ジクトルテープ 75mg(ジクロフェナクナトリウム貼付剤)

ジクトルテープ 75mg(ジクロフェナクナトリウム貼付剤)|効能・使い方・副作用と注意点|0th CLINIC 日本橋

💊 ジクトルテープ 75mg(ジクロフェナクナトリウム貼付剤)

1日1回貼付で持続的に鎮痛・抗炎症作用を示すNSAIDs経皮吸収型テープ剤です。
内服が難しい方や多剤内服を避けたいケースで選択されます。

※本ページは院内説明用の要約です。最終判断は添付文書・保険適用・医師の指示に従ってください。

目次

  1. 基本情報(成分・効能/用法・注意点)
  2. 正しい使い方(貼り方/ローテーション)
  3. 貼付の図解
  4. 国内での位置づけ・運用の目安
  5. 主な副作用・受診の目安
  6. 薬価と自己負担額の目安
  7. 禁忌・併用注意(ホームページ向け追記)
  8. 保管・廃棄・よくあるトラブル対応
  9. よくある質問(FAQ)
  10. 監修・免責事項

💊 基本情報(ジクトルテープ 75mg)

ジクトルテープ 75mg(ジクロフェナクナトリウム貼付剤)

1枚あたり ジクロフェナクナトリウム 75mg 含有

項目 内容
一般名 ジクロフェナクナトリウム(Diclofenac sodium)
作用機序 シクロオキシゲナーゼ(COX)阻害によるプロスタグランジン産生抑制 → 鎮痛・抗炎症
適応の例 がん疼痛の鎮痛、腰痛症、肩関節周囲炎、頸肩腕症候群、腱・腱鞘炎、上腕骨外側上顆炎などの炎症性疼痛
用法・用量 通常1日1回貼付し、24時間ごとに貼り替え
症状に応じて増減可。最大3枚/日(225mg/日)を超えないこと。
貼付部位 胸部・腹部・背部・腰部・上腕・大腿など(傷や湿疹のない乾いた皮膚)
主な副作用 貼付部位の紅斑・掻痒・刺激感・接触皮膚炎。稀に全身性NSAIDs関連の消化器/腎/心血管事象
禁忌/注意 NSAIDs過敏歴/アスピリン喘息は禁忌。妊娠後期、消化性潰瘍、重篤な腎・肝機能障害は慎重投与
保険適用 適応疾患で保険適用あり(非がん疼痛の算定で月63枚上限 などの運用目安あり)

当院では貼付枚数・部位ローテーション・皮膚ケアを個別にご案内し、必要に応じて他の鎮痛治療と併用設計します。

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🩹 正しい使い方(貼り方/ローテーション)

  1. 前処置:貼付部位をやさしく洗い、完全に乾かす
  2. 貼付:シワにならないよう1日1回貼る(最大3枚/日まで医師の指示範囲で)。
  3. ローテーション:同じ場所に連日貼らず、部位を回すことで皮膚刺激を軽減。
  4. 入浴:貼付直後の入浴は避け、十分に接着してから。剥がれたら新しい1枚に交換。
  5. 剥離:24時間後にゆっくり剥がし、皮膚を洗浄。粘着残りはオイル系で優しく除去。
✅ 発赤・痒みが強い、痛みや水疱が出た場合は一時中止し受診してください。

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📖 ジクトルテープの貼り方(図解)

ジクトルテープ 75mg(ジクロフェナクナトリウム貼付剤)

▲ 平坦で動きにくい部位(胸・腹・背・腰・上腕・大腿など)に貼付

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■ 国内での位置づけ・運用の目安

  • がん疼痛に対する1日1回貼付のNSAIDs貼付剤として使用。オピオイドとの併用設計が可能。
  • 非がん疼痛(腰痛症・腱炎 等)でも貼付剤の選択肢。算定運用例:月63枚上限 など。
  • ● 内服困難例や多剤内服回避が望ましい症例でアドヒアランス向上が期待。

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■ 主な副作用・受診の目安

  • 皮膚反応:発赤・掻痒・ヒリつき・水疱・接触皮膚炎。悪化時は中止し受診
  • 光線過敏/色素沈着:貼付部の紫外線暴露を避ける
  • 全身症状(稀):黒色便、胃痛、むくみ、息切れ、乏尿、発熱など → 直ちに受診
📌 ポイント: 貼付部位のローテーション最大3枚/日の遵守皮膚観察が安全使用の鍵です。

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💰 薬価と自己負担額の目安(2025年5月時点)

製品名 容量 薬価(定価) 自己負担(3割)
ジクトルテープ 75mg(1枚) 1枚 154.5円 約46.4円
1か月(1枚/日×30日) 30枚 4,635円 約1,391円
1か月(2枚/日×30日) 60枚 9,270円 約2,781円
✅ 薬価は改定で変動します。最新の薬価と算定ルール(例:月63枚上限)は処方時にご確認ください。※診察・処方・調剤料は別途

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■ 禁忌・併用注意(ホームページ向け追記)

  • 禁忌:アスピリン喘息/NSAIDs過敏、貼付部位の重度皮膚障害、妊娠後期
  • 慎重投与:消化性潰瘍、重度の肝・腎機能障害、重篤な心不全、高齢者、脱水
  • 併用注意:他のNSAIDs重複、抗凝固/抗血小板薬(出血リスク)、ACE阻害薬/ARB+利尿薬(腎機能悪化“トリプルワミー”)、メトトレキサート/リチウム/SSRI等
  • 運動/生活:貼付部への強い摩擦・サウナ直後は避ける。紫外線は控えめに

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■ 保管・廃棄・よくあるトラブル対応

  • 保管:直射日光/高温多湿を避け、児の手の届かない所。開封後は早めに使用
  • 廃棄:使用後は粘着面どうしを折り合わせ、一般ゴミへ。再使用不可
  • 誤貼付:皮膚を洗浄して剥がす。広範囲・長時間貼付や複数枚誤使用時は受診
  • かぶれ:一時中止、保湿→改善なければ受診(必要に応じて外用ステロイド)

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❓ よくある質問(FAQ)

基本は24時間貼付し、同じ時間に1日1回貼り替えます。

最大3枚/日(225mg/日)までです。医師の指示の範囲で調整してください。

しっかり接着していれば可能ですが、貼付直後の入浴は避けると安全です。剥がれたら新しいパッチに交換してください。

一時中止し、別部位にローテーション。改善しない/強い症状は受診(必要に応じて外用治療)。

状況により併用可能です(例:オピオイド)。ただしNSAIDsの重複は出血・腎機能悪化リスクが上がるため、必ず医師にご相談ください。

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👨‍⚕️ 医師からのコメント・監修(ジクトルテープ 75mg)

ジクトルテープ 75mg(ジクロフェナクナトリウム貼付剤)
ジクトルテープ(ジクロフェナク貼付剤)は、1日1回の経皮吸収で持続的に鎮痛・抗炎症作用を示すNSAIDsです。 内服が難しい方や夜間の痛みにも使いやすい一方、NSAIDs共通のリスクは経皮でもゼロではありません消化器出血歴・腎機能低下・心不全/冠動脈疾患・アスピリン喘息の既往がある場合は、 使用可否や貼付枚数を慎重に判断します。

貼り方は1日1回・24時間ごとに貼り替え同じ部位に連日貼らない(ローテーション)ことが基本です。 最大3枚/日(225mg/日)を超えないようにし、強い発赤・痛み・水疱が出たら一時中止して受診してください。 紫外線で反応が強くなることがあるため、直射日光の当たる部位は避けると安全です。

また、他のNSAIDs(内服・外用)との重複は避け、 ACE阻害薬/ARB+利尿薬併用中は腎機能悪化(いわゆる“トリプルワミー”)に注意が必要です。 妊娠後期は使用を避け、授乳中・高齢者・脱水傾向では医師と相談のうえで慎重に使い分けましょう。」

当院では、痛みの原因・部位・生活動作を評価し、貼付部位のローテーションや枚数設計、 他の鎮痛選択肢(理学療法・ブロック・内服調整 等)を含めたオーダーメイドの疼痛管理をご提案します。 不安や副反応があれば、貼付を無理に続けずお気軽にご相談ください。

監修:黒田 揮志夫 医師(病理専門医/プライマリケア認定医)
0th CLINIC 日本橋 院長/日本病理学会認定 病理専門医/プライマリ・ケア連合学会認定 プライマリケア認定医/総合診療・救急科での診療歴10年以上

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