コラム
粉瘤と脂肪腫の違いは?受診の目安
要点まとめ
- 粉瘤:皮膚の下の袋に角質・皮脂がたまる。中央の黒い点(開口部)が目印になることあり。炎症・感染で赤く腫れて痛むことがある。
- 脂肪腫:皮下脂肪の増殖によるしこり。痛みは少なく、ゆっくり増大しやすい。黒い点は通常なし。
- 自己判断が難しいケースは早めの受診を検討。とくに赤み・痛み・分泌物・急速な増大がある場合は相談を。
本記事は一般的情報です。診断・治療は診察のうえ医師が個別に判断します。
粉瘤と脂肪腫の比較表(目安)
| 項目 | 粉瘤(アテローム) | 脂肪腫 |
|---|---|---|
| 発生部位 | 顔・耳の後ろ・体幹・四肢など広範 | 体幹・肩・背中・上腕などに多い |
| 見た目の特徴 | 中央に黒い点(開口部)がみえることあり | 黒い点は通常なし |
| 触感・可動性 | 皮膚に固定感、コリっとしたしこり | やわらかめで皮下で動くことが多い |
| 痛み | 炎症・感染で赤く腫れて痛むことあり | 無痛が多い |
| 成長の仕方 | 大きさは様々。炎症で一時的に腫大 | ゆっくり増大しやすい |
| 治療の基本 | 嚢腫壁ごと切除(外来・保険診療) | 摘出術(外来・保険診療) |
| 病理検査 | 鑑別・良悪性確認のため提出することが多い | 提出して確認することが多い |
※上記は一般的傾向です。実際の診断は視触診や超音波などで総合的に行います。
受診の目安
早めに相談したいサイン
- 赤く腫れて痛みが出てきた
- においのある分泌物や膿が出る
- サイズが大きくなってきた/服やバッグに擦れてつらい
- 顔・指・関節近くなど、機能や見た目に影響しやすい部位
炎症が落ち着いてから計画切除となる場合があります。
当院での対応(保険診療)
- 問診・視診+必要に応じてエコーで深さ・範囲を評価
- 局所麻酔下に外来で切除・摘出
- 標本は適切に病理検査へ提出し、良悪性や他疾患を確認
- 術後ケア・抜糸フォローまで一貫してご案内
当日の処置可否は状態・混雑状況などを踏まえ個別判断します。
治療の流れ(概要)
- 診察:視触診/必要に応じエコー。
- 局所麻酔:細い針で注入。数十秒で感覚が鈍くなります。
- 切除・摘出:粉瘤は嚢腫壁ごと、脂肪腫は被膜を意識して摘出。
- 病理検査:良悪性の確認・鑑別。
- 術後ケア:創部管理、必要に応じ内服・外用の指導。目安として抜糸は5–10日前後(部位による)。
費用や通院回数は保険種別や処置内容により異なります。詳細は下記リンクをご参照ください。
よくある質問(抜粋)
当日そのまま手術できますか?
状態・混雑状況などにより、当日の処置が可能な場合もあります。安全面を最優先し、必要に応じて計画的に日程を調整します。
抗生剤は必要ですか?
炎症や感染がない清潔創の標準的切除では、原則として抗生剤は不要です。炎症が強い場合は適宜対応します。
跡は残りますか?
部位・大きさ・体質・縫合法などで個人差があります。皮膚のシワ方向を考慮し、術後はテープ固定やUV対策を案内します。
さらに知りたい方は 粉瘤FAQ もご覧ください。
ご予約・ご相談(24時間)
当院は完全予約制です。LINEからいつでもご予約いただけます。
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※本記事は一般的な情報提供です。診断・治療の可否や方法は診察のうえ医師が個別に判断します。緊急性が高い症状がある場合は速やかに医療機関へご相談ください。
