【AGA治療薬】デュタステリド（ザガーロ、デュタステリドZA）
💊 デュタステリドとは（男性型脱毛症〈AGA〉治療薬）
▲ デュタステリド製剤（イメージ）
デュタステリドは、5α-還元酵素阻害薬として、男性型脱毛症（AGA）の進行を抑える内服薬です。
日本ではザガーロ®として承認されており、フィナステリドよりも強力なDHT（ジヒドロテストステロン）抑制作用を持ちます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 一般名 | デュタステリド（Dutasteride） |
| 薬効分類 | 5α-還元酵素阻害薬（Type 1 & 2） |
| 適応症（保険適用） | 前立腺肥大症（※AGAは保険外） |
| 自由診療での応用 |
男性型脱毛症（AGA）の進行抑制と改善、 抜け毛の減少、髪のハリ・コシ改善など |
| 主な効果 |
DHTの生成を抑制し、ヘアサイクルの乱れを正常化 → 抜け毛の進行抑制と発毛促進が期待されます |
● フィナステリドで効果が乏しい場合や、より広範囲のDHT抑制を希望される方に適応されることが多く、特に頭頂部や前頭部の進行型AGAに有効とされています。
● 服用効果は6ヶ月〜1年程度かけて徐々に現れます。
✅ 妊活中のパートナーがいる男性や、肝機能障害のある方は要注意。
副作用として、性欲減退・勃起機能の低下・乳房の違和感などが報告されています。
継続的な医師の診察と血液検査による管理が推奨されます。
💡 デュタステリドの作用と作用機序
デュタステリド（商品名：ザガーロ）は、男性型脱毛症（AGA）治療に使用される内服薬です。
男性ホルモンの一種であるDHT（ジヒドロテストステロン）を抑制することで、薄毛・抜け毛の進行を防ぐ効果があります。
🔬 デュタステリドの基本的な作用
デュタステリドは5αリダクターゼ阻害薬に分類され、Ⅰ型およびⅡ型5α還元酵素を同時に阻害します。
これにより、テストステロン → DHTへの変換を抑制し、DHT濃度を大幅に低下させます。
⚙️ AGAの進行を抑えるメカニズム
DHTは毛根にあるアンドロゲンレセプターと結合し、毛周期の成長期を短縮させ、毛が細くなる（軟毛化）原因になります。
デュタステリドによりDHTを抑制することで、以下のような効果が期待されます。
- ✅ ヘアサイクルの正常化（成長期の延長）
- ✅ 細くなった髪の太さ改善
- ✅ 抜け毛の進行抑制と発毛促進
🧬 フィナステリドとの違い
同じ5αリダクターゼ阻害薬であるフィナステリドがⅡ型酵素のみを阻害するのに対し、デュタステリドはⅠ型・Ⅱ型両方に作用します。
そのため、DHTの抑制率は90%以上とされ、より高い効果を期待できるケースもあります。
🎯 注意：デュタステリドは妊婦や女性の使用が禁忌であり、触れるだけでもリスクがあるため取り扱いには注意が必要です。
また、前立腺癌のマーカーであるPSAが低下するため、検査時には補正が必要です。
📚 参考リンク
⚠️ デュタステリドの副作用と注意点
1. 性機能への影響
デュタステリドはDHTを抑制するため、性欲減退・勃起機能の低下・射精障害が報告されています。
一部では長期的な影響が残ることもあり、慎重な評価が必要です。
2. 精液量の減少
服用中に精液量の減少を感じる方がいますが、精子濃度や受精能力とは必ずしも一致しません。
妊活中の方は医師に相談してください。
3. 乳房の違和感・女性化乳房
デュタステリドによるホルモンバランスの変化で、乳房の張り・圧痛・乳頭の変化が生じることがあります。
悪化する場合はすぐに服用を中止し、受診が必要です。
4. 抑うつ・気分変調
一部の報告で、気分の落ち込み・無気力・不安感などの精神症状が見られています。
精神的変化が出た際は、服薬中止と専門医の受診を検討します。
5. 肝機能障害
肝臓で代謝されるため、AST・ALTの上昇が稀にみられます。
定期的な血液検査によるフォローが推奨されます。
6. 前立腺がんリスクの見落とし
PSA値が約50%低下するため、前立腺がんの早期発見を妨げる可能性があります。
PSA測定時は補正値の計算が必要です。
7. 妊婦への影響
妊婦が薬剤に曝露すると、男性胎児の生殖器形成に悪影響を及ぼす可能性があるため、カプセルの内容物への接触は厳禁です。
8. 使用上の注意点
- 6ヶ月以上の継続服用で効果を判定する。
- PSA値・肝機能・性機能に関する定期モニタリングを行う。
- 症状悪化時には中止と専門医相談を速やかに。
- 妊活中・妊婦との接触がある場合は使用を再検討する。
- 自己判断による継続・中止は避ける。
デュタステリドはAGA治療における有効性の高い選択肢ですが、副作用を理解した上で、医師の指導に基づく安全な使用が求められます。
参考文献・外部リンク
🩺 デュタステリド内服中の副作用への対応と予防策
⚠️ 性機能への影響が出た場合
性欲減退・勃起障害・射精量の減少などの症状が出た場合：
- ▶️ 症状が軽度であれば経過観察を行い、数ヶ月で改善することもあります。
- ▶️ 症状が持続または悪化する場合は、一時中止や用量調整を検討。
- ▶️ PFS（Post-Finasteride Syndrome）が疑われる場合は、専門医への紹介を考慮。
⚠️ PSA値の異常低下・変動が見られた場合
デュタステリドはPSA値を約半分に低下させるため、評価には補正が必要です。
- ▶️ 服用前のPSA基準値を記録しておくことが大切。
- ▶️ 検査時は必ずデュタステリド服用中であることを医師に伝える。
- ▶️ PSAが急上昇した場合は、泌尿器科で精密検査を受ける。
⚠️ 抑うつ気分・精神的不調がある場合
- ▶️ 軽度であっても、継続する場合は医師に報告。
- ▶️ 日常生活に支障をきたす場合は薬剤の中止と専門医紹介を検討。
- ▶️ 精神疾患の既往歴がある方は、事前に医師へ申告を。
⚠️ 乳房の違和感・腫れが出た場合
- ▶️ 軽度の張り感は様子を見ることができます。
- ▶️ しこり・痛み・分泌物がある場合は、速やかに受診してください。
- ▶️ 女性化乳房（男性型乳房症）の兆候があればホルモン検査を行います。
⚠️ 肝機能異常が出た場合
- ▶️ 年1回を目安にAST・ALT等の血液検査を行うことを推奨。
- ▶️ 明らかな上昇が見られた場合は内服中止と精査を行います。
- ▶️ 飲酒量や他薬との併用にも注意が必要です。
✅ 予防策まとめ
- ✔ 服薬前にホルモン・肝機能・PSAのベースライン検査を受ける
- ✔ 医師の指示を守り、1日1回、継続的に服用する
- ✔ 副作用が出た場合は自己判断で中止せず、医師へ報告
- ✔ 年1回程度の定期検査（血液・前立腺）を受ける
- ✔ カプセルは割らずに服用し、妊婦・女性との接触を避ける
📌 副作用が出た場合でも、適切な対応により継続可能なことが多くあります。
不安がある場合は、必ず医師に相談のうえで最適な治療方針を一緒に検討しましょう。
🧾 AGA治療薬の比較表
代表的なAGA治療薬である「デュタステリド」「フィナステリド」「内服ミノキシジル」「外用ミノキシジル」の効果や副作用、使い方を比較しました。
| 薬剤名 | 主な作用 | 作用部位 | 主な副作用 | 推奨対象 |
|---|---|---|---|---|
| デュタステリド | DHT（Ⅰ型・Ⅱ型）を強力に抑制し、AGA進行を防ぐ | 頭皮の毛包（DHT受容体） | 性欲減退、勃起障害、PSA低下、乳房違和感 | AGA進行が強い方 / フィナステリド無効例 |
| フィナステリド | DHT（Ⅱ型のみ）を抑制し、薄毛進行を防止 | 頭皮の毛包 | 性機能低下、肝機能異常（まれ） | 軽度〜中等度のAGA / 初期治療希望者 |
| 内服ミノキシジル | 血管拡張・毛乳頭の活性化により発毛促進 | 毛包・毛母細胞 | むくみ、動悸、多毛症、血圧低下 | 全体的に発毛効果を高めたい方 |
| 外用ミノキシジル | 局所の血流改善により発毛促進 | 頭皮の表面 | かぶれ、頭皮の赤み、フケ | 内服に抵抗がある方 / 軽症例のサポート |
🤰 男性のAGA治療薬と妊娠・妊活中の注意点
AGA治療薬（デュタステリド、フィナステリド、ミノキシジル）は、発毛・脱毛抑制に高い効果が期待されますが、妊活中や妊娠中のパートナーがいる場合には特別な注意が必要です。
💊 主なAGA治療薬の分類と注意
| 薬剤名 | 使用形態 | 妊娠・妊活への注意 |
|---|---|---|
| デュタステリド | 内服（ザガーロ等） | ✖ 妊婦が触れてはいけない／胎児に影響の可能性あり |
| フィナステリド | 内服（プロペシア等） | ✖ 妊婦が触れてはいけない／胎児に影響の可能性あり |
| 内服ミノキシジル | 内服（自由診療） | ⚠ 動物実験で胎児毒性あり／人では不明 |
| 外用ミノキシジル | 頭皮塗布（リアップ等） | △ 原則問題なし（接触・誤飲に注意） |
🧬 胎児（特に男児）へのリスク
デュタステリド・フィナステリドは、男性ホルモン（DHT）を抑制する作用があるため、妊娠初期に女性が触れると胎児の性器形成に悪影響を与える可能性があります。
特に内容物が皮膚から吸収されるリスクがあるため、妊婦や授乳中の女性の近くで薬を開封しないでください。
👨❤️👩 妊活中の男性が服用しても大丈夫？
通常の使用量であれば、精液を介して胎児に深刻な影響を与える可能性は極めて低いとされています。
ただし、以下のような対応が推奨されます：
- ✔ 妊活中は医師と相談のうえで継続・中止を判断
- ✔ 不安がある場合は精子凍結や治療の一時中断も検討可能
- ✔ 妊娠成立後も、薬の取り扱いに十分注意（カプセルを破らない）
📌 注意点まとめ
- ✔ AGA薬は妊婦が触れること自体がリスク
- ✔ 飲み終わったカプセルの誤廃棄・誤飲にも注意
- ✔ ご家族に妊婦・授乳中の女性がいる場合は保管場所を厳重に管理
⚠️ AGA治療中の妊活・妊娠のご相談は医師へ
副作用やリスクを正しく理解した上で、パートナーの妊娠・出産計画に合わせた治療を行いましょう。
🔗 参考：
・FDA Drug Label: Avodart（デュタステリド）
・Finasteride and dutasteride and male fertility – PubMed
💊 デュタステリドの正しい飲み方と効果判定
✅ 飲み方と基本用量
デュタステリドは1日1回、0.5mgを目安に内服します。
毎日同じ時間に服用することで、血中濃度を一定に保ち、より安定した効果が期待されます。
- カプセルは噛まずにそのまま水で服用
- 食前・食後は問いませんが、毎日同じタイミングが推奨されます。
🕒 効果が現れるまでの期間
個人差はありますが、効果判定には3～6か月が目安となります。
毛周期の関係で、初期は抜け毛が一時的に増えることがありますが、ヘアサイクルの正常化による現象です。
📊 効果の判定方法
- 📸 治療前後の写真比較（頭頂部・前頭部）
- 🔬 マイクロスコープや毛髪診断による変化
- 📝 本人の自覚症状（抜け毛の量、髪の太さ、ボリューム感）
🔄 効果が乏しい場合の対応
6か月以上継続しても効果が認められない場合は、以下の対策を検討します：
- 💉 外用薬（ミノキシジル）との併用
- 💊 内服ミノキシジル（医師の管理下で）との併用
- 🧬 発毛メソセラピーやスキンブースター治療の追加
- 🧪 血液検査・ホルモン値チェックによる個別対応
📌 ポイント：
AGA治療は長期戦です。自己判断で中止せず、医師と相談しながら継続・調整することが効果を引き出す鍵です。
💰 当院でのデュタステリド処方 料金
| 薬剤名 | 内容量 | 価格（税込） |
|---|---|---|
| デュタステリド 0.5mg | 30カプセル（約1か月分） | 7,700円 |
※診察料・カウンセリング料を含んだ価格です。
※初回処方時には、副作用やPSA値への影響等について医師より詳しくご説明いたします。
❓ デュタステリドに関するよくある質問（FAQ）
デュタステリド（ザガーロ）は5α還元酵素Ⅰ型およびⅡ型を阻害するAGA治療薬です。
DHT（ジヒドロテストステロン）の生成を抑えることで、抜け毛の進行を防ぎ発毛を促進します。
個人差はありますが、服用後3〜6ヶ月で効果が現れることが多いです。
抜け毛の減少や髪のハリ・コシが改善される場合があります。
はい。デュタステリドは1日1回の継続服用が基本です。
飲み忘れに注意し、継続的に服用することで効果を最大限に発揮します。
性欲の減退、勃起障害、乳房の違和感、抑うつ症状などが報告されています。
また、前立腺がん検診のマーカー（PSA）を低下させるため、医師との相談が必要です。
⚖️ 自由診療に関する重要なご案内（デュタステリドZA）
- 本治療は自由診療です。
AGA治療は保険適用外のため、すべての費用は自己負担となります。 - 当院では「デュタステリドZA（ゼットエー）」を使用しています。
本製剤は日本国内で製造されたジェネリック医薬品ですが、AGA治療における使用は自由診療での提供となります。 - デュタステリドZAの成分は、先発品ザガーロと同一です。
主成分であるデュタステリド0.5mgを含み、同等のDHT抑制効果が期待されます。 - 適応について：
デュタステリドZAは、厚生労働省により「前立腺肥大症治療薬」として承認されていますが、男性型脱毛症（AGA）への使用は保険適用外であり、医師の裁量に基づく自由診療での提供となります。 - 副作用・リスクについて：
性欲の低下、勃起障害、抑うつ気分、乳房の違和感、肝機能異常などが報告されています。
また、前立腺がん検査（PSA値）を低下させる影響があるため、定期的な検査・診察が必要です。 - 妊婦・女性への注意：
妊娠中の女性が薬剤に触れることで、胎児（特に男児）の性器形成に悪影響を及ぼす可能性があります。
カプセルの取り扱いには十分ご注意ください。
📌 ご確認ください：
▶️
「リスクが潜む個人輸入」（厚生労働省 薬物乱用防止ホームページ）
▶️
「医療広告ガイドライン」（厚生労働省）
※この自由診療に関する案内は、医療広告ガイドラインに基づき、適切な情報提供と患者保護の観点から記載しています。
📚 AGA治療におけるデュタステリドのエビデンス
デュタステリド（Dutasteride）は5α還元酵素（Ⅰ型・Ⅱ型）を両方阻害することで、ジヒドロテストステロン（DHT）を効果的に抑制し、AGA（男性型脱毛症）治療に用いられています。
✅ 主な臨床研究と効果
-
デュタステリドはフィナステリドより有効：
2006年の無作為化二重盲検比較試験では、デュタステリド0.5mgはフィナステリド1mgよりも毛髪の増加量が有意に多いと報告されています。
📄 PMID: 16515598（Olsen EA et al., J Am Acad Dermatol. 2006） -
長期投与での効果持続：
2年間の長期データでも、持続的な発毛効果と安全性が確認されています。
📄 PMID: 19172028（Kawashima M et al., J Dermatol. 2009） -
DHT抑制率は90%以上：
デュタステリドはDHTを90%以上抑制するのに対し、フィナステリドは約70%。これは作用する酵素の「Ⅰ型・Ⅱ型」両方に作用することによります。
📄 PMID: 12621277（Clark RV et al., J Clin Endocrinol Metab. 2004）
⚠️ PSAへの影響と前立腺がん検診
デュタステリドはPSA値（前立腺特異抗原）を約50%低下させることが知られており、前立腺がん検診の際には注意が必要です。
検査医には服用歴を必ず申告し、PSA値は「2倍換算」で解釈することが推奨されます。
📄
PMID: 19707182（Andriole GL et al., N Engl J Med. 2010）
👨⚕️ 日本皮膚科学会のガイドライン
日本皮膚科学会のAGA診療ガイドライン（2017年改訂）では、デュタステリドの内服に「A（行うよう強く勧められる）」という最上位の推奨度が与えられています。
📄
日本皮膚科学会 AGA診療ガイドライン（PDF）
💡 まとめ
- ✔️ デュタステリドはより強力なDHT抑制効果があり、フィナステリドより効果が高いというエビデンスがある。
- ✔️ 効果判定には最低6か月程度の継続が必要。
- ✔️ PSA値に影響するため、前立腺がんスクリーニング時には注意が必要。
- ✔️ 日本皮膚科学会もAGA治療薬として高く推奨している。
👨⚕️ 医師からのコメント・監修
「デュタステリドはジヒドロテストステロン（DHT）の産生を抑制するAGA治療薬として広く使用されています。
毛包におけるDHTの過剰な刺激をブロックすることで、脱毛の進行を抑え、毛髪の成長環境を整える効果が期待されます」
デュタステリドは、5α還元酵素（1型・2型）を阻害することでDHTを強力に抑制します。
フィナステリドが2型のみに作用するのに対し、デュタステリドは両方に作用し、DHT抑制効果は90%以上とされています。
当院では、患者さまのAGA進行度・年齢・ライフスタイルに応じて、安全性と持続可能性を重視した投薬設計を行っています。
0th CLINIC 日本橋 院長
日本病理学会認定 病理専門医／AGA・男性更年期・ホルモン医療の実績多数
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