逆流性食道炎(GERD)|“胸やけ・呑酸”を根本から改善|日本橋の消化器内科 0th CLINIC

逆流性食道炎(GERD)|“胸やけ・呑酸”を根本から改善|日本橋の消化器内科 0th CLINIC

逆流性食道炎(GERD)|胸やけ・呑酸を根本から改善

GERDは胃酸/胆汁の逆流食道防御機能の低下が関わる疾患です。
当院では症状とリスクの仕分け → 検査(必要に応じ) → 生活・薬物治療 → 難治例の精査まで、一貫して管理します。

当院で診察・治療を行っています。内視鏡検査・手術適応がある場合は連携病院(消化器内視鏡/外科)へ迅速にご紹介します。

概要(GERDの要点)

  • 典型症状:胸やけ、呑酸、のどの違和感、慢性咳/嗄声、胸痛。
  • 増悪因子:肥満、食後すぐの臥位、深夜の食事、脂肪/チョコ/ミント/炭酸/アルコール、喫煙、タイトな衣類、妊娠。
  • 治療の柱生活改善酸分泌抑制薬(PPI/PCAB/H2RA)。必要に応じアルギン酸・制酸薬、運動機能改善薬、外科/内視鏡治療。

受診/救急の目安(Red Flags)

  • 嚥下障害・食物がつかえる、体重減少、貧血/黒色便
  • 持続する胸痛(心血管疾患との鑑別が必要)
  • 繰り返す嘔吐、吐血/下血、発熱を伴う強い胸痛
  • 長期症状+リスク(男性・50歳以上・肥満/喫煙・白人・家族歴)=バレット食道精査を検討

赤旗があれば早期に内視鏡を検討します。症状が急激/重篤な場合は救急受診を。

主な症状と鑑別

症状補足鑑別
胸やけ/呑酸食後・臥位・前屈で増悪機能性胸やけ、食道運動障害、EoE、薬剤性
胸痛酸関連でも起こる虚血性心疾患、食道痙攣、筋骨格
咳/嗄声/のど違和感逆流関連が一部に上気道炎、後鼻漏、喘息、LPR(咽喉頭逆流)
嚥下障害進行・固形物から液体へ狭窄、腫瘍、好酸球性食道炎

評価・検査(段階的アプローチ)

  • 問診/スコア:FSSG・GERD-Qで症状定量化、薬歴/生活習慣/危険因子を整理。
  • 内視鏡(上部消化管):赤旗症状あり、長期症状、治療抵抗例、合併症疑いで実施。
  • 24時間pH-インピーダンス:非びらん例/治療抵抗例で逆流と症状の関連を客観評価(酸性/非酸性)。
  • 食道内圧検査:術前評価、運動障害の鑑別(アカラシア等)。
  • 必要に応じて:Helicobacter pylori評価、胃排出能、喉頭所見(耳鼻科連携)。

病型・重症度(目安)

病型特徴治療の基本
びらん性食道炎内視鏡でびらん/潰瘍(LA A–D)酸分泌抑制(標準〜強力)、維持療法を検討
NERD内視鏡正常でも逆流症状ありPPI/PCAB±オンデマンド、生活改善
反応性過敏/機能性胸やけ逆流少ない/関連乏しい神経修飾薬(低用量TCA等)や心理的介入を検討
バレット食道円柱上皮化生(内視鏡/病理)酸抑制+サーベイランス、異形成で内視鏡治療

治療(生活・薬物・内視鏡/外科の“合わせ技”)

  • 生活改善:減量、就寝3時間前以降は飲食回避、頭側挙上、脂肪/チョコ/ミント/辛味/炭酸/アルコールの調整、喫煙中止、衣類をゆるく。
  • 薬物療法
    • 酸分泌抑制:PPI/PCABを基本(初期4–8週)。就寝時症状には就寝前H2RA併用を検討。
    • 補助療法:アルギン酸/制酸薬の頓用、運動機能改善薬(食後の食道クリアランス低下に)。
    • 維持/中止:再発リスク・病型で最小有効量へ漸減。NERDはオンデマンドも選択肢。
  • 手術/内視鏡噴門形成術(Nissen/Toupet)磁気リング(LINX)TIF等を適応に応じ検討(裂孔ヘルニア合併や長期薬物依存・逆流客観所見あり)。
  • 妊娠時:生活改善と制酸/アルギン酸を基本。必要時にH2RA/PPIを個別判断。

難治GERDの組み立て(PPI不応時のチェック)

  • 内服の基本:内服時間(朝食前)・アドヒアランス・用量を再点検。PCABや分2化の検討。
  • 疾患の見直し:pH-impで酸/非酸逆流の評価、EoEや運動障害、胆汁逆流の鑑別。
  • 追加治療:アルギン酸増強、就寝前H2RA、バクロフェン(TLESR抑制;適応例で)、過敏なら神経修飾薬。
  • 外科適応の検討:客観的逆流証明+薬物不応/希望で専門施設と連携。

合併症とフォロー(目安)

合併症対応フォローの例
食道狭窄酸抑制+ブジー/バルーン拡張内視鏡治療後は再狭窄/出血を確認
びらん/潰瘍再発維持量の最適化、生活改善再燃時に内視鏡再評価
バレット食道酸抑制+サーベイランス、異形成でアブレーション/EMR非異形成は施設方針で定期内視鏡

よくある質問

いつ胃カメラが必要ですか?
赤旗症状(嚥下障害・体重減少・貧血/黒色便・長期胸痛など)や治療抵抗例、長期症状+リスクがある場合は内視鏡をお勧めします。
薬は一生続けますか?
多くは最小有効量まで減量可能です。生活改善と合わせ、再発リスクに応じて維持/オンデマンドを選びます。
市販薬で様子をみても良い?
軽症なら短期の制酸薬で落ち着くこともありますが、反復・長期化・赤旗があれば早めの医療受診を。
咳やのどの違和感もGERDが原因?
一部は関連しますが、他疾患も多くあります。耳鼻科/呼吸器と連携して評価します。

逆流性食道炎(GERD):外部エビデンスまとめ

公的機関・学会ガイドライン・主要ジャーナルから、診断(スコア/内視鏡/生理学検査)/治療(生活・薬物・内視鏡/外科)/難治例・合併症(バレット食道)までの一次情報を厳選しました。

📘 総論・枠組み

📝 症状スコア・初期評価

📡 生理学検査(pHインピーダンス/食道内圧)

💊 生活・薬物療法

🧩 難治GERD/機能性胸やけ

🧪 合併症:バレット食道(監視と治療)

🔧 手術・内視鏡治療(選択と適応)

🔎 参考:関連病態(咽喉頭逆流・咳/喘息との関連)

※ 各リンクは学会・主要ジャーナル・公的機関の一次情報です。赤旗症状のある患者は内視鏡を早期に検討し、難治例はpHインピーダンス/内圧検査で病型を同定したうえで、生活・薬物・手術/内視鏡を段階的に最適化してください(各ガイドライン本文のアルゴリズムに準拠)。

👨‍⚕️ 医師からのコメント・監修(逆流性食道炎:GERD)

逆流性食道炎(GERD)|“胸やけ・呑酸”を根本から改善|日本橋の消化器内科 0th CLINIC
逆流性食道炎(GERD)は、一過性の下部食道括約筋(LES)弛緩LES低緊張・食道裂孔ヘルニアなどにより、胃内容が食道へ逆流して 胸やけ・呑酸・咽喉頭違和感・咳などを来す疾患です。多くは良性ですが、 生活の質を大きく損ない、長期化すると食道びらん・狭窄・バレット食道のリスクが上がります。

初期評価は症状ベースで行い、嚥下困難・体重減少・貧血・吐下血などの 警告症状があれば上部内視鏡を早期に実施します。 内視鏡ではLA分類でびらんの重症度を記載し、バレット粘膜の有無も確認します。 PPIやPCAB(ボノプラザン)への反応が乏しい場合は、 pHインピーダンス検査(オン/オフPPIで使い分け)や食道内圧検査を追加し、 真の酸逆流・非酸逆流・過敏性・機能性胸やけを鑑別します。

治療の土台は生活介入減量・就寝3時間前以降の絶食・頭側挙上、 アルコール/脂質過多/過食/遅い夕食の是正)と酸分泌抑制です。 びらん性には標準量PPIの8週間、非びらん性や夜間症状には 服薬タイミング最適化(食前30–60分)、分2化、H2RAの就寝前追加などを検討します。 PCABは強力かつ速効性で、PPI不応例服薬時間の制約が強い患者で選択肢になります。 機能性胸やけ/過敏性が疑われる場合は、中枢感作対策(少量TCA/SSRI/SNRI)行動療法を併用します。

難治例で客観的な逆流が証明され、かつ大きな裂孔ヘルニア逆流バイオマーカー(AET↑・MNBI↓・PSPW↓)が揃えば、 噴門形成術(Nissen/Toupet)磁気括約リング(LINX)経口内視鏡的噴門形成(TIF)などの介入を検討します。 術前には必ず内圧検査で食道運動障害を除外します。 バレット食道ではリスクに応じたサーベイランス、異形成には EMR/RFAなどを組み合わせます。」

0th CLINICではFSSG/GERD-Qを用いた症状評価と服薬アドヒアランス/生活因子の是正をまず徹底し、 提携施設での上部内視鏡(NBI拡大含む)pHインピーダンス食道内圧検査を手配します。
結果をもとに生活+PPI/PCAB最適化H2RA/アルギン酸の補助、 必要に応じ機能性胸やけ対策外科/内視鏡治療の適応評価まで 消化器チームで包括的にご提案します。治療後は症状・再燃・栄養状態長期PPIの適正使用(減量・休薬の可否)も継続フォローします。

監修:黒田 揮志夫 医師(プライマリケア認定医/病理専門医/皮膚病理医)
0th CLINIC 日本橋 院長/医学博士/日本病理学会認定 病理専門医/総合診療・救急科での診療歴10年以上

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