大腸がん検診・サーベイランス|“見逃さない・取り過ぎない”連携型アプローチ
大腸がん検診・サーベイランス|“見落とさない・取り過ぎない”連携型アプローチ
当院には内視鏡設備はありません。便潜血(FIT)・血液検査は当院で、大腸内視鏡/切除は連携医療機関で実施。
当院は適応判断・紹介手配・病理結果の丁寧なご説明、再発予防/抗血栓薬調整、サーベイランス間隔の設計まで一貫管理します。
持続する血便・貧血/めまい・腸閉塞症状は救急連携を優先します(緊急内視鏡/入院は連携先で実施)。
検査は連携先で実施/当院が紹介状作成・手配・結果説明・サーベイランス設計まで伴走
LINEで24時間受付 ※大腸内視鏡は連携先で実施します
概要(大腸がん検診の要点)
- 目的:がん・進行前の腺腫/鋸歯状病変(SSL)の早期発見と死亡率低下。
- 基本戦略:年1回の便潜血(FIT)を継続。陽性なら速やかに大腸内視鏡へ。
- 当院の役割:リスク評価、FIT手配と結果説明、内視鏡の紹介手配、病理結果の解説、サーベイランス間隔の設計、抗血栓薬調整、再発予防指導。
受診/救急の目安(Red Flags)
- 持続する血便・黒色便、進行性の貧血・めまい/失神
- 原因不明の体重減少・便が細い・腹部膨満/嘔吐(閉塞/狭窄の疑い)
- 家族に若年発症の大腸がん/ポリポーシスがある
赤旗症状では救急連携→連携先で緊急内視鏡/入院を優先します。
誰が・いつ受ける?(平均/家族歴/高リスク)
- 平均リスク:40歳以上は年1回の便潜血(FIT)を推奨(陽性→内視鏡)。
- 家族歴あり:第一度近親者に大腸がん/進行腺腫がある場合は、40歳または発症年齢−10年の早い方から大腸内視鏡を検討、5年ごとを目安。
- ハイリスク(炎症性腸疾患・遺伝性腫瘍症候群 など):専門指針に沿いより短い間隔での内視鏡サーベイランスを連携先と計画。
検査方法(FIT/内視鏡/画像)
- FIT(便潜血・免疫法):採便のみ。年1回。陽性は大腸内視鏡が必須。
- 大腸内視鏡(連携先):全大腸を観察し、その場でポリープ切除や生検が可能。
- CTコロノグラフィ:内視鏡が困難な場合の代替。陽性時は結局内視鏡で切除が必要。
- 準備:下剤による前処置・一部薬剤(抗血栓/糖尿病薬 等)の調整は当院で計画。
FIT陽性後の流れ(当院/連携先の役割)
- 当院:症状・既往薬の確認、抗血栓薬の調整、連携先への内視鏡予約と紹介状作成、結果の丁寧な説明。
- 連携先:大腸内視鏡(必要に応じポリープ切除/止血)、病理診断。
- フォロー:病理に基づきサーベイランス間隔を当院で設計(下表)。生活・薬剤の見直しもサポート。
サーベイランス(ポリープ切除後の間隔の目安)
所見(病理/個数/サイズ) | 目安の内視鏡間隔 | ポイント |
---|---|---|
腺腫 1–2個、<10mm、低異型度 | 7–10年 | 平均リスクへ近い。生活改善とFIT継続も可。 |
腺腫 3–4個、すべて<10mm | 3–5年 | 腺腫負荷中等度。前処置/観察品質も考慮。 |
腺腫 5–10個、または≥10mm・絨毛成分・高異型度 | 3年 | 高リスク。確実な全切除と短期フォロー。 |
鋸歯状病変(SSL)<10mm・無異型・1–2個 | 5–10年 | 右側結腸に多い。見落とし防止の前処置が重要。 |
SSL ≥10mm または 異型あり/伝統的鋸歯状腺腫 | 3年 | 進展リスク↑。病変境界の見極めと確実な切除。 |
大きな病変の分割切除(piecemeal EMR/ESD) | 3–6か月で瘢痕確認 | 遺残の確認後、以降は所見に応じ延長。 |
直腸S状の小型過形成(<10mm)のみ | 10年 | スクリーニング間隔へ。過剰切除は避ける。 |
ハイリスク家族歴/炎症性腸疾患 など | 個別化 | 専門指針に従い短い間隔で計画。 |
※ 実際の間隔は、腸管前処置・観察の質・病変形態・病理・合併症・服薬状況で個別最適化します。
連携フロー(当院が窓口となり伴走します)
- ① 初診評価:リスク/家族歴・症状確認、FIT/血液(貧血など)実施
- ② 紹介手配:FIT陽性/症状ありは連携先へ大腸内視鏡を予約・紹介状作成
- ③ 検査/切除(連携先):内視鏡・ポリープ切除/生検・病理診断
- ④ 結果説明(当院):画像/病理の解説、妥当性チェック、サーベイランス設計・抗血栓薬調整
- ⑤ フォロー:間隔に合わせ再検査案内、生活/薬剤の最適化、必要時再紹介
よくある質問
FIT陰性なら内視鏡は不要ですか?
平均リスクで症状がなければ年1回のFIT継続が基本です。血便・貧血・体重減少などがあれば陰性でも内視鏡を検討します。
抗血栓薬は止める必要がありますか?
ポリープ切除の有無・サイズで対応が異なります。循環器/脳神経内科等と連携しリスク評価の上、最適な調整を当院でご提案します。
ポリープは全部取りますか?
不要な切除は避け、腺腫/SSL・サイズ・形態で判断します。直腸S状の小型過形成は多くが経過観察です。
家族に若くして大腸がんがいます。いつから?
40歳または発症年齢の10年前から大腸内視鏡を検討し、5年ごとを目安にフォローします(状況で個別化)。
関連ページ(院内リソース)
大腸がん検診・サーベイランス:外部エビデンスまとめ
FITの有効性、陽性時の大腸内視鏡、ポリープ病理に基づくサーベイランス(USMSTF/ESGE/国内指針)。
📘 総論・枠組み
- 集団検診:免疫学的便潜血(年1回)と陽性後コロノスコピーの意義
- 一次予防・二次予防の統合(生活介入+検診/サーベイランス)
🧪 サーベイランス
- USMSTF/ESGE:腺腫個数・サイズ・異型度、SSLのサイズ/異型に基づく間隔設定
- piecemeal 切除後の短期瘢痕内視鏡(3–6か月)
👨⚕️ 医師からのコメント・監修(大腸がん検診・サーベイランス)

「大腸がんは便潜血→内視鏡の流れを徹底することで、進行前に見つけて治療できる疾患です。
当院はリスク評価・紹介手配・結果説明に加え、病理に基づく“取り過ぎない”サーベイランス間隔を設計し、 抗血栓薬や生活面の調整までトータルに伴走します。」
0th CLINICは“見落とさない・取り過ぎない”連携型で、最適なタイミングの検査と過不足ないフォローを実現します。
監修:黒田 揮志夫 医師(プライマリケア認定医/病理専門医/皮膚病理医)
0th CLINIC 日本橋 院長/医学博士/日本病理学会認定 病理専門医/総合診療・救急科での診療歴10年以上
0th CLINIC 日本橋 院長/医学博士/日本病理学会認定 病理専門医/総合診療・救急科での診療歴10年以上
関連コラム
ただいま準備中です。少々お待ちください。