コラム

高血圧と塩分の関係 ─ コンビニ食で“ムリなく減塩”する方法【医師監修】

高血圧と塩分の関係 ─ コンビニ食で“ムリなく減塩”する方法【医師監修】

結論:高血圧の人は「食塩6g/日未満」が基本(一般成人の目標は7g未満、WHOは5g未満)。1食あたり2g以内を意識すると、コンビニでも達成できます。本記事は選び方のルール具体メニュー例をまとめました。

高血圧と塩分の“科学的な関係”

  • 推奨量高血圧の人は6g/日未満(日本高血圧学会)。一般成人の目標は7g未満(健康日本21)。WHOは5g/日未満(=ナトリウム2,000mg)。
  • 効果量食塩1gの削減で収縮期血圧が約1mmHg低下が目安。減塩2.3gで約3.8mmHg低下という解析も。
  • 日本人の“落とし穴”:麺類のスープを全部飲むと約6gに達することも。まずは“汁を残す”が近道。

※糖尿病・腎疾患のある方は、とくに6g/日未満が推奨。夏場でも原則として減塩を続けます(大量発汗時は別途調整)。

研究のCOI(利益相反)・出版バイアスへの注意

減塩研究の多くは公的資金ですが、食品業界との関係や出版バイアスの指摘もあります。複数のガイドラインと総説を踏まえ、個別リスクに沿って判断しましょう。

コンビニ減塩10ルール(1食“食塩2g以内”を目安)

  1. 「食塩相当量」を最優先で確認表示の見方)。1食2.0g以下を目安に。
  2. 汁物は1日1杯まで/麺類は汁を残す(半分残すだけで1〜2g削減)。
  3. 主食は“汁なし”:おにぎり・パンは具やソース控えめのものを選択。
  4. たんぱく源は“味付きよりプレーン”:サラダチキンはプレーン/半量で。ゆで卵、豆腐、納豆(タレ半分)。
  5. 野菜+果物を1品足す(カリウムで血圧サポート*)。カットサラダはノンオイル減塩ドレッシング/半量
  6. “かけ”より“つけ”:しょうゆ・ソースはかけずに、つけて食べると減塩に。
  7. 漬物・梅干し・塩干し魚は量を決める(毎食は避ける)。
  8. スパイス/酢/レモンで風味アップ(塩に頼らない)。
  9. “大盛・特盛”は塩も増える。サイズで調整。
  10. 甘い清涼飲料は控えめに(体重・血圧の双方に配慮)。

腎疾患やカリウム制限のある方、カリウム保持性利尿薬/ACE阻害薬/ARB/スピロノラクトン内服中は、カリウムの過剰摂取に注意し、主治医に相談してください。

ラベルの見方(どこを見る?)

日本の栄養成分表示は「熱量・たんぱく質・脂質・炭水化物・食塩相当量」が基本。食塩相当量は1食(または1包装)あたりで確認し、1食2g以内を目安に選びます。麺類は「スープを含む/含まない」の注記にも注意。

表記例:食塩相当量 1.8g/1食 → OK
表記例:食塩相当量 3.5g/1食 → 他を薄味に or 選び直し

よくある質問

“減塩しょうゆ”や“カリウム塩”は使って良い?
有効な選択肢です。ただし腎機能が悪い方カリウム保持性利尿薬/ACE阻害薬/ARB/スピロノラクトン使用中の方は高カリウム血症に注意。主治医に相談を。
ラーメン・うどんは完全NG?
絶対NGではありません。スープを半分以上残す替え玉・大盛を避ける汁物は他の食事で調整すれば“たまに楽しむ”は可能です。
外食と比べてコンビニは不利?
ラベルで食塩相当量を比較できるのがコンビニの強み。“汁なし+野菜”を足すことで十分に減塩が可能です。

医師監修

0th CLINIC 日本橋 医師(内科/循環器)
最終更新:

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本記事は一般的な情報提供です。腎疾患・心不全・妊娠中など特別な配慮が必要な方は、必ず主治医にご相談ください。研究・ガイドラインにはCOI(利益相反)や出版バイアスの影響があり得ます。最終判断は診察に基づきます。

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