排尿困難・頻尿・夜間尿…前立腺肥大症かも|症状・検査・治療|0th CLINIC 日本橋
排尿困難・頻尿・夜間尿…それ、前立腺肥大症かもしれません
中高年男性に多い前立腺肥大症は、尿道を圧迫して尿の勢いが弱い・残尿感・夜間に何度も起きるなどの症状を引き起こします。
問診・尿流測定・エコー検査で評価し、症状の程度により薬物治療や手術が検討されます。
⚠️ 尿が全く出ない(急性尿閉)、血尿が続く、腎機能障害が疑われる場合は早急に受診を
目次
🔍 前立腺肥大症とは
前立腺は膀胱の下にある男性特有の臓器で、加齢とともに肥大して尿道を圧迫することがあります。
その結果、排尿困難・頻尿・残尿感・夜間尿などの下部尿路症状(LUTS)が現れます。
肥大:尿道が圧迫され排尿障害の原因に。
肥大:尿道が圧迫され排尿障害の原因に。
良性疾患ですが、尿閉・腎機能障害・繰り返す感染を引き起こすことがあるため、適切な評価と治療が大切です。
🩺 主な症状(受診の目安)
- 排尿困難: 尿の勢いが弱い・時間がかかる・途中で途切れる
- 頻尿: 日中や夜間に何度もトイレに行く
- 残尿感: 尿が出きらない感じ
- 尿意切迫感: 急にトイレに行きたくなる
- 夜間頻尿: 夜間に何度も起きる
🧪 検査の流れ
- 問診・症状スコア(IPSS):症状の程度・生活への影響を評価。
- 直腸診:前立腺の大きさ・硬さを確認。
- 尿検査・血液検査:尿路感染や腎機能、PSA値を確認。
- 超音波(エコー):前立腺サイズ・残尿量を評価。
- 尿流測定(Uroflowmetry):排尿の勢い・パターンを測定。
💊 治療の考え方(薬物・手術)
薬物療法
- α遮断薬: 前立腺・膀胱頸部の筋肉をゆるめ排尿を改善
- 5α還元酵素阻害薬: 前立腺容積を縮小し症状を改善
- 抗コリン薬・β3作動薬: 過活動膀胱症状を伴う場合に使用
手術療法(提携医療機関へ紹介)
- TURP(経尿道的前立腺切除術)
- HoLEP(ホルミウムレーザー前立腺核出術)
- PVP(光選択的前立腺蒸散術)
🆘 急な尿閉時の対応
- 尿が全く出ない場合は救急対応が必要です
- 導尿やカテーテル留置で膀胱を減圧します
- 同時に腎機能や感染の評価も行います
🔄 再発・悪化予防(生活習慣)
- 水分摂取: 脱水を避け、膀胱機能を保つ
- カフェイン・アルコール控えめ: 頻尿や尿意切迫を悪化させることがあります
- 適度な運動: 肥満は下部尿路症状を悪化させる因子
- 就寝前の水分量を調整: 夜間頻尿の改善につながります
症状の程度に応じて治療を調整します。定期的な受診で腎機能・残尿量を確認しましょう。
🏥 当院でできること(0th CLINIC 日本橋)
- 初期評価: 問診・身体診察、尿検査、エコー、尿流測定
- 薬物療法: α遮断薬・5α還元酵素阻害薬などの処方
- 生活指導: 夜間尿・頻尿の対策、飲水・食習慣の調整
- 手術が必要な場合: TURPやHoLEPなど実績豊富な提携医療機関をご紹介
❓ よくある質問(Q&A)
Q:放置してもよい?
軽度の症状は経過観察も可能ですが、進行すると尿閉・腎機能障害・繰り返す感染の原因になります。
症状が生活に支障する/残尿が多い/腎機能や膀胱の変化が疑われる場合は、早めに評価・治療を検討します。
Q:薬はどれくらいで効きますか?
α遮断薬は数日~1週間で「勢い」「出始め」の改善を感じることが多いです。
5α還元酵素阻害薬は前立腺の縮小に時間がかかるため、効果判定は1~3か月以降が目安です。
併用療法では即効性(α遮断薬)+長期的改善(5α還元酵素阻害薬)が期待できます。
Q:薬の副作用はありますか?
α遮断薬: めまい・立ちくらみ・血圧低下、射精障害など。
5α還元酵素阻害薬: 性機能症状、長期内服でPSAが約50%低下(PSA解釈の際は医師に内服中であることを必ず伝えてください)。
抗コリン薬・β3作動薬: 口渇・便秘・尿閉悪化のリスク(残尿が多い場合は注意)。
副作用が続く場合は自己中断せずご相談ください。用量調整や薬剤変更で対応できます。
Q:前立腺肥大症と前立腺がんは違いますか?
はい、別の病気です。ただし同時に存在することもあります。
鑑別のためにPSA検査・直腸診・エコーなどを行い、必要に応じて専門的検査を考慮します。
Q:いつ手術を検討しますか?
以下のいずれかがあれば手術適応を検討します。
・薬で改善しない中等度~重度の症状/QOL低下
・繰り返す尿閉・カテーテルが外せない
・腎機能障害、膀胱結石、繰り返す尿路感染、持続的な血尿
・大量の残尿や膀胱機能の悪化が疑われる場合
Q:夜間に何度も起きます。対策は?
夕方以降の飲水量を調整(脱水に注意)、カフェイン・アルコールを控える、減塩、就寝前の下肢挙上や弾性ストッキングでむくみの再分配を図る、睡眠時無呼吸の評価などが有効です。
改善しない場合は薬物療法の調整や別疾患の評価を行います。詳しくは「再発・悪化予防」をご覧ください。
Q:急に尿が出なくなったら?(急性尿閉)
救急受診の目安です。膀胱の過伸展を避けるため導尿・留置カテーテルで減圧し、感染や腎機能を評価します。
原因薬剤(かぜ薬の鼻詰まり薬(α作動薬)、抗コリン薬、一部抗うつ薬・抗ヒスタミン薬など)で悪化することがあります。内服中の薬は必ずお知らせください。
Q:他の薬との飲み合わせで注意は?
α遮断薬×PDE5阻害薬(ED治療薬)は低血圧に注意(併用可でも用量・タイミング調整)。
鼻炎薬の充血除去薬(交感神経刺激薬)は排尿を悪化させることがあります。
抗コリン薬は残尿が多い場合に尿閉リスク。服用中の薬は受診時に共有してください。
Q:通院頻度・検査の目安は?
開始直後は4~12週で効果と副作用を確認、その後は3~6か月毎が目安です。
IPSS・尿流測定・残尿量、必要に応じてPSA・腎機能を評価します。症状変化や副作用があれば前倒しで受診してください。
Q:PSAはどう解釈されますか?
PSAは前立腺がんのスクリーニング・経過観察の参考になります。前立腺肥大症や炎症、射精・運動などでも上昇することがあります。
5α還元酵素阻害薬服用中はPSAが約半減するため、内服情報を前提に経時変化で判断します。
Q:生活で気をつけることは?
飲水・減塩・カフェイン/アルコールの見直し・体重管理・運動・睡眠が基本です。
生活調整は薬や手術と並行して行うと効果的です。詳しくは「再発・悪化予防」をご覧ください。
ほかにも気になる点があれば、ご受診時にお気軽にお尋ねください。
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📚 前立腺肥大症・治療に関する科学的根拠と外部リンク集
🔬 公的機関・国際機関の情報
- NIDDK(NIH):Benign Prostatic Hyperplasia(病態・症状・治療)
- MedlinePlus:BPH(解説・患者向け情報)
- NHS:Prostate enlargement(症状・診断・治療)
🏛 学会・専門団体/患者向けリソース
- EAU(欧州泌尿器科学会):BPH/Benign Prostatic Obstruction ガイドライン
- AUA(米国泌尿器科学会):BPHガイドライン
- Urology Care Foundation:BPH(患者向け解説)
📖 学術レビュー・教科書(NCBIほか)
- StatPearls(NCBI):Benign Prostatic Hyperplasia
- StatPearls:Lower Urinary Tract Symptoms(LUTS)とBPH
- MSD(Merck)Manual:BPH(診断・治療)
🇯🇵 日本の診療ガイドライン
これらのリンクは、前立腺肥大症の診断(LUTS評価・画像・PSA測定)・治療(薬物/低侵襲治療/手術)・再発予防や生活指導を把握するための 公的機関・専門学会・査読リソースです。実際の方針は症状の程度・前立腺の大きさ・併存症・合併症(尿閉・腎機能障害など)によって異なるため、 必ず医師の判断に基づいてください。
👨⚕️ 医師からのコメント・監修(前立腺肥大症)
「排尿困難・夜間頻尿・尿の勢い低下は前立腺肥大症の典型症状です。
初期評価は問診・直腸診・エコーで行い、必要に応じてPSA測定や尿流測定・残尿量評価を行います。
治療はα遮断薬で即効性を期待し、前立腺体積が大きい場合は5α還元酵素阻害薬を併用します。
ただし、残尿が多い例に抗コリン薬やβ3作動薬を使用すると尿閉リスクがあるため注意が必要です。」
当院では生活指導・薬物治療を中心に、症例に応じて低侵襲治療や手術(提携医療機関)をご紹介します。
治療開始後は効果と副作用を定期的に評価し、必要に応じて方針を調整しています。
0th CLINIC/日本泌尿器科学会認定 泌尿器科専門医/日本抗加齢医学会専門医/テストステロン治療認定医
「急性尿閉・腎機能障害・繰り返す尿路感染は前立腺肥大症の重症サインです。
こうした場合はカテーテル減圧や手術適応の判断が必要となります。
また、BPHと前立腺がんは併存することもあるため、PSAや画像診断で慎重に鑑別します。」
0th CLINICでは保存療法から専門施設への連携まで切れ目なく対応します。
特に手術(TURP・HoLEPなど)が必要な症例では、実績豊富な連携施設に紹介し、術後のフォローも行っています。
0th CLINIC 日本橋 院長/医学博士/日本病理学会認定 病理専門医/総合診療・救急科での診療歴10年以上
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