIT”はNG:同じ検査を繰り返すと感度が下がるため、精密検査の代わりにはなりません。
次にやること:受診→大腸内視鏡まで(流れ)
- 受診(結果を持参):健診票・服薬リスト・既往歴を持参。
- 日程調整:できるだけ早く(放置しない)。前処置(下剤)や食事制限の説明。
- 内視鏡当日:鎮静の有無を選択。必要に応じて病変の生検や切除を実施します。
- 結果説明:良性ポリープは切除で完了、悪性の疑いは追加検査へ。
※鎮静を行う場合は当日の車の運転不可。出血傾向のある薬(抗血小板薬・抗凝固薬)や糖尿病薬の扱いは、事前に必ずご相談ください。
よくある質問(Q&A)
痔があるので陽性でした。内視鏡は不要?
痔からの出血でも陽性になりますが、痔とがんの出血は区別できません。必ず内視鏡で確認しましょう。
もう一度、便潜血をして陰性なら大丈夫?
いいえ。便潜血の“やり直し”は精密検査の代わりになりません。全大腸内視鏡が第一選択です。
陽性でも症状がありません。
早期の大腸がんは無症状が普通です。自己判断で先延ばしにしないでください。
若いのでがんは心配していません…
40歳未満でも病変がみつかることはあります。結果が陽性なら年齢に関わらず受診しましょう。
医師監修
0th CLINIC 日本橋 医師(内科/消化器)
最終更新:
信頼できる根拠(公的機関)
- 国立がん研究センター「大腸がん検診について」:40歳から年1回、2日法の便潜血が基本。1日でも陽性なら精密検査(再検FITは代替不可)、精密検査の方法として全大腸内視鏡が最初の検査と明記。
- 厚生労働省「大腸がん検診の見直しについて」「がん検診実施のための指針」:精密検査の第一選択は全大腸内視鏡、便潜血の再検査のみで判定するのは勧められないと明記。
※本文は上記の公的資料に基づいて作成しています。最新の運用は地域・実施主体で異なる場合があるため、詳細は受診時にご確認ください。
精密検査の相談・予約はこちら
LINE
本記事は一般的な情報提供です。研究・推奨にはCOI(利益相反)や出版バイアスの影響があり得ます。個別の判断は診察・検査のうえで行います。