健康診断で肝機能異常高値を指摘された方へ
健康診断で肝機能異常高値を指摘されると、不安になる方も多いでしょう。しかし、適切な対策を取ることで健康を維持することができます。ここでは、肝機能異常について知っておくべき注意点、放置するとどうなるか、そして改善のためにできることをまとめました。
肝機能異常とは?
肝機能異常とは、肝臓の働きが正常でない状態を指します。肝臓は、体内の毒素を解毒し、栄養を代謝し、エネルギーを生成するなどの重要な役割を果たします。肝機能異常があると、これらの働きが正常に行われなくなります。
肝機能を示す主な指標
- ALT(アラニンアミノトランスフェラーゼ): 肝細胞が破壊されると血中に放出される酵素。正常値は10〜40 U/L。
- AST(アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ): 肝臓だけでなく心臓や筋肉にも存在する酵素。正常値は10〜40 U/L。
- γ-GTP(ガンマグルタミルトランスフェラーゼ): 肝臓や胆道系の障害を示す酵素。正常値は男性で10〜50 U/L、女性で10〜30 U/L。
なぜ肝機能異常が起こるのか?
1. 過度なアルコール摂取
- 長期間にわたる過度なアルコール摂取は、肝細胞を傷つけ、アルコール性肝炎や肝硬変を引き起こすことがあります。
2. 肥満やメタボリックシンドローム
- 肥満やメタボリックシンドロームは、脂肪肝を引き起こし、肝臓に脂肪が蓄積されると肝機能が低下します。
3. ウイルス感染
- B型肝炎やC型肝炎などのウイルス感染は、肝炎を引き起こし、慢性的な肝障害をもたらすことがあります。
4. 薬物の影響
- 一部の薬物やサプリメントは肝臓に負担をかけ、肝機能を損なうことがあります。
5. 遺伝的要因
- 遺伝的な要因により、肝機能に影響を及ぼす疾患が発生することがあります。
注意点
1. 定期的な検査
肝機能異常が指摘された場合、定期的に血液検査を受けて肝機能の状態を監視しましょう。早期発見と早期対応が重要です。
2. 生活習慣の改善
健康的な食事、適度な運動、禁酒、ストレス管理など、肝臓に優しい生活習慣を心がけることが重要です。
3. 医師の指導を受ける
自己判断での対応は避け、必ず医師の指導を受けるようにしましょう。適切な治療法や生活習慣改善のアドバイスを受けることが大切です。
放置するとどうなるか?
肝炎の進行
肝機能異常を放置すると、肝炎が進行する可能性があります。急性肝炎が慢性化すると、肝硬変や肝がんのリスクが高まります。
肝硬変のリスク増加
慢性的な肝障害が進行すると、肝臓の組織が硬くなり、肝硬変になることがあります。肝硬変は肝臓の機能が大幅に低下し、生命に関わる状態です。
肝がんのリスク増加
肝硬変がさらに進行すると、肝がんのリスクが高まります。肝がんは早期発見が難しく、進行すると治療が困難になります。
どうすればいいか?
1. バランスの取れた食事
肝臓に優しい食事を心がける
- 野菜や果物: ビタミンやミネラル、食物繊維を豊富に含むため、肝臓の健康を保つのに役立ちます。
- 低脂肪食品: 脂肪分の少ない食品を選び、過剰な脂肪摂取を避けましょう。
- 高タンパク食品: 魚や大豆製品、鶏肉などの高タンパク食品を摂取し、肝細胞の修復を助けます。
2. 定期的な運動
適度な運動を習慣化する
- 有酸素運動や筋力トレーニングを定期的に行い、肥満やメタボリックシンドロームの予防に努めましょう。
3. 禁酒
アルコール摂取を控える
- 肝臓への負担を減らすために、アルコールの摂取を控えるか完全にやめることをおすすめします。
4. 体重管理
適正体重を維持する
- 健康的な体重を維持することで、脂肪肝のリスクを減らし、肝機能を正常に保ちましょう。
5. ストレス管理
リラクゼーションや趣味の時間を大切に
- ストレスは体調に悪影響を及ぼすことがあるため、リラクゼーションや趣味の時間を持ち、ストレスを適切に管理することが重要です。
6. 医師の指導を受ける
定期的に医師の診察を受ける
- 肝機能異常が指摘された場合は、自己判断での対応は避け、医師の指導のもとで管理することが大切です。定期的な診察と必要に応じた治療を受けましょう。
まとめ
肝機能異常が高い状態を放置すると、肝炎や肝硬変、肝がんなどの深刻な健康問題を引き起こす可能性があります。しかし、生活習慣の改善や定期的な医師の診察を受けることで、健康を維持することが可能です。バランスの取れた食事、適度な運動、禁酒、ストレス管理などを心がけ、健康な生活を送りましょう。
専門家の監修:0th Clinic 日本橋