血液検査でわかること・検査前後の注意・結果の見方
血液検査
血液検査は、体の状態を数値で確認できる基本検査です。貧血、炎症、肝臓・腎臓、脂質、血糖などを幅広く評価し、体調管理や経過観察に役立ちます。
血液検査でわかること
目的は「いまの状態の把握」と「変化の早期発見」です。症状がなくても、血液からヒントが見つかることがあります。
- 貧血や血液のバランス(赤血球・白血球・血小板など)
- 肝臓・胆道系、腎臓、膵臓など臓器機能の目安
- 脂質(コレステロール・中性脂肪)
- 血糖・HbA1c(糖代謝の評価)
- 炎症や感染のサイン(CRPなど)
- 尿酸(高尿酸血症・痛風の目安)
受ける目安
次に当てはまる場合は、血液検査が状況整理に役立つことがあります。
- 健康診断で再検査・経過観察と言われた
- だるさ、疲れやすさ、体重変化などが続く
- 生活習慣(食事・運動・飲酒・喫煙)が気になる
- 家族に糖尿病、脂質異常症、高血圧などがある
- 治療中の病気があり、数値の推移を確認したい
検査前後のポイント
検査の精度を保つため、当日は飲食、運動、薬の扱いが重要です。
| 区分 | ポイント | 理由(例) |
|---|---|---|
| 食事 | 脂質や血糖を含む場合は、一般に10時間以上の絶食が推奨されます。 | 中性脂肪や血糖は食事の影響を受けやすいため。 |
| 水分 | 水は基本的に問題ありません。甘い飲料、アルコール、カフェイン飲料は避けてください。 | 血糖・脂質などの値に影響することがあります。 |
| 薬 | 自己判断で中止せず、医師の指示に従ってください。 | 一部の薬は検査値に影響します。 |
| 運動 | 前日は激しい運動を控えてください。 | 筋肉系(CKなど)や白血球が変動することがあります。 |
| 喫煙・飲酒 | 可能なら前日は控えると安心です。 | 肝機能、脂質、血糖などに影響することがあります。 |
| 採血後 | 採血部位を数分圧迫し、当日は激しい運動、長時間の入浴、飲酒を控えてください。 | 皮下出血や腫れを減らすため。 |
静脈採血の流れ
多くの血液検査は腕の静脈から採血します。所要時間は数分程度が一般的です。
1. 受付・確認
検査目的と項目を確認し、必要に応じて簡単に問診します。
2. 採血準備
腕を出していただき、駆血帯で血管を確認します。
3. 採血
清潔操作で採血します。痛みは短時間で終わることが多いです。
4. 止血・終了
数分しっかり圧迫して止血し、テープで保護します。
検体から結果まで
採取した血液は、項目に応じて院内で測定するものと、外部検査機関に搬送するものがあります。
- 採血後、検体を識別して仕分けします。
- 一部は院内で測定し、必要に応じて追加検査を組み合わせます。
- 外部検査が必要な項目は適切に搬送され、分析後に結果が返送されます。
- 結果は医師が確認し、症状や他項目と合わせて説明します。
結果の読み方(基準範囲の考え方)
基準範囲は「健常者の多くが入る範囲」を示す目安です。範囲外だから即疾患、範囲内だから安心、とは限りません。 複数の項目の組み合わせ、症状、診察所見、経時変化を合わせて評価します。
見落としやすいポイント
- 前回との差(上がった・下がった)が重要なことがあります。
- 食事、運動、睡眠、ストレス、月経、薬の影響を受ける項目があります。
- 軽度の異常が続く場合は、原因の切り分けが必要です。
早めに相談したいサイン(例)
- 強い倦怠感、息切れ、動悸、胸痛、発熱が続く
- 黄疸、濃い尿、むくみ、尿量低下などがある
- 数値の急な変化を指摘された
代表的な検査項目
ここでは、よく使われる項目を「何を見るか」と「解釈の方向性」で整理します。
血球系(貧血・感染・出血傾向など)
| 項目 | 何を見る | 目安 | 高い方向 | 低い方向 |
|---|---|---|---|---|
| WBC(白血球) | 感染や炎症の反応 | 30~90×10²/μL | 感染、炎症、ストレスなど | 薬剤、骨髄の低下など |
| RBC(赤血球) | 酸素運搬の細胞数 | 400~540×10⁴/μL | 脱水、多血など | 貧血など |
| Hb(ヘモグロビン) | 酸素運搬の中心 | 13~17 g/dL | 脱水など | 鉄・B12・葉酸欠乏、腎障害など |
| PLT(血小板) | 止血の働き | 11~34×10⁴/μL | 炎症など | 紫斑、肝疾患、骨髄の低下など |
| PT / APTT | 凝固(血の固まりやすさ) | PT 10.2~13.1秒 / APTT 23.3~35.6秒 | 抗凝固薬、肝機能、凝固異常など | (短縮は臨床状況で解釈) |
| D-ダイマー | 血栓の分解産物 | 0.0~1.0 μg/mL | 血栓症、炎症など(状況で評価) | (低値は通常問題になりにくい) |
生化学(肝臓・腎臓・糖・脂質・電解質など)
生化学検査は、酵素、糖、脂質、電解質などを測定し、臓器機能や代謝のバランスを把握します。
| 項目 | 何を見る | 目安 | 高い方向 | 低い方向 |
|---|---|---|---|---|
| TP / Alb / A/G | 栄養状態、肝・腎、免疫の参考 | TP 6.5~8.3 g/dL / Alb 3.8~5.3 g/dL / A/G 1.0~2.0 | 脱水、慢性炎症など | 肝障害、栄養不良、腎疾患など |
| AST / ALT | 肝細胞障害の目安 | AST 8~40 / ALT 5~40 IU/L | 肝疾患など | (低値は通常問題になりにくい) |
| ALP / γ-GTP | 胆道系、飲酒影響の参考 | ALP 38~113 U/L / γ-GTP 男性10~68・女性6~48 IU/L | 胆道閉塞、飲酒など | (低値は状況で評価) |
| GLU / HbA1c | 血糖・中長期の血糖推移 | GLU 69~110 mg/dL / HbA1c 4.7~6.2% | 糖代謝異常など | (低血糖は症状とセットで評価) |
| TG / T-CHO / HDL-C / LDL-C | 脂質代謝・動脈硬化リスクの参考 | TG 30~150 / T-CHO 125~225 / LDL-C 70~139 mg/dL(HDL-Cは男女差あり) | 脂質異常症、生活習慣など | 栄養不良、肝疾患など |
| BUN / CRE | 腎機能の参考 | BUN 7.5~20 mg/dL / CRE 男性0.6~1.1・女性0.4~0.9 mg/dL | 腎機能低下、脱水など | 低たんぱく摂取など |
| Na / K / Cl | 体液バランス | Na 136~145 / K 3.5~4.8 / Cl 100~110 mEq/L | 脱水、内分泌、腎など | 嘔吐、薬剤、腎など |
| CRP | 炎症の目安 | 0~0.3 mg/dL | 炎症・感染など | (低値は通常問題になりにくい) |
| UA(尿酸) | 高尿酸血症・痛風の参考 | 男性3.5~7.5 / 女性2.5~6.5 mg/dL | 高尿酸血症など | (低値は状況で評価) |
| CK / LDH | 筋肉・組織の影響の参考 | CK(男女差あり)/ LDH 115~229 IU | 運動後、筋障害など | (低値は通常問題になりにくい) |
数値の意味は「単独」では決まりません。症状、既往、薬、直近の体調(運動や飲酒など)も踏まえて解釈します。
感染症・ホルモン・腫瘍マーカーについて
目的に応じて追加できる検査です。検査の性質上、結果の解釈や次の一手(再検、確認検査)が重要になります。
- 感染症:手術前・妊娠前・性感染症の確認などで実施します。
- ホルモン:甲状腺、更年期、月経不順、男性更年期などの評価に用います。
- 腫瘍マーカー:がんの可能性を示唆する指標になり得ますが、単独で診断はできません。
よくある質問
食事はどれくらい控える必要がありますか?
水は飲んでもいいですか?
薬は飲んでいいですか?
採血後に内出血が出ました。大丈夫ですか?
基準範囲から外れたら病気ですか?
アクセス
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監修
検査結果は「単独の数値」ではなく、症状や背景、経時変化と合わせて評価することが大切です。必要な項目を整理し、理解しやすい説明を心がけています。
監修: 黒田 揮志夫 医師 (0th CLINIC 日本橋)
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