出血・不明消化管出血(小腸)|“見落とさない・無駄を省く”連携型アプローチ
出血・不明消化管出血(小腸)|“見落とさない・無駄を省く”連携型アプローチ
当院には内視鏡設備はありません。カプセル内視鏡・バルーン内視鏡・造影CT/CTAは連携医療機関で実施し、
当院は適応判断・紹介手配・結果の丁寧なご説明、貧血/鉄補充、再出血予防と抗血栓薬の調整まで一貫管理します。
大量出血・ショック・持続する黒色便/血便は救急連携を優先します(緊急内視鏡/血管塞栓術/入院は連携先で実施)。
検査は連携先で実施/当院が紹介状作成・手配・結果説明・再出血予防まで伴走
LINEで24時間受付 ※内視鏡・画像は連携先で実施します
概要(不明消化管出血=OGIB/小腸出血の要点)
- 定義:上部・下部内視鏡で原因が同定できない出血。現在は原因の多くが小腸にあり、小腸出血として扱います。
- 表現型:顕性出血(黒色便/血便)と潜在出血(鉄欠乏性貧血・便潜血陽性)。反復することが多い。
- 基本姿勢:循環動態の安定化→適切なタイミングでのカプセル内視鏡→必要に応じバルーン内視鏡で止血・生検。当院は適応判断とフォロー、連携の起点を担います。
受診/救急の目安(Red Flags)
- めまい・立ちくらみ・失神を伴う出血、尿量低下
- 持続する黒色便/血便、心拍数↑・血圧低下
- Hb急低下・高度貧血症状(動悸・息切れ・胸痛)
- 抗血栓薬内服中の出血、腹痛を伴う出血(虚血/穿孔などの鑑別)
赤旗症状では救急連携→連携先で緊急内視鏡/CTA/血管塞栓術を優先します。
主な原因(小腸)
- 血管性病変:Angioectasia(血管拡張)、ディエラフォイ病変、動静脈奇形。
- 潰瘍/炎症:NSAIDs関連潰瘍、クローン病、放射線腸炎。
- 腫瘍:小腸腫瘍(GIST/腺癌/リンパ腫/カルチノイド)。
- 先天/その他:メッケル憩室、小腸憩室、アミロイドーシス、稀に大動脈腸管瘻など。
評価・検査(当院/連携先の役割)
- 当院で実施:バイタル確認・循環評価、血液(血算・凝固・腎肝機能・鉄/Ferritin)、薬剤評価(抗血栓/NSAIDs)、輸血/鉄補充の要否判断、再出血リスクの説明、紹介状作成と検査の優先度決定。
- 連携先で実施:カプセル内視鏡(できれば早期:24–48h以内)、バルーン内視鏡(止血/生検/クリップ/APC)、造影CT/CTA、必要時血管造影(TAE)、メッケルシンチなど。
- 補足:顕性持続出血はまずCTA→血管内治療の順を検討。潜在出血・貧血主体はカプセル→所見に応じてバルーンへ。
治療(止血・再発予防・薬剤調整の“合わせ技”)
- 内視鏡止血:APC(血管拡張)、クリップ/注入/焼灼など(連携先で施行)。
- 血管内治療:動脈塞栓術(TAE)をCTA所見に応じて検討。
- 薬剤見直し:NSAIDs中止/減量、抗血栓薬の一時調整と早期再開計画(循環器/脳外等とも連携)。
- 再発予防:反復する血管拡張には鉄補充の継続、必要時ソマトスタチンアナログ/サリドマイド等を専門科と協議。
- 貧血治療:経口/静注鉄、重度では輸血。原因治療と併行しHb・フェリチンをフォロー。
連携フロー(当院が窓口となり伴走します)
- ① 初診評価:出血の型(顕性/潜在)・重症度・薬剤確認・基本検査・補液/鉄の要否判断
- ② 紹介手配:小腸精査の優先度決定(カプセル/CTA/バルーン)と予約・紹介状作成
- ③ 検査/止血(連携先):カプセル所見に基づくターゲット内視鏡、必要時TAE/手術
- ④ 結果説明(当院):画像/内視鏡・病理の解説、妥当性チェック、再出血予防計画(薬剤・生活)
- ⑤ フォロー:Hb/鉄貯蔵の再評価、再発時の再紹介、抗血栓薬の再開時期調整
よくある質問
カプセル内視鏡はいつ受けるのがよいですか?
顕性出血後は早期(24–48時間以内)が検出率向上に有利です。時期は症状と全身状態で個別に最適化します。
抗血栓薬は止めるべき?いつ再開しますか?
血栓リスクと出血リスクのバランスで決定します。止血・全身安定後に早期再開+再出血予防策を各専門科と協議します。
貧血だけでも受診した方がよい?
はい。鉄欠乏性貧血が持続する場合、小腸からの慢性出血が潜むことがあります。検査の優先順位を当院で整理し、連携先に手配します。
再出血を防ぐには?
原因治療に加え、NSAIDsの見直し、鉄補充の継続、血管性病変では必要に応じ薬物療法(ソマトスタチンアナログ等)を検討します。
関連ページ(院内リソース)
出血・不明消化管出血(小腸):外部エビデンスまとめ
小腸出血の診断アルゴリズム(カプセル→バルーン)、顕性出血でのCTA・TAE、血管性病変の再発予防など。
📘 総論・診断フロー
- 小腸出血/OGIBの総説・診療指針(ACG/ESGE/JGES など)
- 顕性出血:循環安定化→CTA/緊急治療→カプセル/バルーンで原因同定
🧪 検査
- カプセル内視鏡の早期施行で検出率向上・再出血抑制
- メッケル疑いでのシンチ、腫瘍疑いでの造影CT/小腸造影
💊 治療
- 血管性病変:APC/クリップ、反復例で薬物療法の選択肢
- 腫瘍・憩室:外科/IVRと多職種連携
👨⚕️ 医師からのコメント・監修(出血・不明消化管出血/小腸・連携型)

「不明消化管出血は小腸由来が少なくありません。循環を安定させたうえで、タイミングを逃さないカプセル内視鏡と、所見に応じたバルーン内視鏡での止血が鍵です。
当院は適応判断・紹介手配・結果説明に加え、鉄補充や薬剤調整、再発予防まで一貫して伴走します。」
0th CLINICは“見落とさない・無駄を省く”連携型で、必要な検査/治療に最短でつなぎます。
監修:黒田 揮志夫 医師(プライマリケア認定医/病理専門医/皮膚病理医)
0th CLINIC 日本橋 院長/医学博士/日本病理学会認定 病理専門医/総合診療・救急科での診療歴10年以上
0th CLINIC 日本橋 院長/医学博士/日本病理学会認定 病理専門医/総合診療・救急科での診療歴10年以上
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