結論:自然消失は少なく、早めの評価がおすすめ
粉瘤は袋(嚢腫壁)の中に角質や皮脂がたまることで大きくなる性質があり、袋が残る限り再拡大や炎症の可能性が続きます。 小さいうちに医療機関で評価し、状況により被膜ごと切除を検討することが多いです(個別判断)。
放置した場合に起こりやすいこと
起こり得る変化 | 概要 |
---|---|
炎症・感染 | 赤く腫れる、痛む、熱感が出る。化膿し膿や悪臭を伴うことがある。 |
破裂・内容物の排出 | 皮膚が破れて内容物が出る。いったん小さく見えても袋が残れば再燃しやすい。 |
瘢痕・色素沈着 | 炎症後に跡が残ることがある。顔面などは特に注意。 |
再発の反復 | 袋が破綻・残存し、繰り返し腫れる/化膿するケースがある。 |
受診の目安(こんな時は相談を)
- しこりが徐々に大きくなっている/痛みや赤みがある
- 膿やにおいのある内容物が出る、周囲が熱っぽい
- 短期間に繰り返し腫れる・化膿する
- 顔・耳後部・関節近くなど、跡を残したくない・日常生活に支障が出る部位
- 大切なイベント(就職活動・挙式・スポーツ)までに整えたい
※発熱や強い痛み、急な腫脹がある場合は早めに受診をご検討ください。
応急処置の考え方
やって良いこと
- 清潔を保つ・擦らない
- 必要に応じて軽く冷やす(強い冷却は避ける)
- 市販鎮痛薬の一般的な使用(持病・内服状況は要確認)
避けたいこと
- 自分で押し出す・潰す・針で刺す
- 自己判断で抗生剤を残薬使用する
- 不衛生な処置・過度なマッサージ
当院の方針(保険診療)と基本の流れ
- 初診:問診・視診。必要に応じてエコーで深さや範囲を確認。
- 局所麻酔:細い針で注入。注射時に一瞬の痛みと圧感。
- 外来切除:被膜を可能な範囲で丸ごと摘出。部位により縫合方法を選択。
- 病理検査:良悪性の確認や他疾患の鑑別を実施、結果は後日説明。
- 術後:創管理・必要に応じた内服/外用指導。抜糸目安は顔面5–7日、体幹・四肢7–10日(部位で変動)。
※炎症・感染がなければ当日切除が可能なこともありますが、病変の大きさ・部位・出血リスク・混雑状況により計画切除とする場合があります。
※清潔創では原則として抗生剤不要。反復感染例では切除範囲を広く取ることがあり、即日対応できない場合や提携病院をご案内することがあります。
費用・関連ページ
自己負担額は保険種別や施術内容により異なります。詳細は診察時にご案内します。