インスリン(Insulin)の基本・種類・使い方を医師が解説

インスリン(Insulin)の基本・種類・使い方を医師が解説|0th CLINIC
インスリン(Insulin)の基本・種類・使い方を医師が解説|0th CLINIC

インスリン(Insulin)とは

インスリンは、膵臓から分泌される「血糖値を下げる唯一のホルモン」です。血液中のブドウ糖を細胞に取り込み、エネルギーに変える「鍵」のような役割を果たします。糖尿病治療では、体内で不足したインスリンを補うため、注射製剤として使用されます。

インスリンの仕組みと役割

健康な体では、常に少量のインスリンが分泌されており(基礎分泌)、食事をすると血糖値の上昇に合わせて追加で分泌されます(追加分泌)。インスリン治療は、この自然な分泌パターンを製剤で再現することを目指します。

  • 糖の取り込み促進:筋肉や脂肪細胞のドアを開け、ブドウ糖を中に入れてエネルギー源にします。
  • 糖の放出抑制:肝臓が新しく糖を作り出す(糖新生)のを抑えます。

インスリン注射の手順(5ステップ)

正しい手技は、痛みを最小限にし、薬の効果を安定させるために重要です。

1
準備と針の取り付け 手を洗い、製剤の変色・混濁がないか確認します。ゴム栓を消毒し、新しい針をまっすぐ取り付けます。
2
空打ち(プライミング) ダイヤルを2単位に合わせ、針先を上に向けます。注入ボタンを押し、針先から薬液が出ることを確認して空気を抜きます。
3
単位数の設定 ダイヤルを回し、医師から指示された今回の投与単位数に正確に合わせます。
4
穿刺と注入 注射部位(腹部など)を消毒し、乾いたら針を垂直に根元まで刺します。注入ボタンをゆっくり最後まで押し込みます。
5
10秒カウントと後片付け 薬液の逆流を防ぐため、ボタンを押したまま10秒数えてから針を抜きます。安全に針を外し、専用容器に廃棄します。

インスリンの種類と作用時間

患者さんの生活リズムや血糖パターンに合わせて、作用時間の異なる製剤を使い分けます。

分類 効果発現 持続時間 主な役割
超速効型 10-20 3-5時間 食後の急な血糖上昇を抑える(追加分泌)
速効型 30分〜 5-8時間 食前投与や点滴などで使用
持効型 1-2時間 24時間 一日中、血糖の土台を整える(基礎分泌)
混合型/配合剤 成分により異なる 基礎と追加の両方を1本で補う

各インスリン製剤の詳細(内部リンク)

各薬剤の具体的な使い方や注意点については、以下の詳細ページをご覧ください。

よくある質問(FAQ)

Q. 注射部位は毎回変えたほうがいいですか?
はい、必ず変えてください。同じ場所に打ち続けると、皮下脂肪が硬くなったり盛り上がったりして(リポジストロフィー)、インスリンの吸収が悪くなり血糖値が不安定になります。前回注射した場所から2〜3cmずらす「ローテーション」を習慣にしましょう。
Q. 旅行の際、薬の持ち運びはどうすればいいですか?
現在使用中のペンは室温(30℃以下)で持ち運べます。予備の未開封インスリンは保冷バッグ等に入れ、絶対に凍結させないように注意してください。飛行機では貨物室が氷点下になることがあるため、必ず手荷物として機内に持ち込んでください。
Q. 低血糖(震え、冷や汗など)が起きたらどうすればいいですか?
すぐにブドウ糖10g〜15g(またはブドウ糖を含むジュースなど)を摂取し、安静にしてください。15分経っても症状が改善しない場合は、もう一度同じ量を摂取します。意識がもうろうとしている場合は、無理に飲ませず、すぐに医療機関に連絡してください。

インスリン導入のご相談や、現在の治療の見直しについては専門外来をご受診ください。

糖尿病代謝内科ページへ戻る

関連コラム

    ただいま準備中です。少々お待ちください。