イミキモド(ベセルナクリーム5%)

💊 ベセルナクリームとは(基本情報)

イミキモド(ベセルナクリーム5%)

ベセルナクリーム(5%)

項目 内容
一般名 イミキモド(Imiquimod)
作用機序 局所でインターフェロンなど免疫応答を活性化し、ウイルス感染細胞や腫瘍細胞を排除
適応症 尖圭コンジローマ(性器いぼ)
日光角化症
表在性基底細胞癌(BCC)(注:日本未承認)
使用部位の例 外陰部、肛囲、顔面・頭部(日光角化症)
使用回数 週3回、就寝前に塗布(例:月・水・金)し、翌朝洗い流す
副作用 局所の赤み、ただれ、痛み、かゆみ、膿疱、水疱など(使用中止が必要な場合あり)
保険適用 疾患により保険適用あり(尖圭コンジローマなど)

ベセルナクリームは、ウイルス性や皮膚がんの前がん病変に対して使用される免疫賦活型外用薬です。
強い炎症反応が出ることがありますが、それは効果が出ている証拠でもあります。
0th CLINICでは、患者様の皮膚の状態や副反応の程度を慎重に観察しながら、必要に応じて中和ケアや休薬指導を行っております。

🧴 ベセルナクリームの正しい使い方

  1. 洗浄:患部をやさしく洗い、清潔かつ乾いた状態にします。
  2. 塗布:ベセルナクリームを1包あたり1g程度、病変に薄く塗布します。
  3. 放置:そのまま6〜10時間放置し、洗い流します(翌朝など)

※ 保湿剤は使用前後に避け、クリーム単独で作用させましょう。

■ 使用回数とスケジュール

通常は週3回(例:月・水・金)夜に塗布し、翌朝に洗い流します
効果が現れるまで最大16週(約4か月)の使用が認められています。

※ 治療中に赤み・かさぶた・ただれ・しみるなどの反応が出ますが、多くは治療反応の一環です。

■ 塗る量と部位の目安

  • 1回の使用量は1包(1g)までとし、広範囲には塗らないでください。
  • ● 性器や肛囲など粘膜に近い部位では、薄くやさしく塗布してください。

※ 拭き取りや洗い流しが不十分だと、皮膚刺激が続く恐れがあります。

イミキモド(ベセルナクリーム5%)

▲ ベセルナの塗布方法イメージ

■ 使用時の注意点とトラブル対応

  • 痛み・ただれ・膿・水ぶくれが強い場合は、使用を一時中止し、医師へ相談してください。
  • 入浴・シャワー前には使用を避け、患部が乾いた状態で使用しましょう。
  • 💡 クリーム使用後の手は必ず洗うようにし、目や口などに触れないよう注意しましょう。

✅ ベセルナは自己免疫を利用した画期的なウイルス治療薬です。
使用量・回数・洗浄の徹底を守ることで、より安全に効果を発揮します。
必ず医師の指導のもとで使用し、副作用が出た場合は早めに相談しましょう。

📖 ベセルナクリームの使い方(図解)

■ 国内での位置づけとガイドライン

  • イミキモド(商品名:ベセルナクリーム)は、厚生労働省に承認された保険適用薬で、
    尖圭コンジローマ・日光角化症・表在性基底細胞癌の標準治療薬の一つです。
  • ● 日本皮膚悪性腫瘍学会の診療指針においても、
    外科的治療が困難な高齢者や再発例に対する治療選択肢として位置づけられています。

■ 国際的な評価・ガイドライン

  • 米国FDAでは免疫修飾薬(immune response modifier)として認可され、
    HPV関連疾患や皮膚前がん病変に対する局所治療として用いられています。
  • 米国NCCN(National Comprehensive Cancer Network)のガイドラインでは、
    表在性BCCや日光角化症に対する非侵襲的な治療選択肢として明記されています。
  • ● 欧州皮膚科学会(EDF)でも、再発リスクの高い日光角化症の予防的治療として推奨されています。

■ 臨床研究と実臨床での使用

  • Geisse JK et al.(2004)では、
    表在性BCCに対しイミキモド5%クリームを週5回塗布で有意な奏効率を示しました。
  • Hadley G et al.(2008)では、日光角化症に対して皮膚癌予防効果が示され、
    長期的な皮膚管理にも応用されています。
  • ● 日本でもウイルス性疾患(尖圭コンジローマ)に対する自己塗布型の治療薬として、
    再発抑制と治療期間の短縮に役立っています。

✅ ベセルナクリームは外科的処置が困難な部位や、再発リスクが高い病変に対して有用です。
炎症反応が強く出ることがありますが、これは免疫賦活による治療反応であり、
必ず医師の指導のもとで安全に使用しましょう。

⚠️ ベセルナクリーム使用時の注意点と副作用

■ 使用時の注意点

  • 週3回(例:月・水・金)のみ使用し、毎日塗らないよう注意してください。
  • 就寝前に塗布し、6~10時間後に洗い流すことが必要です。
  • ● 使用中は患部に他の保湿剤や外用薬を重ねて塗らないようにしてください。
  • 顔面や粘膜部位への使用は避けるか、医師の判断で慎重に使用してください。
  • 妊娠中・授乳中の使用は、医師の判断が必要です。
  • ● 異常な炎症やただれ、痛みが持続する場合は一時中止して医師に相談してください。

■ 主な副作用

ベセルナクリームは免疫を活性化させる特殊な薬剤のため、使用中に以下のような局所反応が起こることがあります。

  • 発赤・かゆみ・腫れ:免疫反応による正常な副作用として一時的に出現
  • ただれ・びらん・かさぶた形成:強い炎症反応が出ることがあります
  • 疼痛・ヒリヒリ感:特に排尿時や擦れのある部位で感じやすい
  • 膿疱・潰瘍:まれに強い皮膚反応を生じることがある
  • リンパ節の腫れ:鼠径部や頸部などに一時的な腫脹が見られることも
  • 全身倦怠感・発熱・頭痛:まれに軽いインフルエンザ様症状を伴うことがあります
📌 ポイント:
ベセルナクリームはウイルス性いぼや皮膚がん前駆病変に高い効果を発揮しますが、
炎症反応が強く出る薬剤であるため、使用スケジュールと反応の経過観察が非常に重要です。
途中で心配な症状が現れた場合は、無理に継続せず医師の診察を受けてください。

❓ よくある質問(FAQ)

通常は週3回(例:月・水・金)夜に塗布し、6〜10時間後に石けんと水で洗い流します
1回の使用量は1包(1g)までに抑えてください。

はい、赤み・かゆみ・ヒリヒリ感・ただれなどの局所反応は、免疫活性の過程でよく見られます
ただし、耐えられない痛みや膿・潰瘍などが出た場合は一時中止し、医師にご相談ください。

ベセルナクリームは粘膜や目の周囲・顔面への使用は原則避けてください
陰部や肛囲など皮膚が薄い部位では、医師の判断で慎重に使用します。

ベセルナクリームの使用中は、他の外用薬や保湿剤を同じ部位に重ねて塗らないようにしてください。
刺激や反応が強くなる可能性があります。使用日はベセルナ単独での処置が基本です。

原則として成人用の処方薬です。小児や思春期の使用は安全性の面から慎重な判断が求められます。
医師が必要と判断した場合のみ、厳密な管理のもとで使用されます。

💰 ベセルナクリームの薬価と自己負担額(2025年5月時点)

製品名 容量 薬価(定価) 自己負担額(3割負担)
ベセルナクリーム 5%(1包) 1g/包 652.6円 約195.8円
1ヶ月使用(週3回×4週) 12包 7,831.2円 約2,349.4円

✅ ベセルナクリームはHPV関連の尖圭コンジローマや皮膚の前がん病変(日光角化症など)に対する免疫活性型治療薬です。
週3回の使用で1ヶ月に約12包を使用する想定で、3割負担の患者さまは月2,349円程度の薬剤費が目安となります。
※ 初診料・処方料・調剤料などは含まれていません。

👨‍⚕️ 医師からのコメント・監修

イミキモド(ベセルナクリーム5%)
「アンテベートはvery strong(II群)のステロイド外用薬で、しつこい炎症や広範囲の湿疹にも高い効果が期待できます
ただし、長期使用や顔・陰部などへの使用は注意が必要であり、医師の指導のもとでの使用が基本です。」

ステロイドは、炎症を素早く鎮めるための非常に有効な治療薬です。
当院では、皮膚の厚さや症状の強さを総合的に判断して薬剤を選択しています。
正しい知識と適切な使い方が、副作用を避けつつ効果を最大限に引き出す鍵です。

監修:黒田揮志夫 医師(病理専門医/皮膚病理医)
0th CLINIC 日本橋 院長
日本病理学会認定 病理専門医/総合診療、救急科での診療歴10年以上

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