コラム
粉瘤が破裂したときの応急処置と受診のタイミング
粉瘤が破裂したときの応急処置と受診のタイミング
皮膚の下に袋状のしこりができる粉瘤(アテローム)は、内容物が外に出て破裂することがあります。
正しい応急処置と、医療機関へ相談すべきサインを、保険診療に対応する当院の方針に沿って解説します。
まず行うべき応急処置(自宅)
- 洗う:ぬるめの流水でやさしく洗い流します。ボディソープは使っても少量に。ゴシゴシ擦らない。
- 拭く:清潔なタオルやティッシュで軽く押さえて水分を取ります(こすらない)。
- 覆う:市販の清潔なガーゼや不織布テープで保護。衣類との摩擦を避けます。
- 冷やす:痛みや腫れが強いときは清潔な保冷剤を布で包みて短時間冷却。
- 避ける:しぼり出し・強い圧迫・針で刺す・アルコールでの過度な消毒はNG。
※ 応急処置は一時的な対処です。破裂した粉瘤は袋(嚢腫壁)が残っている限り、再度たまりやすくなります。
受診のタイミング(目安)
- 赤み・腫れ・熱感・痛みのいずれかがある
- 悪臭や膿が出続ける/出血が止まりにくい
- 発熱、だるさなど全身症状がある
- 顔面・指・外陰部などデリケートな部位、またはサイズが大きい/急速増大
- 糖尿病・免疫低下・抗血小板/抗凝固薬内服などリスクがある
当院では保険診療で、診察→必要に応じてエコー→局所麻酔の外来処置→病理提出まで一貫して対応します。炎症が強い場合は、まず切開排膿や内服で鎮静化し、後日根治切除を計画します。
やってはいけないこと
- 自分でしぼる、針で刺す(感染・瘢痕・再発の原因)
- アルコールなどでの過度な消毒(皮膚刺激・遅延治癒)
- 長時間の入浴・サウナ(腫れ・出血が増えることあり)
- 激しい運動や飲酒(抜糸までは原則控える)
- 手元の残薬の自己判断内服(症状を隠し、評価を難しくします)
診療の流れ(当院の一例・保険診療)
- 問診・視診(必要に応じて超音波で深さと範囲を評価)
- 炎症が少ない:外来で局所麻酔下の切除/炎症が強い:切開排膿→後日根治切除
- 切除標本は病理検査に提出(連携先の病理診断を含む)
- 術後ケアの説明(創部の清潔、テープ固定、紫外線対策など)
- 抜糸目安:顔面5–7日、体幹・四肢7–10日(個人差あり)
自宅ケアと再発予防の考え方
- シャワーは翌日以降、医師の指示に従って短時間・低刺激で
- 創部テープ固定は抜糸後も1–2週間継続すると瘢痕の目立ちを抑えやすい
- 再発リスクの低減には嚢腫壁を含めた切除が基本(状況で術式は調整)
受診・ご相談(保険診療)
当院は完全予約制です。LINEから24時間いつでもご予約いただけます。
まとめ
- 破裂時は「洗う→拭く→覆う→冷やす」。しぼらない・刺さない・強く消毒しない。
- 赤み・腫れ・痛み・悪臭・発熱・デリケートな部位・基礎疾患がある場合は早めに受診。
- 当院は保険診療で、診察~外来処置~病理提出まで一貫対応。炎症の程度で即日か計画切除かを個別判断。
※本記事は一般的な情報提供です。診断・治療の可否や時期は診察のうえ医師が個別に判断します。緊急性が高い症状がある場合は、適切な医療機関へご相談ください。
