コラム
プレ糖尿病って何?放置するとどうなる?|早期発見と対策
プレ糖尿病って何?放置するとどうなる?
結論:プレ糖尿病(糖尿病予備群/境界型)は、まだ糖尿病ではないが、将来的な発症リスクが高い状態です。
無症状でも早めの生活改善と受診で、糖尿病への進行を防ぎやすくなります。まずは検査(空腹時血糖・HbA1c・必要に応じて75gOGTT)で今の位置を確認しましょう。
最初の一歩(今日からOK)
・主食は「手ばかり」1杯目安(丼→お茶碗、パン→半分)/
・食事は「野菜→タンパク質→主食」の順でゆっくり/
・食後10〜15分のウォーキング(できれば1日合計30分)
※独自の食事制限は無理せず、生活習慣病外来で相談を。
プレ糖尿病(予備群/境界型)の基準
※日本では「境界型」という用語を多く用います。下表は国内と国際のよく使われる目安です。
日本の目安(境界型)
検査 | 境界型の目安 |
---|---|
空腹時血糖 | 110〜125 mg/dL |
75gOGTT 2時間値 | 140〜199 mg/dL |
HbA1c | 6.0〜6.4%(機器・施設により若干のばらつきあり) |
※診断や評価は総合的に行います。詳細は医師の指示に従ってください。
国際的な目安(ADA 等)
検査 | プレ糖尿病の目安 |
---|---|
空腹時血糖 | 100〜125 mg/dL |
OGTT 2時間値 | 140〜199 mg/dL |
HbA1c | 5.7〜6.4% |
※国や学会で閾値が異なることがあります。日本では上記「境界型」の考え方も用います。
放置すると何が起こりやすい?
- 糖尿病(2型)へ進行するリスクが高い
- 将来的な心血管リスク(高血圧・脂質異常など)と絡み合い、全身への負担が増える
- 体重増・内臓脂肪の蓄積でインスリン抵抗性がさらに強まる
※個人差があります。今の状態を把握し、無理のない改善計画を立てることが大切です。
原因と戻し方(コツ)
原因の主な例:内臓脂肪の増加/運動不足/睡眠不足やいびき・無呼吸/ストレス/喫煙/家族歴/一部の薬(ステロイド等)
食事のコツ
- 主食は「手ばかり」目安に(糖質の適正化)
- 食物繊維・たんぱく質を先に(血糖の急上昇を抑えやすい)
- 飲み物は水・お茶ベース(糖飲料は控える)
運動・生活のコツ
- 食後10〜15分の“ゆるウォーク”を習慣化
- 1日合計30分の有酸素運動+可能なら軽い筋トレ
- 睡眠時間の確保・深夜食の回避・禁煙の検討
検査の流れ(目安)
- 採血:空腹時血糖・HbA1c
- 必要に応じて:75gOGTT(負荷試験)
- 結果説明と計画:目標設定・食事/運動・必要時は内服の相談
受診の目安:
- 健診で「血糖高め」「HbA1c高め」と言われた
- 家族に糖尿病がいる/最近体重やお腹まわりが増えた
- 喉が渇く・トイレが多い・体重減少などが気になる
迷ったらお気軽にご相談ください。
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よくある質問(FAQ)
- Q. プレ糖尿病は“病気”ですか?
- A. まだ糖尿病ではありませんが、糖尿病に進みやすい状態です。放置せず、生活改善と定期的な検査をおすすめします。
- Q. 体重が落ちると改善しますか?
- A. 体脂肪、とくに内臓脂肪を減らすことで血糖が改善しやすくなります。食事と運動の両輪が大切です。
- Q. どの検査をすれば良いですか?
- A. まずは空腹時血糖・HbA1c。状況により75gOGTTを追加します(医師が必要性を判断します)。
- Q. 基準値はどれを見ればいい?
- A. 日本では「境界型」の考え方が使われます(空腹時110〜125mg/dL、2時間値140〜199mg/dL、HbA1c 6.0〜6.4% など)。国際基準(ADA)はやや異なるため、当院では日本の運用を基本に評価します。
- Q. 薬は必要ですか?
- A. 多くは生活改善が第一選択です。合併症リスクや数値によっては薬を検討することがあります(個別にご相談ください)。
免責事項:本ページは一般情報です。自己判断で治療を開始・中止せず、症状や検査値については必ず医師にご相談ください。