コラム

【皮膚科医師監修】口唇ヘルペスに対するPIT治療

再発のたびに悩む前に、
ご自身で対処できるPIT治療をはじめませんか?

「また来たかも…」と感じたその瞬間から、すぐに治療を開始できるのがPIT治療のメリット。
医師の診察で、あなたに最適な処方を提案します。まずはお気軽にご相談ください。

24時間オンライン予約受付中!
土曜日も診療、初診から対応いたします。

💡 口唇ヘルペスに対するPIT治療とは

口唇ヘルペスは、単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)が原因となる感染症で、唇やその周囲に水疱やびらんを生じ、痛み・かゆみ・違和感などが伴います。
再発を繰り返す方に対しては、PIT(Patient Initiated Therapy:再発時自己開始療法)という治療法が効果的です。

■ PIT治療とは?

PIT治療は、患者自身が再発の前兆(ピリピリ・ムズムズ・違和感など)を感じた段階で、医師からあらかじめ処方された抗ウイルス薬を自己判断で服用する治療法です。
再発を未然に抑えることを目的とし、自宅などで速やかに服薬できるのが特徴です。

■ PIT治療の目的と効果

  • 再発の抑制:ウイルスの活性化を初期段階で抑え、症状の悪化を防ぎます。
  • 症状の軽減と期間短縮:発疹が広がる前に抑えることで、痛みや赤みが早く改善されます。
  • QOLの向上:見た目や不快感によるストレスを軽減し、日常生活への影響を最小限にします。

■ 使用される主な薬剤

薬剤名 用法 特徴
ファムシクロビル
(ファムビル)
250mg×2錠を初期症状から6時間以内に1回目、
その後12時間後にもう1回(合計4錠)
短期間の2回服薬で治療完了。
使いやすく副作用も少ない。
アメナメビル
(アメナリーフ)
200mg×6錠を食後に1回のみ服用(合計1,200mg) 1回の服薬のみで治療が完了。利便性が非常に高い。
新しい作用機序(DNAヘリカーゼ・プライマーゼ阻害)。
✅ PIT治療は医師の診察と事前の処方が必要です。
当院でも、初診後にご希望の方へ予備薬の処方を行っています。

PIT治療におけるファムビルとアメナリーフの違い

項目ファムビルアメナリーフ
薬理作用DNAポリメラーゼ阻害DNAヘリカーゼ・プライマーゼ阻害
内服方法6時間以内に1回目(4錠)、その12時間後に2回目(4錠)6時間以内に1回、食後に1200mg(6錠)
服用回数2回1回のみ
即効性高い高い
利便性やや高い(2回服用)非常に高い(1回服用)

💊 PIT治療の適応と処方について

PIT治療は、「再発の前兆が明確に自覚できる患者さん」に対して適応される治療です。

  • 🩺 初診時: 医師による診断と治療方針の説明を行います。
  • 💊 再発時: 前兆を感じた際に、1回分のみの内服薬を処方します。
  • 📆 継続処方: 医師の判断のもと、必要に応じて処方を更新可能。
  • 常用・予防内服は対象外: PITはあくまで再発時の早期対応を目的とした治療です。

✅ PIT治療を成功させるコツ

  • 🔍 前兆を見逃さない: ピリピリ・かゆみ・軽い痛みを感じたらすぐに服用を開始。
  • 🧴 外用薬との併用: アシクロビル軟膏やアラセナ-A軟膏を患部に塗布すると効果的。
  • 📦 常備薬として保管: 携帯や自宅で保管し、再発時にすぐ使えるように。
  • 🚫 自己判断での継続服用はNG: 他疾患(帯状疱疹・ニキビなど)と誤認する可能性もあるため注意。

🏥 PIT治療の処方が可能な医療機関

保険診療で処方される場合、以下の診療科で対応可能です:

  • ✔ 皮膚科
  • ✔ 内科・一般診療科
  • ✔ 婦人科(性器ヘルペスとの併発例)
  • ✔ 美容皮膚科や自由診療クリニックの一部

当院でもPIT治療に対応しています。
初診診察後、ご希望があれば再発時に備えた予備薬の処方も可能です。お気軽にご相談ください。

💊 PIT治療にかかる薬剤費(薬価・3割負担の目安)

PIT(Patient Initiated Therapy)治療では、再発の前兆時に短期間抗ウイルス薬を服用することで発症を抑えます。
以下に代表的な薬剤の薬価(2024年時点)および3割負担時の自己負担額を掲載します。

薬剤名 服用量 薬価(1回分) 3割負担
ファムビル(先発品) 250mg × 4錠 884.8円 約265円
ファムシクロビル「トーワ」(後発品) 250mg × 4錠 310円 約93円
アメナリーフ 200mg × 6錠 6,892.2円 約2,068円

🩺 補足: 上記金額に加えて、診察料・処方料・調剤料などが発生します。
初診時の総額は2,000〜3,000円前後が目安です(3割負担時)。

当院では、ヘルペスの再発でお悩みの方に対して、迅速かつ確実なPIT治療の導入をサポートしています。
ご希望の方はお気軽にご相談ください。

🔬 科学的根拠と外部リンク

PIT治療(Patient-Initiated Therapy)は、口唇ヘルペスの再発抑制および重症化予防に有効であることが複数の研究で示されています。
初期症状(違和感・ピリピリ感など)に気づいた時点で迅速に抗ウイルス薬を服用することで、発疹の形成を防いだり、症状の期間を短縮する効果が報告されています。

※ 上記リンクは、医療関係者向け情報を含むため、内容に不明点があれば医師にご相談ください。

👨‍⚕️ 医師からのコメント・監修

【皮膚科医師監修】口唇ヘルペスに対するPIT治療
口唇ヘルペスは“違和感”を感じた時点での早期対応が鍵です。
PIT治療は、患者さん自身が初期症状を感じた段階で速やかに内服を開始できるよう薬をあらかじめ処方する方法です。
“繰り返す”お悩みを軽減する有効な選択肢の一つです。」

当院では、再発頻度やライフスタイルに応じて、PIT治療を積極的にご提案しています。
特に、人前に出るお仕事やイベント前に不安を感じる方、症状が出たときにすぐ受診が難しい方には非常に有用です。
さらに、ファムビル・アメナリーフなどの単回~2回投与型の治療薬も組み合わせ、利便性と確実性を両立した治療を行います。

監修:黒田揮志夫 医師(病理専門医/皮膚病理医)
0th CLINIC 日本橋 院長
日本病理学会認定 病理専門医/総合診療・救急診療歴10年以上
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