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粉瘤が繰り返すのはなぜ?再発予防の考え方

粉瘤が繰り返すのはなぜ?再発予防の考え方|0th CLINIC 日本橋

粉瘤が繰り返すのはなぜ?再発予防の考え方(FAQ・症例の補足)

粉瘤(アテローム)が「またできた」「同じ場所が腫れてくる」と感じる背景には、いくつかの理由があります。ここでは再発しやすい要因と、再発予防のために当院が大切にしている考え方をまとめました。

1. 粉瘤が繰り返す主な理由

① 嚢腫壁の残存(取り切れていない)

粉瘤は袋(嚢腫壁)に角質や皮脂がたまる病変です。炎症が強い時期に切開排膿のみ行うと、袋の一部が残り、時間をおいて再びしこりが形成されることがあります。

② 炎症・感染による破綻と瘢痕化

感染や炎症を繰り返すと、袋が破れて内容物が周囲に広がり、組織の瘢痕化が進みます。剥離が難しくなり、十分な切除が困難→残存・再燃のリスクが高まります。

③ 自壊・圧出・誤った自己処置

つぶす・しぼるなどの自己処置は再感染・再発の温床になります。内容物のみが出ても袋は残るため、根本解決にはなりません。

④ 部位特性・張力・生活動作

耳周り、肩甲部、関節周囲などは張力がかかりやすい部位です。創が動きやすいと治癒が遅れ、再発や瘢痕肥厚の原因になります。

2. 再発予防の考え方(当院の方針)

  • 炎症が強い時は段階治療:まずは切開排膿・感染コントロールで腫れを鎮め、組織の状態を整えてから嚢腫壁ごと摘出を目指します。
  • 炎症前の計画切除:清潔創での切除は原則抗生剤不要、術野が見やすく袋を完全に外しやすいという利点があります。
  • 切開線の設計:皮膚割線(シワの方向)・張力・機能を考慮し、再発と瘢痕の両方を最小化するデザインを選択します。
  • 病理検査の提出:切除標本は適切に提出し、連携する病理診断で良悪性の確認・他疾患の鑑別を丁寧に実施します。
  • 術後フォロー:抜糸時に創の状態を確認し、必要に応じてテープ固定・紫外線対策などの再発/瘢痕予防ケアを継続します。

※手術の実施時期は病変の大きさ・部位・出血リスク・混雑状況などを踏まえ、医師が個別に判断します。

3. 術後ケアと日常生活のポイント

項目目安
抜糸顔面 5–7日/体幹・四肢 7–10日(部位で調整)
入浴・シャワー翌日以降に医師の指示で可。濡らす際は短時間で。
運動・飲酒抜糸まで強い運動・飲酒は控えるのが無難。
テープ固定抜糸後 1–2週間のテープ固定で創の安定化と瘢痕対策。
紫外線対策露出部はUV対策で瘢痕の色調変化を予防。

4. 受診タイミングの目安

  • 赤み・腫れ・痛み・熱感が出てきた
  • 悪臭のある分泌物・膿が繰り返し出る
  • サイズが大きくなってきた/イベントまでに治したい

早めの評価が、術式選択と再発予防に役立つことがあります。まずはご相談ください。

5. よくある質問(要点)

  • Q. 手術は当日できますか?
    A. 病変の状態と当日の混雑状況によっては可能なこともあります。安全を優先し、計画切除とする場合があります。
  • Q. 抗生剤は必要ですか?
    A. 炎症・感染のない清潔創での標準切除では、原則として不要です。状態により医師が判断します。
  • Q. 再発を完全に防げますか?
    A. どの治療にも再発の可能性はありますが、嚢腫壁の適切な摘出と術後ケアでリスク低減を目指します。

詳細は FAQ をご覧ください。

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粉瘤が繰り返すのはなぜ?再発予防の考え方

※本コラムは一般的な情報提供です。診断・治療の可否や方法は、診察のうえ医師が個別に判断します。緊急性が高い症状がある場合は適切な医療機関へご相談ください。

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