【たるみ、医師監修】美容医療におけるPIAMOとFatXの組み合わせ治療

はじめに

近年、美容医療の分野では、外科的な処置を伴わない、より低侵襲な脂肪減少と肌の引き締めを目的とした治療への需要が高まっています。PIAMOは、高周波（RF）を利用した技術であり、セルライトの減少や肌の引き締めを目的としています ¹。一方、FatXは、デオキシコール酸とNAIS複合体を含む脂肪溶解注射であり、脂肪細胞の溶解を促します ³。本報告書では、これらの二つの治療法を組み合わせることによる潜在的な利点、リスク、および考慮事項について考察します。美容医療におけるPIAMOとFatXの組み合わせ治療が、相乗効果を発揮し、より優れた美容効果をもたらす可能性について検討することを目的とします。

PIAMOの詳細な検討

作用機序

PIAMOは、ハイブリッドインテリジェントフュージョンエンハンスドラジオ周波数（HIFER™）およびパルス振動圧（PVP™）技術を採用しています ²。この技術は、クアトロ電極を使用して、治療部位に高周波エネルギーを効率的に供給します ²。治療の際には、バキューム吸引によって皮膚を3次元的にモデル化し、RFエネルギーをより正確にターゲット層に照射することが可能です ²。また、赤外線とRFエネルギーが脂肪細胞とその周囲組織を穏やかに加熱します ¹。安全性を確保するために、内蔵された温度制御システムが設定温度を超えた場合に自動的にエネルギー供給を停止します ²。セルライトの原因となる線維性バンドを緩和するために、マッサージと吸引ローラーが用いられ、これにより皮膚がより滑らかで引き締まった外観になります ¹。さらに、RFエネルギーは治療部位の脂肪細胞を収縮させ、セルライトの外観を目立たなくします ¹。PIAMOは、コラーゲン生成を促進し、肌のリフトアップと引き締め効果をもたらし ²、エラスチン線維の引き締めにも寄与します ²。場合によっては、顔や体の輪郭を整えるためにアポトーシスを誘導する可能性も示唆されています ²。

利点

PIAMOは、肌の質感とトーンの改善 ⁶、腹部、太もも、臀部、腕などの体の輪郭形成の促進 ⁶、非侵襲的でダウンタイムがない ²、快適でほとんど痛みを伴わない治療（わずかな振動圧や温かい感覚と表現されることが多い） ¹、定期的な治療による長期的な効果と時間の経過とともに改善が見られる ⁶、顔の再形成と体の輪郭形成の両方の能力 ²、二重顎の改善 ²、肌のリフトアップ、引き締め、ハリ ²、目の周りの治療 ² など、多岐にわたる利点があります。

治療部位

PIAMOは、顔の引き締め、首の引き締め、お腹の引き締め、腕や下半身の引き締めなど、さまざまな部位に適しています ⁶。顔、目の周り、そしてボディチップとCELLO-Lを追加すれば全身にも使用可能です ⁴。体のさまざまな部位に使用できる汎用性も特徴の一つです ⁶。

副作用と注意点

PIAMO治療はダウンタイムが最小限であり、治療後すぐに通常の活動に戻ることができます ¹。段階的な加熱システムと統合された冷却システムにより、治療中の快適性が確保されています ⁶。また、高周波エネルギーが自動的に遮断される安全機能により、火傷のリスクが低減されています ²。非侵襲性、ダウンタイムの短さ、そして不快感の少なさといった特徴は、日常生活に大きな支障なく美容効果を得たいと考える人々にとって、PIAMOが魅力的な選択肢となる理由の一つです。さらに、脂肪細胞への作用と肌の引き締め効果を同時に期待できる点は、単一の治療で複数の美容上の課題に対処できる可能性を示唆しています。

FatXの詳細な検討

作用機序

FatXは、デオキシコール酸とNAIS（天然抗炎症システム）複合体を主成分としています ³。デオキシコール酸は、脂肪細胞膜を破壊し、脂肪細胞の溶解（脂肪細胞溶解）を引き起こします ³。NAIS複合体は、腫れ、紅斑、痛みを最小限に抑え、抗炎症効果を発揮します ³。FatXは、脂肪細胞内のトリグリセリドを分解する脂肪分解と、脂肪細胞自体を排除する脂肪細胞溶解の二重の効果をもたらします ³。また、リモデリング効果を通じて線維化とコラーゲン生成を誘導し、肌の弾力性を向上させます ³。

利点

FatXは、脂肪細胞を効果的に溶解し、一度排除された脂肪細胞は再生しないため、半永久的な効果が期待できます ³。健康的なライフスタイルを維持すれば、治療部位でのリバウンド（体重増加）のリスクは低いとされています ³。また、局所的な皮下脂肪の小さな蓄積部位をターゲットにすることができ ³、脂肪吸引手術に代わる非外科的な選択肢となります ³。治療は比較的迅速で、ダウンタイムも短いとされています ⁹。二重顎、ラブハンドル、二の腕、サドルバッグ、Vライン、ヒップと太もも、腹部、腕、ブラのはみ出し、そして場合によっては脂肪腫やバッファローハンプなど、さまざまな部位の治療が可能です ³。体の輪郭を整える効果により、自信と自尊心の向上にもつながる可能性があります ¹⁰。特にNAIS複合体の配合は、他のデオキシコール酸ベースの製品と比較して、腫れや痛みを軽減することを目的としており、FatXの重要な差別化要因となっています。

治療部位

FatXは、食事や運動に抵抗する局所的な脂肪沈着部位に効果的です ¹⁰。一般的には、二重顎、頬、ラブハンドル、太もも、二の腕、背中、ブラのはみ出し、太ももの内側と外側、膝などによく使用されます ³。

副作用とリスク

FatX注射には、注射部位の問題（挫傷、脱毛、潰瘍、組織損傷、壊死など） ³、注射部位の腫れ、痛み、不快感（2日から1ヶ月続く可能性あり） ⁸、治療部位の赤み、皮膚刺激、圧痛 ⁹、アレルギー反応の可能性 ⁹、まれに一時的な下唇の麻痺 ¹⁶、長期的な腫れやしこりの可能性 ¹⁷、未承認の製品や不適切な技術の使用による感染症のリスク ¹⁵ などが報告されています。脂肪細胞が排除されることによる効果は永続的であるとされていますが、健康的なライフスタイルを維持することが、治療部位や他の部位への新たな脂肪細胞の蓄積を防ぐために不可欠です ¹⁰。

PIAMOとFatXの組み合わせによる理論的根拠と潜在的な相乗効果

FatXは局所的な脂肪沈着を効果的に減少させる一方、PIAMOは脂肪減少後に起こりうる皮膚のたるみを、肌を引き締め、コラーゲン生成を促進することによって改善する可能性があります ²¹。PIAMOは、FatXによって脂肪量が減少した部位の体の輪郭をさらに整え、肌の質感を向上させることができます ⁶。この組み合わせにより、脂肪量と肌のハリの両方に対処することで、より包括的で満足のいく結果が得られる可能性があります ²¹。PIAMOのバキューム吸引マッサージによるリンパドレナージの促進効果 ⁶ は、FatX治療後に体内の脂肪細胞の破片や毒素をより効率的に排出するのに役立つかもしれません。脂肪溶解注射（FatX）と肌の引き締め効果のある高周波デバイス（PIAMO）の組み合わせは、脂肪吸引と肌の引き締め治療の組み合わせに見られるように、美容医療において最適な結果を得るために脂肪減少と皮膚のたるみの両方に対処するという確立された原則に合致しています ²¹。さらに、PIAMOがコラーゲンとエラスチンの生成を刺激する能力は、FatXによる脂肪減少によって一時的に生じる可能性のある皮膚の緩みを打ち消し、より滑らかで引き締まった外観をもたらす可能性があります。

特徴	PIAMO	FatX
作用機序	HIFER™およびPVP™技術を用いた高周波エネルギー、バキューム吸引、赤外線	デオキシコール酸による脂肪細胞膜の破壊、NAIS複合体による抗炎症作用
主な利点	セルライト減少、肌の引き締め、体の輪郭形成、非侵襲的、ダウンタイムなし	脂肪細胞の溶解（半永久的効果）、リバウンドしにくい、局所的な脂肪に有効、非外科的
一般的な治療部位	顔、首、腹部、腕、下半身、目の周り	二重顎、頬、ラブハンドル、太もも、二の腕、背中、膝
一般的なセッション数	3〜6回	3〜6回
予想されるダウンタイム	なし	2日〜2週間程度の腫れや圧痛
一般的な副作用	わずかな振動圧、温かい感覚	腫れ、圧痛、挫傷、まれに神経損傷

組み合わせ治療の考慮事項と潜在的なリスク

二つの治療法を組み合わせることで、特に治療部位において、腫れ、挫傷、圧痛などの一般的な副作用の程度や持続期間が増加する可能性があります。FatXとPIAMOの治療間隔は、FatXによる初期の炎症が落ち着くのを待ってからPIAMOの高周波エネルギーを適用するために、慎重に検討する必要があります。施術者は、両方の治療法の禁忌事項を認識し、組み合わせ治療に対する患者の適性を評価する必要があります。例えば、出血性疾患のある患者にはFatX注射は特に注意が必要であり、特定の皮膚状態はPIAMO治療に影響を与える可能性があります。両方の治療法をあまりにも近い間隔で適用すると、過剰な治療となり、皮膚に悪影響が生じるリスクがあります。PIAMOは一般的に快適な治療ですが、FatX注射（圧痛や腫れを引き起こす可能性があります）からの回復期にある部位に適用すると、患者の不快感が増す可能性があります。現在のところ、二つの治療法の最適な順序と間隔は不明であり、最も効果的で安全なプロトコルを決定するためには、経験的な観察と潜在的な専用の研究が必要となるでしょう。

組み合わせ治療に関する専門家の意見と利用可能なエビデンス

過去の報告では、別のデオキシコール酸ベースの注射であるカベリンとRF治療器の組み合わせについて説明されており、脂肪減少と肌の引き締めにさらに改善が見られたと報告されています。複数の報告では、脂肪溶解注射（AqualyxやLemon Bottleを含む）とラジオ波、超音波キャビテーション、またはその他の肌の引き締め方法との組み合わせについて議論されています。これらの組み合わせは、脂肪減少の促進、リンパドレナージの改善、および皮膚のたるみの改善によく用いられます。これらの情報から、脂肪溶解注射とラジオ波や超音波ベースの肌の引き締め治療を組み合わせるという考え方が広く支持されており、包括的なアプローチで脂肪減少と肌の引き締めの両方に対処することに価値が見出されていることが強く示唆されます。ただし、PIAMOとFatXの具体的な組み合わせに関する直接的な臨床試験や専門家の意見は、提供された情報の中には見当たりませんでした。脂肪溶解注射とRF治療の間隔に関するスニペットで示唆されているさまざまな時間軸（数日から2週間）は、標準化されたプロトコルが存在しないこと、そしてPIAMOとFatXの最適なタイミングを決定するためにはさらなる研究または臨床経験が必要です。

結論

PIAMOとFatXの組み合わせは、包括的な脂肪減少と肌の引き締めに対する有望なアプローチとなる可能性があります。FatXは、局所的な脂肪沈着を効果的にターゲットにして減少させる一方、PIAMOは、高周波技術を通じて非侵襲的な肌の引き締め、セルライト減少、および体の輪郭形成の利点を提供します。潜在的な相乗効果には、脂肪減少の促進、肌のハリの改善、およびいずれかの治療法単独の場合と比較して全体的により良い美容効果が含まれます。ただし、この特定の組み合わせに関する直接的な臨床的エビデンスは現在のところ不足しています。治療の順序、潜在的なリスク、および個々の患者要因を慎重に考慮することが不可欠です。最適なプロトコルを確立し、PIAMOとFatX治療の組み合わせの有効性と安全性を完全に評価するためには、さらなる研究が必要です。