コラム
胃が痛い…様子見でいい? 受診すべき? ─ 境目の判断と市販薬/処方薬の違い【医師監修】
胃が痛い…様子見でいい? 受診すべき? ─ 境目の判断と市販薬/処方薬の違い【医師監修】
「昨夜から胃がキリキリ」「胸やけ・吐き気が続く」──受診のタイミングと、自宅でできる対処、市販薬と処方薬の違いを医師目線で整理しました。まずは危険なサイン(アラーム症状)がないかチェックしましょう。
様子見と受診の“境目”
🚑 今すぐ(救急を含む)受診を検討
- 吐血、黒い便(タール便)、コーヒー残渣様の嘔吐
- 飲んでも出しても残る激しい痛み、持続する嘔吐、脱水(尿が減る、意識がもうろう)
- 体重減少、貧血、嚥下障害、発熱を伴う
- 50歳以上で新規発症の強い胃痛や、がん家族歴が濃厚
- 胸痛や背部痛が強く、冷汗・息切れ・左腕/顎の痛みを伴う(心筋梗塞の可能性)
🏥 なるべく早めに受診(数日〜1週間以内)
- 市販薬を1〜2週間試しても改善しない/すぐ再発を繰り返す
- NSAIDs(痛み止め)やピロリ菌既往がある
- 夜間に目が覚めるほどの痛み/食事で悪化/嘔気・食欲不振が続く
⌛ 様子見OK(軽症・誘因がはっきり)
- 暴飲暴食・辛い/脂っこい食事・寝る前の飲食など明らかな誘因があり、半日〜数日で軽快する
- 胸やけ・胃もたれ程度で食事が摂れる、水分が保てる
※ただし反復する、強くなる、不安がある場合は受診を。
市販薬と処方薬の違い(どう選ぶ?)
市販薬(例)
- H2ブロッカー(ファモチジン等):胃酸分泌を抑える。短期(最大2週間)の自己治療に。
- 制酸薬(炭酸水素ナトリウム/炭酸カルシウム等):その場の酸を中和。
- アルギン酸製剤:胃内容物の逆流を物理的にブロック(食後・就寝前)。
- スイッチOTCのPPI:ラベプラゾールなど一部が承認。要指導医薬品のため薬剤師の対面指導が必要。長期連用は避け、改善が乏しければ受診。
※持病・妊娠授乳・服薬中の方は薬剤師/医師に相談。解熱鎮痛薬(NSAIDs)は悪化因子です。
処方薬(例)
- PPI(オメプラゾール/ランソプラゾール/エソメプラゾール/ラベプラゾール)
- P-CAB(ボノプラザン):PPIで不十分な逆流症状などに
- 胃粘膜保護(レバミピド/テプレノン/スクラルファート*)
- 運動機能改善薬(アコチアミド等)
- H. pylori除菌療法(抗菌薬+PPI/P-CAB):適応時に実施
*一部は適応・入手性が限られます。選択は症状・内視鏡所見・合併症で個別化します。
自宅でできる対処(今日から)
- 食べ過ぎ・脂っこい/辛いを控え、就寝2〜3時間前の飲食は避ける
- コーヒー・炭酸・アルコールで悪化する人は量とタイミングを調整
- 枕を高めにして寝る(逆流対策)
- 体重管理:数kgの減量でも胸やけが改善することがあります
- 市販薬は説明書どおりに使い、2週間で改善が乏しければ受診
ピロリ菌は関係ある?(検査と除菌)
慢性的な胃の不調、潰瘍歴、家族に胃がんが多い場合はピロリ菌検査を考えます。陽性なら保険適用の除菌療法で再発予防・発がんリスク低減が期待できます(抗菌薬+酸分泌抑制薬を必ず飲み切る)。
よくある質問
市販のH2ブロッカーとPPIはどちらが強い?
一般にPPIの方が酸分泌抑制は強力・持続的です。ただしOTCのPPIは要指導・使用期間が限定されます。改善が乏しければ受診しましょう。
ピロリ除菌後も胃が痛い…
除菌後も機能性ディスペプシアとして症状が残ることがあります。薬の切替(PPI→P-CAB/運動機能改善薬)や生活調整で多くは改善が見込めます。
鎮痛薬は飲んでいい?
解熱鎮痛薬(NSAIDs)は悪化しやすいので注意。必要時は医師に相談し、胃薬の併用や薬剤の見直しを検討します。
医師監修
0th CLINIC 日本橋 医師(内科/消化器)
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本記事は一般的な情報提供です。吐血、黒色便、持続する嘔吐、強い痛みなどは救急受診を含め早めの医療機関受診を。研究・ガイドラインにはCOI(利益相反)や出版バイアスの影響があり得ます。個別判断は診察に基づき行います。
