コラム
朝だけ血糖が高い…暁現象とソモジー現象の見分け方|対処・受診の目安
朝だけ血糖が高い…暁現象とソモジーの見分け方
起床時だけ高い血糖。原因が暁現象かソモジー現象かで、対処は真逆です。本稿は、CGM/TIRや3時測定での見分け方と、就寝前スナック/薬タイミングの考え方を、受診の目安とともにまとめました。
更新日:2025-09-23 監修:0th CLINIC 日本橋(医師)
要点3行まとめ
- 起床時高血糖は暁現象(夜明け前のホルモンでじわ上がり)か、ソモジー現象(夜間低血糖→反動高血糖)が多い。
- CGMの夜間トレンド/3時測定で判定:じわ上がり=暁現象、深夜に低→朝高=ソモジー。
- 対処は逆方向。暁現象=夜間のインスリン/薬をやや増強、ソモジー=夜間低血糖を避けて減弱+就寝前スナック。

暁現象とソモジーの違い・見分け方
暁現象(Dawn phenomenon)
- 夜明け前(概ね 3:00–6:00)に成長ホルモン・コルチゾールなどで肝糖産生↑。
- CGM:深夜は安定→未明からじわじわ上昇→朝高値。
- 3時測定:低くない(むしろ正常〜やや高い)。
ソモジー現象(Somogyi rebound)
- 夜間に低血糖(過量のインスリン/薬・夕食とのミスマッチ等)→反動で朝高値。
- CGM:夜間に谷(低値)→早朝に急上昇。
- 3時測定:低いまたは低値に接近。
項目 | 暁現象 | ソモジー |
---|---|---|
深夜の血糖 | 安定〜正常 | 低い/一過性低下 |
未明の動き | じわ上がり | 低→反動で急上昇 |
3時自己測定 | 正常域 | 低値〜低血糖 |
基本方針 | 夜間インスリン/薬を増強 or 時間調整 | 夜間低血糖回避=減弱+就寝前スナック |
※ 自己判断での増減は危険です。受診の目安を参考に医師へご相談ください。
今日からの対処手順(チェックリスト)
- 直近1週間の就寝/起床時刻・夕食/間食・運動・投薬をメモ。
- 3時前後に1回測定(指先 or CGMの夜間トレンド確認)。
- 起床前後(起床・起床30分後)を測定して上がり方を把握。
- 結果をもとに、就寝前スナックや薬タイミングの仮対応を“1つだけ”実施。
- 1週間追跡して変化を確認。改善しない/低血糖が出る場合は受診。
▶ 乱高下の可視化は CGM/TIRガイド へ(導入相談可)。
就寝前スナックの選び方(ソモジー対策)
- 目的:夜間低血糖の回避(過量インスリン時の“保険”)。
- 量:80–150 kcal 目安。糖質+たんぱく/脂質の少量ミックス。
- 例:無糖ヨーグルト+ナッツ少量/チーズ+全粒クラッカー数枚/豆乳200mL など。
- 避けたい:砂糖入り飲料・菓子パン(血糖スパイク→未明低下のパターン)。
ポイント:「毎晩必ず」ではなく、低血糖リスクが高い夜のみに限定。朝高の原因が暁現象ならスナックは不要です。
薬タイミングの見直し(医師と相談)
受診の目安(この場合はLINEでご相談を)
- 週2回以上の起床時高血糖(2週間連続)。
- 夜間に低血糖症状(悪夢・寝汗・動悸・頭痛)や、朝の強いだるさ。
- 就寝前スナック導入後も改善しない/体重増加が気になる。
- インスリン/複数薬を使用中で、自己調整が不安。
よくある質問
3時に起きられません。どうすれば?
CGM(持続血糖測定)の夜間トレンドで代替可能です。短期レンタルや導入相談は CGM/TIRガイド へ。
夜間に低血糖症状があるのに朝は高いのは?
典型的なソモジーパターンの可能性。まずは就寝前スナックで低血糖回避、変わらなければ薬の調整を受診で。
朝食を抜けば朝の高血糖は改善しますか?
推奨しません。朝食抜きは昼食後スパイクを助長することがあり、全体のTIRを悪化させることがあります。
監修・免責
監修:0th CLINIC 日本橋(医師)/ 本記事は一般情報であり、個別の診断・治療方針は医師の診察に基づきます。妊娠中・高齢者・多剤併用の方は自己調整を避け、必ずご相談ください。