コラム
低血糖の前ぶれと家庭での対処|SU薬・インスリン併用時に“いま”できる安全対策
低血糖の前ぶれと家庭での対処
— SU薬・インスリン併用時、“いま”からできる安全対策
動悸・手のふるえ・冷や汗・強い空腹感…これは低血糖のサインです。
本コラムは家庭での具体的な対処と再発を防ぐ習慣に特化。薬の詳細は各薬ページへリンクし、検索意図の重複(カニバリ)を避けます。
東京・日本橋(茅場町/人形町/日本橋駅すぐ)の0th CLINICが監修。
1. 低血糖の前ぶれ(「気づくための症状」)
自律神経症状
- 動悸、手のふるえ、冷や汗、顔面蒼白
- 強い空腹感、吐き気
- 不安感、そわそわする感じ
中枢神経症状(要注意)
- 集中できない、ぼーっとする、言動が変
- 視界がかすむ、頭痛
- ふらつき、けいれん、意識障害(重症)
※数値の目安:一般に<70 mg/dLで症状が出やすく、<54 mg/dLは臨床的に重要な低血糖域です。症状と血糖のズレがある場合は連続測定(CGM)の検討を。
2. SU・インスリン使用中に起きやすい場面
- 食事量の不足・食事の遅れ(朝食抜き、外来待ちや会議が長引く 等)
- 運動直後/長時間歩行(食後の運動でインスリン効果↑)
- 飲酒(就寝前の飲酒は夜間低血糖リスク↑)
- 発熱・下痢・嘔吐(シックデイ)
- 腎機能低下・高齢(特にSU薬は遷延しやすい)
- 用量やタイミングのミス(二重投与・打ち忘れのリカバリー不適切)
3. 家庭での対処(“10–15gの糖”→再測定→軽食)
- ただちに糖質10–15gを摂取(ブドウ糖タブレット3~4錠、砂糖スティック、オレンジジュース100mLなど)
※α-GI併用中(アカルボース等)は、砂糖よりブドウ糖(グルコース)を。 - 15分後に血糖を再検(自己測定またはCGMで再確認)→ まだ低ければ再度10–15gを追加。
- 回復後は主食+たんぱく質の軽食を摂る(再低下予防)。
例:おにぎり半分+チーズ、ビスケット+牛乳 等。 - 重症(意識障害/けいれん/経口困難):家族がグルカゴン投与→救急要請(119)。
※チョコや生クリームなど脂質の多い食品は吸収が遅く、初期対応には不向きです。
4. 再発を防ぐ習慣(今日からできるチェックリスト)
- “持ち歩き糖”を常備(ブドウ糖タブレット/ゼリー/ジュース小パック)
- 外出前・運動前に血糖確認(CGM/TIRのアラート活用)
- 飲酒は就寝3時間前まで・少量(就寝前は炭水化物を少量)
- 食事スキップをしない(遅れる時は主治医指示の“補食ルール”)
- 服薬・注射の記録アプリで打ち忘れ・二重投与を回避
- 腎機能や体重の変化があれば早めに用量見直しを相談
- SU薬→他機序薬への切替/減量を主治医と検討(SGLT2/GLP-1/DPP-4等)
5. 夜間低血糖/“気づけない低血糖”への対策
- 就寝前にCGMアラート閾値をやや高めに設定(例:80–90 mg/dL)
- 夕食~就寝の間はアルコールを控える/主食を少量確保
- 基礎インスリンの打つ部位・時間の固定(ブレを減らす)
- 夜間の運動は軽めに/入浴直後の測定で傾向を確認
- 無自覚低血糖が続く時は、治療強度を一段緩めて“リセット”を検討
6. 家族ができること(準備→実践フロー)
- グルカゴン製剤を常備(注射/点鼻)。使用法を家族と練習。
- 意識障害・けいれん・経口摂取不可:ためらわず投与→119番。
- 救急到着までの体位保持(嘔吐予防に回復体位)・衣服緩解。
- 普段から“低血糖カード”(病名・薬・連絡先)を携帯。
低血糖が続く/夜間に多い/無自覚が疑われる方は、投与量・併用薬・CGM設定の見直しが有効です。
東京・日本橋の当院で、生活と薬を“安全第一”で再設計します。
よくある質問(FAQ)
Q1. 砂糖でもいい?ジュースでもいい?
A. 初期対応は10–15gの糖をすばやく吸収することが大切です。α-GI併用中はブドウ糖を用いてください。
Q2. 15分後に測れないときは?
A. 症状が続く場合は、追加で10–15gを摂取。可能になり次第測定し、再低下に備えて軽食を。
Q3. 夜にお酒を飲む日は?
A. 就寝3時間前までに少量に留め、就寝前は炭水化物を少量。CGMアラートを活用しましょう。
Q4. 低血糖が怖くて投与が不安…
A. 無理に自己調整せず、SU薬の減量や機序切替(SGLT2/GLP-1/DPP-4等)や基礎インスリン調整を医師と相談してください。
👨⚕️ 医師監修

本記事は、0th CLINIC 日本橋(内科・糖尿病内科)が監修しました。
低血糖の再発予防は、生活・薬・測定の三位一体で設計することが重要です。
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