コラム
健康診断の結果の見方と判定基準
健康診断は、健康状態をチェックし、病気の早期発見や予防に役立つ重要な機会です。しかし、結果の見方がわからないと不安になることもあります。ここでは、健康診断の結果を理解しやすくするためのポイントと判定基準についてご紹介します。
健康診断結果の基本構成
健康診断の結果は、多くの場合、以下のような項目に分かれています。
- 身体測定: 身長、体重、BMI(体格指数)
- 血圧測定: 収縮期血圧(上の血圧)、拡張期血圧(下の血圧)
- 血液検査: 血糖値、コレステロール、肝機能、腎機能、貧血検査など
- 尿検査: 尿糖、尿タンパク、潜血
- 心電図: 心臓のリズムや電気活動をチェック
- 胸部レントゲン: 肺や心臓の状態を確認
- その他の検査: 必要に応じて追加される項目(胃カメラ、大腸検査など)
結果の見方とポイント
1. 身体測定
- 身長・体重・BMI: BMIは、体重(kg)を身長(m)の二乗で割った値です。標準的な範囲は18.5〜24.9です。肥満や低体重のリスクを評価するために使われます。
2. 血圧測定
- 収縮期血圧(上の血圧): 120 mmHg未満が理想的です。
- 拡張期血圧(下の血圧): 80 mmHg未満が理想的です。
- 高血圧は、心臓病や脳卒中のリスクを高めます。
3. 血液検査
- 血糖値: 空腹時血糖が100 mg/dL未満が正常です。高い場合は糖尿病のリスクがあります。
- コレステロール:
- 総コレステロール: 200 mg/dL未満が理想的です。
- LDL(悪玉)コレステロール: 100 mg/dL未満が理想的です。
- HDL(善玉)コレステロール: 40 mg/dL以上が理想的です。
- 中性脂肪: 150 mg/dL未満が理想的です。
- 肝機能: ALT、AST、γ-GTPの値が重要です。これらの数値が高い場合、肝臓に負担がかかっている可能性があります。
- 腎機能: クレアチニンや尿素窒素(BUN)の値をチェックします。これらの値が高いと腎臓の機能低下が疑われます。
- 貧血検査: ヘモグロビンやヘマトクリットの値が低いと貧血の可能性があります。
4. 尿検査
- 尿糖: 糖尿病の指標となります。
- 尿タンパク: 腎臓の機能障害が疑われます。
- 潜血: 尿路系の出血の有無を確認します。
5. 心電図
- 心電図は、心臓のリズムや電気活動をチェックする検査です。不整脈や心筋梗塞の兆候を確認します。
6. 胸部レントゲン
- 肺や心臓の状態を確認し、肺炎や心肥大、その他の異常を検出します。
7. その他の検査
- 胃カメラ: 胃や十二指腸の状態をチェックします。胃炎や胃潰瘍、胃がんの早期発見に役立ちます。
- 大腸検査: 大腸のポリープやがんの有無を確認します。
健康診断の判定基準
健康診断の結果は、多くの場合、以下のような判定基準に基づいて評価されます。
判定区分
- A判定: 異常なし
- 特に問題がなく、健康状態が良好であることを示します。
- B判定: 軽度異常(経過観察)
- 軽度の異常が認められますが、現時点では特に治療を要さない場合に出される判定です。生活習慣の改善や定期的なチェックが推奨されます。
- C判定: 中等度異常(要精密検査)
- 明らかな異常が認められ、追加の精密検査が必要とされる場合に出される判定です。早めの専門医受診が推奨されます。
- D判定: 重度異常(要治療)
- 重度の異常が認められ、即時の治療が必要な場合に出される判定です。直ちに専門医の診察を受け、治療を開始することが推奨されます。
- E判定: 経過観察・治療中
- 既に何らかの疾患で治療中、または過去に治療を受けたことがあり、その経過を観察している場合に出される判定です。定期的な医師の診察とフォローアップが必要です。
異常値があった場合の対処法
- 再検査の必要性: 異常値があった場合は、再検査や専門医の診察を受けることが推奨されます。
- 生活習慣の改善: 食事や運動、禁煙、節酒などの生活習慣を見直し、健康を維持することが重要です。
- 医師のアドバイスを受ける: 結果を基に、医師のアドバイスを受け、適切な治療や対策を講じましょう。
まとめ
健康診断の結果は、自分の健康状態を知る重要な手がかりです。結果の見方と判定基準を理解し、異常があった場合は早めに対策を取ることで、健康を維持することができます。定期的な健康診断を受け、自分の体の状態を把握しましょう。
専門家の監修:0th Clinic 日本橋