コムクロシャンプー(クロベタゾール)
💊 コムクロシャンプーとは(基本情報)

コムクロシャンプー0.05%
項目 | 内容 |
---|---|
一般名 | クロベタゾールプロピオン酸エステル |
ステロイド分類 | 最も強い(ストロンゲスト・第1群) |
剤形の特徴 |
シャンプータイプ:泡立てて数分間頭皮に塗布したままにでき、患部にしっかり留まる設計。 薬液が髪に残りにくく、洗い流しやすい。 |
使用部位の例 | 頭皮(尋常性乾癬・難治性皮膚炎の一部) |
保険適用 | 保険診療で処方可能 |
コムクロシャンプーは、強力な抗炎症作用を持つステロイド成分を含んだ外用シャンプーです。
とくに乾癬などの頭皮疾患において、炎症や皮膚の盛り上がり(肥厚)を抑える目的で使用されます。
一般的な使い方は、週に1回、5分間頭皮に泡をなじませてから洗い流す方式で、全身への副作用を抑えつつ局所効果を高める工夫がされています。
🎯 今回の主役:コムクロシャンプー0.05%
コムクロシャンプーは、日本初のステロイド外用シャンプー剤として承認された新しい剤形です。
強力なステロイドであるクロベタゾールプロピオン酸エステルを含み、頭皮の乾癬や湿疹などに対して高い治療効果を発揮します。
- ● 分類ランク: I群(ストロンゲスト)
- ● 主成分: クロベタゾールプロピオン酸エステル
- ● 剤形: シャンプータイプ(15分間接触後に洗い流す)
- ● 適応部位: 主に頭皮(乾癬・湿疹など)
📌 使用のポイント
コムクロシャンプーはプロアクティブ療法を用いれば週1回の使用でも効果が期待される設計で、泡で接触時間を確保しつつ、洗い流しやすいのが特長です。
他のステロイド剤と同様に、長期連用は避け、改善が見られたら他の外用薬に切り替えるのが基本です。
⚠️ 顔面や皮膚の薄い部位、広範囲への使用は推奨されません。
誤用によりステロイド皮膚症・酒さ様皮膚炎・皮膚萎縮などの副作用リスクがあるため、必ず医師の指示のもとで使用してください。
■ 使用回数とタイミング
コムクロシャンプーは1日1回の使用が基本です。
乾燥した状態で患部(頭皮)にやさしく塗布し、約15分間放置した後に洗い流します。
※ 強いステロイド成分を含むため、頻回の使用は避け、医師の指示通りに用量・回数を守ってください。
■ 使用量と塗布のコツ
- ● 髪をが乾燥した状態で、必要量(500円玉3枚分くらい)を頭皮に直接塗布します。
- ● こすらないようにやさしくマッサージし、頭皮全体に広げます。
- ● 15分間そのまま放置し、その後十分に洗い流してください。
※ 髪ではなく「頭皮」に薬剤がしっかり届くことが大切です。

▲ 使用方法
■ 使用時の注意点とトラブル時の対応
- ⚠ 顔や粘膜、目に入らないように注意してください。
- ⚠ 皮膚の薄い部位や広範囲には使用しないでください(医師の指示に従ってください)。
- 💡 赤み・刺激・かゆみ・皮膚の変化が見られた場合は使用を中止し、早めに受診してください。
✅ コムクロシャンプーは日本初のステロイド含有シャンプーとして開発された、画期的な外用治療薬です。
正しく使用すれば頭皮の炎症や乾癬に優れた効果を発揮しますが、誤った使用で副作用を生じる可能性もあるため、医師の指導を守って安全に使用しましょう。
画像引用元: マルホ株式会社 コムクロシャンプー製品情報ページ
🩺 コムクロシャンプーの適応疾患と使用の目安
コムクロシャンプーは、頭皮の慢性炎症性疾患に対して、高い効果が期待される外用ステロイド(ストロンゲスト)です。
特に以下のような疾患で頭皮の赤み・かゆみ・皮膚の盛り上がり(肥厚)がある場合に、医師の判断で使用が検討されます。
適応疾患 | 検討されるケース |
---|---|
尋常性乾癬(頭部) | 頭皮に厚い鱗屑(フケ様のかさぶた)が付着し、かゆみ・赤み・盛り上がりが目立つ場合 |
脂漏性皮膚炎 | 洗っても繰り返す赤み・べたつき・かゆみが強く、他の外用薬で改善が乏しい場合 |
慢性湿疹(頭部) | 慢性的なかゆみ・湿疹・皮膚のゴワつきがあるが、ローション・クリームでは浸透しづらい場合 |
これらの疾患において、シャンプータイプならではの「密着性」や「洗い流しやすさ」が活かされるため、頭皮への外用が難しい方にも適した選択肢となります。
🧴 コムクロシャンプー vs コラージュフルフル 比較表
項目 | コムクロシャンプー | コラージュフルフル |
---|---|---|
分類 | 処方薬(医師の処方が必要) | 市販薬(OTC・ドラッグストアで購入可) |
主成分 | クロベタゾールプロピオン酸エステル(ステロイド) | ミコナゾール硝酸塩(抗真菌薬) オクトピロックス(抗菌成分) |
主な作用 | 強力な抗炎症作用 | 真菌(マラセチア)や細菌の増殖抑制 |
適応疾患 |
尋常性乾癬(頭部) 脂漏性皮膚炎(重症例) 慢性湿疹(頭皮) |
脂漏性皮膚炎(軽症〜中等症) フケ・頭皮のかゆみ・においの対策 |
使用方法 | 毎日・頭皮に15分間接触後に洗い流す | 通常のシャンプーと同様に毎日使用可 |
副作用リスク | 皮膚萎縮・毛細血管拡張など(ステロイド特有) | 比較的少ないが、乾燥や刺激感が出ることも |
購入方法 | 医療機関で処方 | 薬局・ECサイトで購入可 |
まとめ:
● コムクロシャンプーは強い炎症や角質肥厚がある疾患向けであり、医師の管理下で使用します。
● コラージュフルフルは日常的な頭皮トラブルのケアや予防に向いており、軽症〜中等症の脂漏性皮膚炎やフケ対策に広く使われています。
⚠ コムクロシャンプーの禁忌と副作用について
■ 使用してはいけないケース(禁忌)
- ● 細菌・ウイルス・真菌などによる皮膚感染がある部位
→ 例:とびひ、ヘルペス、水虫 など - ● 顔面・粘膜・外陰部などの皮膚の薄い部位
- ● ステロイド外用薬に対して過敏症(アレルギー)の既往がある方
- ● 小児(12歳未満)は原則として適応外
■ 主な副作用
コムクロシャンプーは強力なステロイド(ストロンゲスト)であり、使用部位や使用期間によって以下のような副作用が生じることがあります。
副作用名 | 内容・備考 |
---|---|
皮膚萎縮 | 皮膚が薄くなりやすく、長期使用でリスク増 |
毛細血管拡張 | 皮膚表面に赤い細い血管が浮き出る |
酒さ様皮膚炎 | 特に顔面への不適切な使用で発症しやすい |
刺激感・かゆみ・発赤 | 使用直後に一時的に出現することがある |
二次感染 | 免疫低下により細菌・真菌感染を起こしやすくなる |
✅ コムクロシャンプーは正しく使えば非常に効果的な治療薬ですが、誤用による副作用リスクも高いため、使用期間・部位・用量は必ず医師の指示に従ってください。
■ 日本のガイドラインと推奨度
-
● コムクロシャンプーはクロベタゾールプロピオン酸エステルを含むストロンゲスト(最強)ランクのステロイド外用薬として、
日本皮膚科学会「乾癬診療ガイドライン2020」において、頭部乾癬の局所療法として有効と明記されています。 - ● 特に乾癬による頭皮の肥厚・鱗屑(フケ)・炎症に対して、週1回使用での効果が認められています。
■ 国際的なエビデンス
-
● 米国皮膚科学会(AAD)では、super potent corticosteroids in shampoo base(シャンプー基剤の超強力ステロイド)が、
乾癬や慢性皮膚炎の頭皮病変に対し効果的とされています。 -
● 英国NHSでも、head psoriasisへの外用療法の一つとして、シャンプー型ステロイド剤が導入されており、
安全性・アドヒアランスの高さが評価されています。
■ 臨床研究からの知見
- ● Gottlieb AB et al.(2009)では、週1回のコムクロシャンプー使用で頭部乾癬が有意に改善したと報告されています。
- ● 使用患者の多くでかゆみ・紅斑・鱗屑の減少がみられ、副作用は一時的な刺激感など軽度にとどまりました。
- ● 患者満足度が高く、洗い流しやすさ・使用感の面でも評価されています。
✅ コムクロシャンプーは頭皮に特化したストロンゲストステロイド製剤として、高い治療効果と使いやすさを両立した新しい治療選択肢です。
ただし、顔・粘膜・長期使用には不適であり、週1回の適正使用を医師と相談のうえで継続しましょう。
🗣️ コムクロシャンプーを使った患者さんの声・体験談
シャンプーのついでに使えるのが本当に便利でした。
週1回だけでフケや赤みが減り、かゆみも軽くなりました。
※個人の体験であり、すべての方に同様の効果があるとは限りません。
以前の塗り薬は髪につくのが気になりましたが、これは泡で塗って流すだけなので簡単。
皮膚科の先生にも「負担が少ない」と言われて安心して使えました。
※これは個人の感想です。
❓ よくある質問(FAQ)
原則として週1回の使用が基本です。
指定された量を泡立てて頭皮に塗布し、5分間放置してから洗い流します。
医師の指示があれば使用頻度が変わることもあります。
コムクロシャンプーは頭皮の皮膚症状(乾癬・湿疹)に作用する薬です。
髪そのものを育てる効果はありませんが、頭皮環境を整えることで間接的に良い影響を与えることもあります。
毎日の使用は推奨されていません。
強力なステロイド成分が含まれているため、過剰使用は副作用リスクが高くなります。
必ず医師の指示に従って使ってください。
コムクロシャンプーは頭皮専用に設計された薬剤です。
顔や体などの皮膚には使用しないでください。
頭皮以外の部位には別の剤形(クリーム・軟膏など)を使用するのが一般的です。
💰 コムクロシャンプーの薬価と自己負担額の目安
コムクロシャンプー(125mL)は、ストロンゲストに分類されるステロイド含有の処方シャンプーです。
頭部の尋常性乾癬および湿疹に対して保険適用があり、薬価は2,287.5円(1本あたり)です。
容量 | 薬価(定価) | 自己負担額(3割) | 自己負担額(1割) |
---|---|---|---|
125mL(1本) | 2,287.5円 | 約686円 | 約229円 |
🧴 使用量の目安と1本で使える回数
- ● 500円玉1枚分 ≒ 約2.5mL(頭皮1/3程度)
- ● 頭全体に使用する場合は「500円玉×3枚分」≒ 約7.5mL
- ● 1本(125mL)はおよそ16〜17回分に相当
- ● 毎日の使用で約2週間分の目安になります
- ● 使用量に厳密な上限はないが、過剰塗布は不要とされています
✅ コムクロシャンプーは保険適用で入手可能な高機能ステロイド外用薬です。
用量は500円玉サイズを目安に、頭皮全体をカバーできるように調整し、週1回ペースで使用することで適切な治療効果が期待できます。
👨⚕️ 医師からのコメント・監修

「コムクロシャンプーは日本で初めて登場した、ステロイドを含む処方シャンプーです。
頭皮の乾癬や湿疹など、外用剤が届きにくい部位にも効果的に治療できるという点で、大変画期的です。」
シャンプーとして洗いながら使用できるため、べたつきが少なく、髪への影響も抑えられるという点で継続しやすく、使用感も高く評価されています。
ただし、非常に強力なステロイド成分を含むため、頻度や使用量は必ず医師の指示のもとで行ってください。
0th CLINIC 日本橋 院長
日本病理学会認定 病理専門医/総合診療・救急科での診療歴10年以上
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