尿の異常(色・にごり・残尿感・出にくい・排尿時痛い)
尿の異常に気づいたら──色・にごり・残尿感・出にくさ・排尿時痛い
「最近、尿の色やにごりが気になる」「残尿感がある」「出始めが弱い」「排尿時にしみる」…。
尿の変化は、膀胱炎・尿道炎・前立腺肥大症・腎臓の病気・糖尿病腎症などさまざまな病気のサインになることがあります。
すぐ受診してほしい危険サイン
- 赤い尿・コーラ色の尿が突然出た(血尿)
- 高熱+腰や背中の強い痛み+悪寒(腎盂腎炎 など)
- 男性で急に尿がほとんど出なくなり、下腹部がパンパンに張ってきた(急性尿閉)
- 尿が極端に少ない/まったく出ない+むくみ・息切れ(急性腎障害・心不全)
これらに当てはまる場合は、当日受診や救急相談窓口の利用を検討してください。
血尿そのものについて詳しく知りたい方は、血尿のページもご参照ください。
「尿の異常」とは?──どこをチェックすればいいか
尿の異常といっても、次の3つに分けて考えると整理しやすくなります。
- 見た目の変化:色(赤い・茶色い)、白くにごる、泡立ちが強い、匂いが気になる など
- 排尿時の症状:しみる・痛い・残尿感・出にくい・勢いが弱い など
- 検査での異常:健診で「蛋白尿」「潜血」「糖尿」が出た など
このページでは、「残尿感」「蛋白尿」「尿のにごり」「排尿困難」「排尿時に痛い」という5つのよくあるパターンに分けて、原因と受診の目安を整理します。
血尿・頻尿・排尿痛などを詳しく知りたい場合は、それぞれの専用ページへもリンクします。
5つのパターン別|考えられる原因と受診の目安
① 残尿感がある(出し切れていない感じが続く)
排尿後も膀胱に尿が残っているような不快感がある状態です。実際に残尿が多い場合もあれば、膀胱や尿道が刺激されて「残っているように感じる」場合もあります。
- 前立腺肥大症(BPH):中高年男性に多く、尿勢低下・途切れる・夜間頻尿を伴いやすい
- 膀胱機能の低下・神経因性膀胱:糖尿病の神経障害、脊椎疾患などが背景にあることも
- 間質性膀胱炎/膀胱痛症候群:頻尿と膀胱痛。排尿で一時的に楽になるタイプ
- 尿路感染症:膀胱炎で残尿感が強くなることも
関連ページ:頻尿・尿意切迫のページ / 前立腺肥大症 / 泌尿器科トップ
② 蛋白尿が気になる(健診で指摘された)
自覚症状がほとんどない一方で、将来の腎臓病・心血管病リスクのサインになり得るのが蛋白尿です。
- 一過性蛋白尿:発熱・激しい運動・脱水・ストレスなどで一時的に出ることがあります
- 慢性腎臓病(CKD):高血圧・糖尿病・加齢などが背景にあることが多いです
- 糖尿病腎症:糖尿病患者さんでの蛋白尿は、早期の腎症サインとなり得ます
健診で「蛋白尿」を何度か指摘されている場合は、放置せず早めに再検査・精査を受けることが大切です。
関連:糖尿病腎症
③ 尿ににごりがみられる(白っぽい・濁っている)
尿が白くにごる・ミルクのように見える・泡立ちが強いとき、次のような原因が考えられます。
- 膀胱炎・尿道炎などの感染症:白血球・細菌・膿が混じると濁って見えます
- 性行為関連感染症:分泌物が混じり、にごりや異常な匂いを伴うことがあります
- 高度蛋白尿:「泡立つ尿」が続く場合、蛋白尿が背景にあることも
- 結晶尿:結石のもとになる結晶が多いと、白濁して見えることがあります
発熱や排尿時痛を伴う場合は、膀胱炎・腎盂腎炎などの可能性があるため早めの受診をおすすめします。
関連:泌尿器科トップ /
性病検査・治療
④ 排尿が困難と感じる(出にくい・途切れる・勢いが弱い)
「トイレに時間がかかる」「最初の一筋がなかなか出ない」「途中で途切れる」といった排尿困難は、特に男性で多く見られる症状です。
- 前立腺肥大症:中高年男性で頻度が高く、夜間頻尿・残尿感も伴いやすい
- 尿道狭窄:過去のカテーテル・感染・外傷などが背景にあることも
- 神経因性膀胱:糖尿病の自律神経障害、脊椎の病気などから生じることがあります
急にまったく尿が出なくなり、下腹部が強く張ってくる場合は、急性尿閉の可能性があり、救急対応が必要です。
関連:前立腺肥大症 /
泌尿器科トップ
⑤ 排尿時に痛む・しみる場合
排尿時の「しみる」「焼けるような痛み」は、膀胱炎・尿道炎・性行為関連感染症・尿路結石などでよく見られます。
- 女性に多い急性膀胱炎:頻尿・残尿感・下腹部の違和感を伴うことが多い
- 男性の尿道炎・前立腺炎:分泌物・会陰部痛・発熱など
- 尿路結石:激しい疝痛発作と血尿を伴うことがあります
排尿時の痛みについて詳しくは、「排尿時に痛い(排尿痛)」のページもご覧ください。
どの科を受診すべき?──内科・泌尿器科の目安
| 状況・症状 | まず相談したい診療科 | ポイント |
|---|---|---|
| 健診で蛋白尿・潜血を複数回指摘された | 内科(総合内科) | 高血圧・糖尿病・腎機能を含めて全身評価。必要に応じて腎臓内科・泌尿器科と連携します。 |
| 残尿感・排尿困難・頻尿が続く(特に中高年男性) | 泌尿器科 | 前立腺肥大症・膀胱機能の評価が必要。超音波で前立腺と残尿量を確認します。 |
| 排尿時の痛み・にごり・悪臭・発熱を伴う | 泌尿器科 | 尿検査・培養で原因菌を同定し、適切な抗菌薬を選択します。糖尿病があれば内科との併診が望ましいです。 |
| 糖尿病があり、最近尿の変化や蛋白尿が気になる | 糖尿病内科・内科 | 糖尿病腎症・動脈硬化リスクを総合的に評価します。 関連:糖尿病腎症 |
| どこに行けばいいか分からない/複数の症状が混在している | 総合内科 | まずは総合内科で原因を絞り込み、必要に応じて院内の泌尿器科に同日連携します。 |
0th CLINIC 日本橋では、総合内科・糖尿病内科と泌尿器科が連携し、尿検査・血液検査・超音波検査までワンストップで対応します。
泌尿器の総合案内:泌尿器科トップ
0th CLINICでの検査と診療の流れ
- 問診:症状の内容(色・にごり・匂い・残尿感・排尿時痛など)、発症時期、発熱の有無、既往歴(糖尿病・高血圧・腎臓病)、内服薬(利尿薬・SGLT2阻害薬など)を詳しく伺います。
- 尿検査:尿一般(蛋白・糖・潜血・白血球・亜硝酸)、尿沈渣。必要に応じて尿培養や結晶の評価も行います。
- 血液検査:腎機能(Cr・eGFR)、電解質、炎症反応、血糖・HbA1c など。
- 超音波検査:腎臓・膀胱・前立腺を確認し、結石・腫瘍・前立腺肥大・残尿量の評価を行います。
- 必要に応じて追加検査:性病検査、CT・MRI、専門施設への紹介など。
- 治療・フォロー:原因に応じて、抗菌薬治療・前立腺肥大症治療薬・生活習慣の調整・糖尿病や高血圧のコントロールを行い、定期的に尿検査・腎機能をフォローします。
受診前にメモしておくと診断がスムーズです
- 尿の見た目:色(透明・黄色・赤・茶色)、にごりの有無、泡立ちの強さ、匂いの変化
- 排尿時の症状:痛み・しみる・残尿感・勢い・出始めまでの時間・途切れ具合
- 1日の回数と夜間回数:おおよその回数・起きる時間帯
- 体調の変化:発熱・腰痛・背部痛・むくみ・息切れ・体重変化
- 健診結果:ここ数年の尿検査・腎機能・血糖・HbA1c の結果
- 内服薬:利尿薬、SGLT2阻害薬、鎮痛薬、漢方薬など
写真に撮影した尿の色や、健診結果のコピーをお持ちいただくと、より具体的な評価がしやすくなります。
よくある質問
Q. 「泡立つ尿」は必ず腎臓が悪いということでしょうか?
A. 尿の勢いが強い時や洗剤の残りなどで一時的に泡立つこともあり、必ずしも腎臓病とは限りません。
ただし、毎回のように泡立ちが強い・なかなか消えない場合は、蛋白尿の可能性もあるため、一度尿検査を受けることをおすすめします。
Q. 蛋白尿を指摘されたが症状がなく、受診を先延ばしにしています。
A. 蛋白尿は自覚症状がほとんどないまま進行することがあり、早期に対応するほど腎臓を守りやすいとされています。
「様子見」で毎年同じ結果が続いている場合は、一度きちんと評価しておくと安心です。
Q. 泌尿器科か内科か、どちらに行けばよいか分かりません。
A. 当院では、まず総合内科で症状や検査結果を整理したうえで、必要に応じて院内の泌尿器科に同日紹介する体制をとっています。
「とりあえず相談したい」という場合も、遠慮なくご相談ください。
受診・ご相談のご案内
尿の変化は、腎臓・膀胱・前立腺・全身の状態を映し出す大切なサインです。
0th CLINIC 日本橋では、総合内科・糖尿病内科と泌尿器科が連携し、「何科か分からない」段階からの相談にも対応しています。
監修
「尿検査や尿の症状は、腎臓・膀胱・前立腺だけでなく全身の状態を映す重要な“窓”です。
早い段階で原因を整理しておくことで、将来の腎機能低下や心血管病のリスクを減らすことにもつながります。」
0th CLINICでは、総合内科・糖尿病内科の視点から、尿検査異常や泌尿器症状を丁寧に評価し、必要に応じて泌尿器科・専門施設と連携しながら診療を行っています。
0th CLINIC 日本橋 院長/医学博士
日本病理学会認定 病理専門医/日本プライマリ・ケア連合学会認定 プライマリ・ケア認定医
日本医師会認定 産業医・健康スポーツ医/総合診療・救急科での診療経験 10年以上
