医師監修:しわ治療におけるマルチモーダルアプローチとは
〜一人ひとりに合わせた、総合的なアンチエイジング治療〜
しわは、年齢とともに誰しもが気になるエイジングサインのひとつです。しかし、その原因は単純ではなく、肌の構造・筋肉の動き・皮下脂肪・骨格など、多くの要素が関係しています。そのため、単一の施術だけでは十分な効果が得られないケースも多く、最近では「マルチモーダルアプローチ(複合的アプローチ)」が注目されています。
本コラムでは、医師の視点からみたマルチモーダル治療の重要性と各治療の役割、そして当院が大切にしている「オーダーメイドのしわ治療」についてご紹介します。
しわの分類と原因
まず、しわにはいくつかのタイプがあり、それぞれ原因が異なります。
しわの種類 | 特徴 | 主な原因 |
---|---|---|
表情じわ(動的なしわ) | 額や眉間、目尻など | 筋肉の繰り返しの動き |
たるみじわ(静的なしわ) | 法令線やマリオネットライン | 皮膚の弾力低下、脂肪の下垂 |
ちりめんじわ(表皮じわ) | 目元や口周りなど | 乾燥、紫外線、皮膚の菲薄化 |
深い真皮じわ | 首や頬 | 真皮のコラーゲン・エラスチン減少 |
なぜ複合的な治療が必要なのか?
しわの原因は一つではないため、1つの治療だけでは根本的な改善が難しいことがあります。たとえば、ボトックスで筋肉の動きを止めても、皮膚自体のハリがなければちりめんじわは残るかもしれません。逆に、保湿やスキンケアを徹底しても、深い溝には対応できません。
そこで必要になるのが、複数の治療を組み合わせて、原因に合わせてアプローチするマルチモーダルな視点です。
マルチモーダルアプローチの具体例
ここでは、当院で行う代表的なマルチモーダル治療の組み合わせ例をご紹介します。
① 表情じわには:ボトックス注射 × スキンブースター
- ボトックス注射で筋肉の動きを抑えながら
- リジュラン・ジュベルックなどのスキンブースターで肌の弾力や質感を改善
→ 表情をやわらげつつ、肌自体も若返らせる相乗効果
② たるみじわには:ヒアルロン酸注入 × 高周波・HIFU
- ヒアルロン酸でボリュームを戻し、しわの凹みを埋める
- **HIFU(ウルセラなど)やRF(PIAMO、ポテンツァ)**で筋膜・脂肪層を引き締める
→ 骨格・脂肪・皮膚の層それぞれにアプローチ
③ 表皮じわには:レーザー × エレクトロポレーション × スキンケア
- フラクショナルレーザーやピコトーニングで肌表面を再構築
- 成長因子やビタミンC導入で修復力を高める
→ 肌の質感を全体的に向上させ、ちりめんじわが目立たなくなる
オーダーメイドで「ナチュラルに若々しく」
しわ治療の目標は、「しわを完全になくす」ことではなく、自然な若々しさを取り戻すことです。そのためには、患者さまの表情の癖、骨格、生活習慣などを丁寧に評価し、最適な施術を計画する必要があります。
当院では、初回カウンセリングで
- 肌診断や表情分析
- フェイスラインの評価
- 治療歴やライフスタイルの確認
を行い、科学的根拠に基づいた治療プランをご提案しています。
最新のしわ治療も取り入れています
近年では、
- ポテンツァ × スキンブースター(ジュベルック、リジュランなど)
- ボライト(アラガン社)による長期持続型ヒアルロン酸
- ピコレーザーによる真皮刺激治療
など、従来のしわ治療を超える進化型のアプローチも可能になっています。
これらを単体ではなく、患者様に応じて組み合わせることで、より効果的で持続的な改善が期待できます。
まとめ:しわ治療は、複合的に取り組む時代へ
しわ治療は、「注射だけ」「クリームだけ」では完結しません。肌の構造を理解し、多角的に・段階的にアプローチすることが、自然で美しい若返りの鍵です。
当院では、しわのタイプ・年齢・ご希望に応じた総合的な治療プランをご提案しております。「若々しく見られたい」「老けて見える印象を改善したい」そんな方は、ぜひ一度ご相談ください。