【AGA治療薬】スピロノラクトン
💊 スピロノラクトンによる女性の薄毛治療(FPHL)
スピロノラクトンはもともと心不全・高血圧治療薬ですが、抗アンドロゲン作用を活かし、女性型脱毛症(FPHL)の治療にも使われています。
✅ 作用機序
男性ホルモン(DHT)が毛包に与える影響を抑制することで、毛髪の成長サイクルを正常化させ、脱毛進行を緩やかにします。
📊 臨床研究と効果
- PMID: 32762680 より、FPHL患者の多くに進行抑制・発毛効果あり
- 50〜100mg/日の内服で6か月以上継続が基本
- 特に月経不順・多毛・ニキビを伴うアンドロゲン過剰症状のある女性に有効
⚠️ 副作用と使用上の注意
- 月経不順、乳房の張り、ふらつき、電解質異常(高カリウム血症)など
- 妊娠中は禁忌。胎児への影響が報告されているため厳重注意
- 医師の管理下での使用が必須
👩⚕️ 適応となる患者様
- びまん性の薄毛に悩む20〜50代の女性
- ミノキシジル外用薬で改善が不十分な方
- ホルモンバランスの乱れが疑われる方
スピロノラクトンは女性の薄毛治療の選択肢としてエビデンスのある治療薬です。
ご自身に合った治療方針を一緒に検討いたします。ぜひ当院までご相談ください。
💊 スピロノラクトンとは(女性型脱毛症〈FPHL〉治療薬)

▲ スピロノラクトン製剤(イメージ)
スピロノラクトンは、抗アンドロゲン作用をもつ利尿薬で、女性型脱毛症(FPHL)の治療にも応用されています。
男性ホルモン(アンドロゲン)の作用を抑制し、ホルモンバランス由来の脱毛症状を緩やかに改善します。
項目 | 内容 |
---|---|
一般名 | スピロノラクトン(Spironolactone) |
薬効分類 | 抗アルドステロン薬(カリウム保持性利尿薬)/抗アンドロゲン作用あり |
適応症(保険適用) | 高血圧、心不全、アルドステロン症など(※FPHLは保険外) |
自由診療での応用 |
女性型脱毛症(FPHL)におけるホルモン抑制治療、 にきびや多毛症などのアンドロゲン関連症状の改善 |
主な効果 |
アンドロゲン受容体をブロックし、毛包へのDHT影響を軽減 → 脱毛進行の抑制・びまん性の薄毛の改善が期待されます |
● スピロノラクトンは特に、月経不順・多毛・ニキビを伴う女性型脱毛症の方に適しています。
● 治療効果の実感には、3〜6か月程度の継続が推奨されます。
✅ 妊娠中の使用は禁止されており、避妊の併用指導が必要です。
副作用には、月経不順・乳房の張り・ふらつき・高カリウム血症などがあります。
医師の定期的な診察・血液検査による安全管理が必要です。
💡 スピロノラクトンの作用と作用機序(女性型脱毛症〈FPHL〉治療)
スピロノラクトンは、もともと利尿薬として開発された薬剤ですが、抗アンドロゲン作用を持つことから、女性の薄毛治療(FPHL)に応用されています。
男性ホルモン(アンドロゲン)の働きを抑えることで、ホルモンバランスに起因するびまん性脱毛の改善を図ります。
🔬 スピロノラクトンの基本的な作用
スピロノラクトンはアルドステロン拮抗薬に分類されますが、アンドロゲン受容体を阻害する働きも併せ持ちます。
これにより、DHTやテストステロンの毛包への影響をブロックし、毛周期の改善が期待されます。
⚙️ 女性型脱毛症(FPHL)の進行を抑えるメカニズム
女性のびまん性脱毛症では、毛包が男性ホルモンに敏感になっていることがあります。
スピロノラクトンによってアンドロゲンの作用が抑制されると、以下のような効果が期待されます。
- ✅ 毛周期の正常化(成長期の延長)
- ✅ 細くなった髪の強度改善
- ✅ 抜け毛の減少
🧬 他の治療薬との違い
スピロノラクトンは女性特有のホルモンバランスに配慮した治療薬であり、男性型脱毛症薬(デュタステリド・フィナステリド)と異なり、女性でも使用可能です。
特に、月経不順・多毛症・ニキビを伴うFPHLにおいて有効とされています。
🎯 注意:スピロノラクトンは妊娠中の使用が禁忌であり、避妊が必要です。
また、高カリウム血症・月経不順・ふらつきなどの副作用も報告されており、医師の診察と血液検査による管理が重要です。
📚 参考リンク
⚠️ スピロノラクトンの副作用と注意点(女性用内服治療)
1. 月経不順・出血異常
スピロノラクトンはホルモンに作用するため、月経周期の乱れ・不正出血などの月経異常が見られることがあります。
2. 高カリウム血症
利尿薬としての性質上、血中カリウム濃度の上昇が報告されており、腎機能低下のある方は要注意です。
定期的な血液検査が必要です。
3. めまい・ふらつき
血圧低下により、めまいや立ちくらみが起こる場合があります。特に起立時には注意が必要です。
4. 乳房の違和感・圧痛
ごくまれに乳房の張り・痛みが生じることがあり、ホルモン作用による変化が疑われます。
5. 疲労感・倦怠感
利尿効果により脱水やナトリウム喪失が起こることで、だるさや集中力低下を感じることがあります。
6. 皮膚トラブル
一部で発疹やかゆみなどのアレルギー反応が報告されています。重症化する場合は中止を検討します。
7. 妊娠・授乳中の使用禁忌
スピロノラクトンは男性胎児の生殖器形成に影響を与える可能性があるため、妊娠中・授乳中は禁忌です。
避妊が必要となります。
8. 使用上の注意点
- 医師の指示に基づく正しい服用を継続。
- 定期的な血液検査(電解質・腎機能)を受ける。
- 妊活中・妊娠希望の方は事前に医師へ相談。
- 気になる症状があれば速やかに中止し再診。
- ホルモン性の副作用は定期モニタリングで管理。
スピロノラクトンは、FPHL(女性型脱毛症)治療に有用な内服薬ですが、副作用やホルモンへの影響を十分に理解した上で、専門医のもとでの使用が望まれます。
参考文献・外部リンク
🩺 スピロノラクトン内服中の副作用への対応と予防策
⚠️ 月経不順・不正出血が見られた場合
- ▶️ 軽度の周期変動は経過観察可能ですが、持続する場合は婦人科相談が望ましいです。
- ▶️ ピルとの併用で月経を安定させることもあります。
- ▶️ 出血が続く・多量の場合は速やかに医師へ報告を。
⚠️ 高カリウム血症・腎機能異常
- ▶️ 服用開始後1〜3ヶ月で血中カリウム・クレアチニンの測定が必要です。
- ▶️ カリウムを多く含む食品(バナナ、ほうれん草など)の過剰摂取は避けるよう指導します。
- ▶️ むくみ・倦怠感・不整脈などの症状がある場合は精査を行います。
⚠️ めまい・立ちくらみがある場合
- ▶️ 利尿作用による脱水や低血圧が原因となるため、水分補給と立ち上がり動作に注意を。
- ▶️ 症状が持続する場合は用量調整または中止を検討。
⚠️ 乳房の張り・違和感
- ▶️ 女性ホルモン様作用により乳房の圧痛や違和感が生じることがあります。
- ▶️ しこり・分泌物があれば婦人科または乳腺外科を受診してください。
⚠️ 妊娠中・妊活中の方
- ▶️ 男性胎児への影響が懸念されるため、妊娠中は禁忌となります。
- ▶️ 妊娠の可能性がある方は必ず避妊を行ってください。
- ▶️ 妊娠希望のある方は治療計画を再評価します。
✅ 予防策まとめ
- ✔ 初回の血液検査(カリウム・腎機能)を必ず実施
- ✔ 飲み忘れ・自己判断での中止は避ける
- ✔ 月経異常や副作用は速やかに医師へ報告
- ✔ 妊娠可能性のある方は避妊と婦人科連携を
- ✔ 長期服用時は3〜6ヶ月ごとにモニタリング
📌 スピロノラクトンは安全性の高い内服薬ですが、副作用や体調変化への気づきが重要です。
不安や違和感を感じたときは、自己判断せず医師にご相談ください。
💡 女性の薄毛治療薬の比較表(FPHL)
女性のびまん性脱毛症(FPHL)やびまん型AGAに使用される治療薬「スピロノラクトン」「内服ミノキシジル」「外用ミノキシジル」「低用量ピル」について、それぞれの特長を比較しました。
薬剤名 | 主な作用 | 作用部位 | 主な副作用 | 推奨対象 |
---|---|---|---|---|
スピロノラクトン | 抗アンドロゲン作用により、ホルモン性脱毛を抑制 | 毛包 / アンドロゲン受容体 | 月経不順、むくみ、立ちくらみ、高カリウム血症 | FPHL / 男性ホルモン感受性が高い方 |
内服ミノキシジル | 血流改善による発毛促進、毛周期の延長 | 毛包 / 毛母細胞 | むくみ、動悸、多毛症、血圧低下 | 発毛を強く希望する方 / 全体的な薄毛に悩む方 |
外用ミノキシジル | 局所の血流改善で発毛促進 | 頭皮表面 | かゆみ、赤み、フケ | 内服に抵抗がある方 / 初期治療 |
低用量ピル | ホルモンバランスの調整による薄毛の改善 | 全身性ホルモン作用 | 吐き気、頭痛、血栓症リスク(まれ) | 月経不順を伴う薄毛 / 若年女性 |
💊 スピロノラクトンの正しい飲み方と効果判定(女性の薄毛治療)
✅ 飲み方と基本用量
スピロノラクトンは1日1回 25〜50mgから開始することが一般的です(体質や目的により調整)。
抗アンドロゲン作用を期待して継続的な内服が必要です。
- ⚠ 利尿作用があるため、朝〜昼の服用が推奨されます。
- ⚠ 月経不順などの副作用に注意し、医師の管理下で内服してください。
- ⚠ 妊娠を希望する場合・妊娠中は禁忌です。
🕒 効果が現れるまでの期間
ホルモン性脱毛に対する効果は3~6か月以降で少しずつ現れることが多いです。
初期は抜け毛が一時的に増える場合もありますが、ヘアサイクルの調整過程として現れることがあります。
📊 効果の判定方法
- 📸 前後の写真比較(分け目・頭頂部)
- 🔍 自覚的変化(抜け毛の減少、髪のボリューム感)
- 📝 医師による頭皮・毛髪の視診評価
🔄 効果が乏しい場合の対応
6か月以上経過しても効果が乏しい場合、以下の併用を検討します:
- 💧 外用ミノキシジルの併用
- 💊 内服ミノキシジル(必要時に医師管理下で)
- 🧴 発毛メソセラピーや成長因子導入治療の併用
- 🧪 ホルモンバランス・血液検査の評価と調整
📌 ポイント:
スピロノラクトンは女性ホルモン感受性による薄毛に有効とされますが、個人差があるため医師と相談しながら継続することが重要です。
💰 当院でのスピロノラクトン処方 料金
薬剤名 | 内容量 | 価格(税込) |
---|---|---|
スピロノラクトン 25mg | 30錠(約1か月分) | 2,200円 |
※診察料・カウンセリング料を含んだ価格です。
※ホルモンバランスや副作用のリスクを考慮し、医師の判断のもとで処方を行っております。
❓ スピロノラクトンに関するよくある質問(FAQ)
スピロノラクトンは本来利尿薬・高血圧治療薬として使われてきましたが、抗アンドロゲン作用を持つことから、女性の脱毛症(FAGA)や多毛症、ニキビ治療にも応用されます。
主に女性のびまん性脱毛症(FAGA)や、ホルモンバランスの影響を受けた多毛・ニキビに有効です。
特にテストステロンの影響を受けやすい体質の方に効果が出やすいとされています。
はい。スピロノラクトンは毎日1回〜2回の内服が基本です。
医師の指示に従い、決まった時間に服用することが効果と安全性の維持に重要です。
月経不順、倦怠感、むくみ、低血圧、頻尿などがみられることがあります。
稀に高カリウム血症を起こすことがあるため、定期的な血液検査が必要です。
いいえ。妊娠中・授乳中の方は使用できません。
スピロノラクトンは胎児の性分化に影響する可能性があるため、避妊が必要です。
⚖️ 自由診療に関する重要なご案内(スピロノラクトン)
- 本治療は自由診療です。
スピロノラクトンの女性型脱毛症(FAGA)に対する使用は、保険適用外のため、すべて自己負担となります。 - 当院で使用しているスピロノラクトンは、国内で製造された医薬品です。
高血圧や心不全、原発性アルドステロン症などに用いられる利尿薬・抗アルドステロン薬であり、安全性と品質が確保されています。 - FAGA(女性のびまん性脱毛症)への使用について:
国内ではFAGAに対する適応はなく、医師の判断のもとで自由診療として処方しております。 - 主成分スピロノラクトンの作用:
アンドロゲン受容体を阻害することで、ホルモンバランス由来の脱毛・多毛・ニキビなどの症状を緩和する効果が期待されます。 - 副作用・リスクについて:
倦怠感、低血圧、月経不順、乳房の張り、むくみ、頻尿、高カリウム血症などが報告されています。
血液検査を含めた定期的なフォローが推奨されます。 - 妊娠・授乳中の方への注意:
スピロノラクトンは胎児への影響が懸念されるため、妊娠中または妊娠を希望される方には処方できません。
使用中は確実な避妊が必要です。
📌 ご確認ください:
▶️
「リスクが潜む個人輸入」(厚生労働省 薬物乱用防止ホームページ)
▶️
「医療広告ガイドライン」(厚生労働省)
※この自由診療に関する案内は、医療広告ガイドラインに基づき、適切な情報提供と患者保護の観点から記載しています。
📚 FAGA治療におけるスピロノラクトンのエビデンス
スピロノラクトンはもともと利尿薬・抗アルドステロン薬として使用されていましたが、アンドロゲン受容体の遮断作用を有するため、女性の薄毛(FAGA)や多毛症の治療に応用されています。
✅ 主な臨床研究と効果
-
FAGAに対する有効性:
スピロノラクトン100~200mg/日の投与で、脱毛の進行抑制と毛髪の増加が見られたとの報告があります。
📄 PMID: 12006122(Sinclair R et al., J Am Acad Dermatol. 2002) -
低用量でも効果あり:
50mg/日などの低用量でも、忍容性が良好で効果が得られるケースが報告されています。
📄 PMID: 30920974(Ramos PM et al., Dermatol Ther. 2019) -
ミノキシジルとの併用が有効:
外用ミノキシジルとの併用により、発毛効果が増強されることも示唆されています。
📄 PMID: 26551975(Mahé A et al., Dermatology. 2015)
⚠️ 副作用とモニタリング
スピロノラクトンには高カリウム血症、月経不順、倦怠感、めまいなどの副作用が報告されています。
特に閉経前女性では月経異常や乳房の張りが起こることがあり、必要に応じてピルとの併用も考慮されます。
💡 血中カリウム値などの定期的な血液検査が推奨されます。
👩⚕️ 日本皮膚科学会の見解
日本皮膚科学会のFAGA診療ガイドライン(2017年)では、スピロノラクトンは「C1(行ってもよい)」に分類されています。
これはエビデンスは限定的だが、使用が一定程度支持されていることを示しています。
📄
日本皮膚科学会 FAGA診療ガイドライン(PDF)
💡 まとめ
- ✔️ スピロノラクトンはFAGAにおいてアンドロゲンを抑制する選択肢として有効。
- ✔️ 単剤またはミノキシジルとの併用が多くの報告で推奨。
- ✔️ 定期的な血液検査と副作用モニタリングが重要。
- ✔️ 日本のガイドラインでも選択肢の一つとして位置づけられている。
👩⚕️ 医師からのコメント・監修

「スピロノラクトンはアンドロゲン(男性ホルモン)の作用を穏やかに抑えることで、
女性の薄毛(FAGA)の進行を緩やかに抑制することが期待される内服治療です。
特に女性ホルモンの変化による脱毛に対して有効です。」
スピロノラクトンは本来、利尿薬・高血圧治療薬ですが、アンドロゲン受容体拮抗作用があることから、
FAGAや多毛症の治療にも使用されています。
月経異常や高カリウム血症などの副作用への配慮と、定期的な血液検査が重要になります。
0th CLINIC 日本橋 院長
日本病理学会認定 病理専門医/FAGA・ホルモン治療・皮膚科学的治療経験多数
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