コラム

HbA1cの見方と“目標設定”の考え方(年齢・合併症別)

HbA1cの見方と“目標設定”の考え方(年齢・合併症別)|0th CLINIC

HbA1cの見方と“目標設定”の考え方(年齢・合併症別)

検査結果の解釈に迷ったら—「自分はいくつを目指すべき?」を医師監修でシンプルに。

まずの目安
多くの成人はA1c 7%未満を目標(個別調整あり)
厳格化
低血糖リスクが低く達成可能なら6.5%未満も検討
緩和
高齢/合併症/低血糖リスクが高い場合は7.5–8%未満など個別設定

HbA1cとは?診断との関係

HbA1cは過去2〜3か月の平均血糖の指標です。国際的には、5.7〜6.4%は「プレ糖尿病(前糖尿病)」、6.5%以上は糖尿病域の目安とされます(診断は別日に再検/他指標の併用が推奨)。日本では診断時に血糖検査と組み合わせて判定します。12

ポイント:HbA1c単独で確定診断しないケースがあります。数値が境界の場合は、医師と再検・OGTTなどで評価します。2

“自分の目標値”をどう決める?(年齢・合併症別)

※下表は代表的な目安。実際は低血糖リスク・生活状況・合併症・治療負担で調整します。
患者プロフィールHbA1c目標の目安補足
多くの成人(妊娠中を除く) 7%未満 標準的な推奨。達成可能かつ低血糖が少ないなら6.5%未満も可。1
高齢者(機能良好・併存症少) 6.5–7.5%未満 日本の高齢者指針。75歳以上は7–8%未満を目安に。3
高齢者(多病/フレイル/認知症) 7.5–8.5%未満 低血糖回避とQOL重視。目標は個別化。4
慢性腎臓病(CKD)合併 約6.5–8.0%の範囲で個別設定 低血糖リスク・貧血・合併症で調整。5
低血糖リスクが高い/重度の合併症 緩めの目標(例:7.5–8%未満) 入れ替え薬・教育介入で安全最優先。1

※妊娠糖尿病・1型糖尿病などは別基準。専門外来で個別に設定します。

eAG(推定平均血糖)に換算すると分かりやすい

日々の血糖(mg/dL)感覚に合わせたいときは、eAG = 28.7 × HbA1c − 46.7で概算します。6

HbA1c(%)eAG(mg/dL)
6.5約140
7.0約154
7.5約169
8.0約183

目標を厳しくしてよい条件

  • 糖尿病歴が短い、合併症が軽い
  • 低血糖の自覚が保たれ、頻発しない
  • 治療負担(費用・通院・副作用)が小さい

目標を緩和すべき条件

  • 高齢・フレイル・認知機能低下
  • 重い合併症や多剤併用、低血糖が起きやすい
  • CKD・貧血などでA1cの解釈が難しい

次のアクション(初診〜生活改善まで)

  1. 初診予約:LINEから最短で相談可 → 📅 予約リンク
  2. 初診時の流れ:採血・既往歴・内服確認 → 目標を共に決定 初診ガイド
  3. 管理栄養+運動:食事記録/歩数/筋トレ計画を個別に設計 栄養・運動指導
  4. 見直し:3か月ごとにA1cと生活指標を再評価(体重・活動量・低血糖の有無)

よくある質問(抜粋)

Q. A1cが7.2%でした。すぐ薬が必要?
数値だけでは判断できません。合併症・低血糖リスク・生活状況で薬物開始/生活介入の比重を決めます。まずは初診相談で個別目標を設定しましょう。
初診の流れ栄養・運動指導
Q. 高齢の親は何%を目指せば良い?
健康度に応じ6.5–8.5%未満で調整します(低血糖回避を最優先)。34
Q. 腎臓が悪いと言われました。A1cは当てになりますか?
CKDではA1cの解釈が難しい場合あり。低血糖リスクも考慮して約6.5–8.0%の範囲で個別化します。5

※FAQの全文は科の総合FAQへ → /medical/gastroenterology/faq

医師からのコメント・監修

HbA1cの見方と“目標設定”の考え方(年齢・合併症別)
「A1cは“点”ではなく“線”。年齢や合併症、低血糖リスクに合わせて安全で続く目標を一緒に決めましょう。」

監修:黒田揮志夫 医師(病理専門医/総合診療)|0th CLINIC 日本橋 院長

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検査結果の“活かし方”が大切です。初診→目標設定→栄養・運動まで、一気通貫でサポートします。

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参考・根拠

  1. American Diabetes Association. Standards of Care in Diabetes—2025. 目標A1cの個別化(成人・高齢者)。
  2. 日本糖尿病学会「糖尿病診断の指針(2024)」HbA1cと診断の考え方。
  3. 日本老年医学会/日本糖尿病学会『高齢者糖尿病診療ガイドライン2023』機能別のA1c目標。
  4. 日本糖尿病学会 ガイドライン第19章「高齢者の糖尿病」A1cカテゴリー別目標。
  5. KDIGO 2022『糖尿病合併CKDの管理』A1c目標域の個別化。
  6. ADAG研究(Diabetes Care 2008)A1c→eAG換算式:eAG=28.7×A1c−46.7。

※本文は一般向けに平易化しています。個別治療は診察で決定します。

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