コラム
尿道クラミジア感染症とは?症状・治療・再発防止まで徹底解説【医師監修】|0th CLINIC
はじめに
クラミジア感染症は、日本で最も多い性感染症のひとつです。特に男女ともに尿道に感染することが多く、初期は自覚症状に乏しいため放置されやすいのが特徴です。この記事では、「尿道クラミジア感染症」について原因、潜伏期間、治療方法、注意点、再発予防、自然治癒の可否、耐性菌の問題まで、医師監修のもとで詳しく解説します。
尿道クラミジア感染症とは?
クラミジア・トラコマティスという細菌が尿道に感染して起こる性感染症で、主に性行為(膣性交・オーラルセックス・アナルセックス)を通じて感染します。
発症までの潜伏期間は?
感染から1〜3週間程度で症状が出ることが多いです。
ただし、自覚症状が全くないケースも珍しくありません(特に女性)。
尿道クラミジアの主な症状
男性
- 尿道のかゆみ、違和感
- 排尿時の軽い痛み
- 膿のようなおりもの(透明〜白っぽい)
女性
- 自覚症状がないことが多い
- 排尿痛、頻尿
- おりものの変化(量・におい)
- 不正出血(性行為後など)
クラミジア感染症の問題点
問題点 | 内容 |
---|---|
無症状が多い | 感染に気づかず放置されやすい |
自然治癒は期待できない | 治療しないと感染が長期化・悪化する |
合併症を引き起こす | 女性では子宮頸管炎、卵管炎→不妊の原因に 男性では副睾丸炎の原因に |
パートナーにうつす | 無自覚のまま感染源となる危険性が高い |
治療法と治療期間
基本的な治療薬(2025年現在)
薬剤 | 使い方 | 特徴 |
---|---|---|
アジスロマイシン(AZM) | 単回内服(1g)または3日間内服 | 高い治癒率、1回の服用で済む |
ドキシサイクリン(DOX) | 1日2回、7日間 | より確実な効果、パートナーが多い方に推奨 |
※海外のガイドライン(CDC等)では、**第一選択薬はドキシサイクリン(7日間)**となっており、日本でも採用が広がっています。
治療期間
- 7日間の内服が標準(ドキシサイクリン)
- 妊婦さんや場合によって、アジスロマイシンを選択することがあります。
耐性菌の問題
- クラミジア自体には高度な耐性菌は報告されていないものの、治療失敗例は存在します。
- 2020年から2021年にかけて行われた全国調査によると、妊婦のクラミジア感染症においてアジスロマイシン耐性率は2.0%、クラリスロマイシン耐性率は2.4%と報告されています。(Infect Chemother. 2022 Mar;54(1):173-17)
- また、男性尿道炎由来のクラミジア株に関する全国的な監視プロジェクトでは、マクロライド系抗菌薬(アジスロマイシンを含む)に対する耐性株は検出されませんでした。
- 実際には「再感染」のケースが多く、パートナーの未治療や治療途中での性交渉が原因となることが多いです。
- ただし、海外ではアジスロマイシン1g単回投与による治療失敗率が予想以上に高いことが報告されており、特に男性間性交渉者(MSM)における直腸感染では、アジスロマイシンの治療成功率が74%であったのに対し、ドキシサイクリンでは100%の成功率が示されています。(N Engl J Med 2021;384:2418-2427)
再発と再感染を防ぐには
- 必ずパートナーも同時に検査・治療
- 治療終了後、7日間の性行為禁止
- 治癒確認の検査(TOC:Test of Cure)は原則必要ないが、妊婦や症状が続く場合は実施推奨
- 再検査は3ヶ月後を推奨(特に10代〜20代の女性)
クラミジア感染症は自然に治る?
答え:いいえ、自然治癒は期待できません。
クラミジアは細胞内に入り込む「細胞内寄生菌」のため、免疫では完全排除できないことがほとんどです。放置すると以下のような合併症を引き起こします。
放置した場合の合併症
合併症 | 内容 |
---|---|
女性:子宮頸管炎→卵管炎→骨盤内炎症(PID) | 不妊症や子宮外妊娠のリスク上昇 |
男性:副睾丸炎、精巣上体炎 | 不妊、慢性精巣痛 |
新生児感染 | 出産時に感染すると結膜炎や肺炎の原因に |
当院の対応
0th CLINICでは、
- 即日検査・即日治療開始
を行っております。
「性病かも」と不安な方、「検査だけしたい」方でも、気軽にご相談ください。
よくある質問(Q&A)
Q. 治療中にお酒は飲んでもいい?
A. 抗生物質との飲み合わせが悪くなる可能性があるため、原則控えるのが望ましいです。
Q. 治ったかどうかはどうやって分かる?
A. 無症状の方は、治療後3週間以降に再検査で確認することもできます。
Q. 治療後に再発することはありますか?
A. クラミジア自体に耐性は少ないですが、「パートナーとの再感染」が非常に多いです。お互いの治療完了後まで性行為は避けましょう。
まとめ
- 尿道クラミジア感染症は日本で最も多い性病の一つ
- 初期症状が軽いため放置されやすい
- 治療には抗生物質が有効で、自然治癒はほぼ期待できない
- 早期発見・早期治療と、パートナーとの同時対応が鍵
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