コラム
多汗症の治療選択:腋窩(わき)/ 手汗 / 足汗の使い分けガイド
多汗症の治療選択:
腋窩(わき)/ 手汗 / 足汗の使い分けガイド
原発性多汗症は、部位ごとに効く治療が違うのがポイントです。本記事では、腋窩(わき)・手汗(手掌)・足汗(足底)を対象に、第一選択・通院スケジュール・痛み対策・保険/自費の目安をコンパクトにまとめました。迷ったら当院の多汗症(脇・手・足)ページをご参照ください。
まずは重症度セルフチェック(HDSS)
下記のどれに当てはまりますか?
- 1:汗は気にならない / 日常生活に支障なし
- 2:汗は我慢できる / ときどき不便
- 3:汗はほとんど我慢できない / しばしば不便
- 4:汗は耐えられない / 常に不便
HDSS 3–4は医療介入の対象になりやすく、腋窩は保険治療の対象になる場合があります(診察で判定)。
部位別の「第一選択」マップ
部位 | 第一選択の考え方 | 補足・次の一手 |
---|---|---|
腋窩(わき) |
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手汗(手掌) |
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足汗(足底) |
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※ 体質・生活スタイルにより最適解は変わります。診察で組み合わせをご提案します。
腋窩(わき):外用→注射→機器を段階的に
外用(まず試す)
- アルミニウム塩(制汗)
- グリコピロニウムワイプ(Rapifort® Wipes 2.5%)— 1日1回、自己塗布。肌刺激や口渇に注意。
ボツリヌス毒素注射(重症例の選択肢)
- 原発性腋窩多汗症(重症)に保険適用の対象となる場合があります。
- 効果は数カ月持続。イベント前の逆算投与も可能です。
機器治療(再発しやすい方に)
- ミラドライ(マイクロ波で汗腺を選択的に加熱)
- ダウンタイム・効果の強さ・コストを診察で比較します。
当院では「多汗症(脇・手・足)」ページから、ご希望・ライフスタイルに合わせた段階的プランをご案内します。
手汗(手掌):痛み対策を含めた設計
第一選択
- アポハイド®ローション20%(就寝前に塗布)
- イオントフォレーシス(通院または家庭用機器で継続)
注射を選ぶなら(有効/痛みが課題)
- ボツリヌス毒素注射は発汗抑制効果が高い一方、疼痛が強いため、神経ブロックや静脈麻酔などの痛み対策を併用します。
- 仕事・スポーツの影響(把持力など)を考慮して設計します。
足汗(足底):滑りと蒸れ対策+医療
- イオントフォレーシスと外用の併用が基本。
- 注射は有効だが痛みが強く、歩行・運動への影響を考慮します。
- 靴・インソール・吸湿靴下・抗菌ケアの生活対策も重要。
保険/自費の目安とスケジュール
保険適用の目安
- 腋窩:原発性腋窩多汗症(重症)に対するボツリヌス毒素注射が保険適用となる場合があります(医師の診断と基準に基づき判断)。
- 手汗:アポハイド®ローション20%は保険収載の外用薬です。
スケジュール例
- イベント前は2–3週間前までに初回治療を(注射は効果発現まで数日〜1週間程度)。
- 注射の再投与は数カ月後が目安(過度な頻回は避けます)。
※ 詳細は診察で個別にご案内します。まずはご相談ください。
よくある質問(Q&A)
Q. 腋窩は何から始めればいい?
A. 外用(アルミ塩/グリコピロニウム)→重症ならボツリヌス毒素注射→必要に応じて機器治療の順で検討します。
Q. 手汗の注射は痛い?
A. 有効ですが疼痛が強いため、神経ブロック等の麻酔戦略を併用し、安全に行います。
Q. 足汗は注射だけ?
A. まずはイオントフォレーシス+外用が王道。注射は痛みや負担を考え、必要時に検討します。
Q. 仕事への影響は?
A. 手作業・スポーツ・接客など、生活に合わせて治療の強さと時期を調整します。
👨⚕️ 医師からのコメント・監修

「多汗症は生活や仕事の質に直結します。部位に合わせた正しい選択と、 安全な手順での治療が大切です。
0th CLINICでは、外用・イオントフォレーシス・注射・機器治療を、 生活スタイルに合わせて段階的に設計します。」
0th CLINICでは、患者さまの重症度(HDSS)や職業・イベント日程を考慮し、 安全性と満足度のバランスが取れたプランをご提案しています。
監修:黒田 揮志夫 医師(病理専門医/消化器病理医)
0th CLINIC 日本橋 院長
医学博士/日本病理学会認定 病理専門医/プライマリ・ケア連合学会認定 プライマリ・ケア認定医
日本医師会認定 産業医/健康スポーツ医 総合診療・救急科での診療歴10年以上
0th CLINIC 日本橋 院長
医学博士/日本病理学会認定 病理専門医/プライマリ・ケア連合学会認定 プライマリ・ケア認定医
日本医師会認定 産業医/健康スポーツ医 総合診療・救急科での診療歴10年以上
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