顆粒球単球除去療法(GMA)|“高齢者にも使いやすい”連携型オプション
顆粒球単球除去療法(GMA)|“高齢者にも使いやすい”連携型オプション
当院ではGMAの施行は行っていません。治療は連携医療機関で実施し、
当院は適応判断・紹介手配・結果の丁寧なご説明、薬剤調整(減量/切替)、再燃予防のフォローまで一貫管理します。
GMAはステロイドや免疫抑制薬の副作用が気になる方、高齢者/多疾患併存の方に“選択しやすい”非薬物療法です(主に潰瘍性大腸炎での選択肢)。
治療は連携施設で実施/当院が適応判断・紹介状作成・結果説明・薬剤調整まで伴走
LINEで24時間受付 ※GMA施行は連携先で実施します
概要(GMAの要点)
- 対象:主に潰瘍性大腸炎(活動期、ステロイド依存/抵抗、薬剤副作用懸念など)。クローン病では限られた症例で選択。
- 特徴:薬剤ではなく血液浄化を用いるため、全身性の免疫抑制を伴いにくいのが利点。
- 施行場所:当院では実施せず、連携医療機関で行います。当院は適応判断と紹介・結果説明・薬剤調整・再燃予防を担います。
高齢者に“使いやすい”理由
- 非薬物療法:感染・骨粗鬆症・糖代謝悪化など薬剤性副作用の懸念を相対的に抑えやすい。
- 併存疾患/多剤併用との両立:薬物相互作用が少ないため、循環器・腎疾患などの併存患者でも検討しやすい(適応は個別評価)。
- ステロイドスパリング:ステロイド減量/離脱の足がかりにしやすい(再燃時の再施行も選択肢)。
- 外来で通院施行が可能:体力に合わせ週1回ペースなど柔軟に計画できる施設が多い。
仕組み(どう効く?)
- 血液を体外循環し、活性化した顆粒球/単球(炎症ドライバー)やサイトカイン産生に関与する細胞群を吸着・除去。
- 結果として腸管粘膜の炎症負荷を低減し、寛解導入やステロイド減量を後押し。
- 全身の免疫抑制が相対的に少ないため、感染リスクや薬剤相互作用の観点で優位性があるとされます。
実施方法・スケジュール(連携先で施行)
- 1回60分前後・外来日帰りが一般的。末梢静脈ラインでの体外循環(施設により差異)。
- 標準的プラン:週1回×10回または週2回×5週(計10回)など。活動性・体力に合わせ調整。
- 併用:5-ASA/局所療法、必要に応じて低用量ステロイドや既存治療の調整(連携先と協議)。
- 寛解後:再燃予防は基本は薬物療法で維持、再燃時にGMA再施行を検討する場合あり。
位置づけ(有効性と併用/切替)
- 主戦場は潰瘍性大腸炎:ステロイド依存/抵抗例、薬剤副作用懸念例での寛解導入やステロイド減量の選択肢。
- 高齢発症・多疾患併存:生物学的製剤やJAK阻害薬の副作用リスクが気になる場合、先行/橋渡しとしてGMAを検討。
- 併用/切替:既存薬の減量・切替の“間”をつなぐブリッジ戦略として運用されることもあります。
- 限界:重篤な急性重症例では、救急対応や集中的薬物療法/手術が優先されることがあります。
安全性・副作用/注意点
- よくみる事象:穿刺部の違和感、軽度の血圧低下/頭痛/倦怠感など。多くは一過性。
- まれなリスク:アクセス不良、血栓/出血傾向の増悪、アレルギー様反応など(施行施設でモニタリング)。
- 注意が必要な状況:重度貧血や不安定な循環動態、活動性感染症、高度心不全などは適応を慎重に評価。
- 抗凝固:体外循環に伴う抗凝固(ヘパリン等)を用いるため、抗血栓薬内服や出血リスクは個別に検討します。
連携フロー(当院が窓口となり伴走します)
- ① 初診評価(当院):活動度・併存疾患・既存治療・副作用歴を確認、GMAの適応可否を検討
- ② 紹介手配(当院→連携先):施行施設の選定、予約、紹介状作成
- ③ 施行(連携先):外来でのGMA実施・安全管理・経過共有
- ④ 結果説明(当院):施行結果・寛解度の確認、薬剤調整(減量/切替)と再燃予防の計画
- ⑤ フォロー(当院):再燃時の再評価/再紹介、長期維持療法の見直し
よくある質問
外来で受けられますか?通院頻度は?
多くは外来日帰りで、週1回×10回または週2回×5週など。体調や生活に合わせて施行施設と調整します。
高齢でも大丈夫?
薬物治療に比べ全身の免疫抑制が少ない点が利点です。併存疾患や抗血栓薬の有無を含め、当院で適応を丁寧に評価します。
今の薬は続けますか?ステロイドは減らせますか?
基本は併用で開始し、反応を見ながら減量/切替を検討します。無理のないペースで計画します。
費用はどのくらい?保険適用は?
適用や自己負担は制度・施設で異なります。最新の適用状況は施行施設に確認し、当院からもご案内します。
誰にでも効く?どのくらいで効きますか?
個人差があります。数回で自覚症状が軽くなる方もいれば、十分な回数が必要な方も。効果判定の節目をあらかじめ共有しながら進めます。
関連ページ(院内リソース)
顆粒球単球除去療法(GMA):外部エビデンスの要点
潰瘍性大腸炎における寛解導入・ステロイドスパリング、高齢者/多疾患併存での安全性に注目。
📘 総論・位置づけ
- IBD治療における非薬物療法の一つとして、薬剤副作用懸念例での活用が議論されています。
- 寛解導入・ステロイド減量の補助的役割。重症急性例では別経路(救急/集中的薬物/外科)を優先。
🧪 実施と効果の目安
- 標準的には10回前後の連続施行。週1回または週2回の集中スケジュールが用いられます。
- 反応は個人差があり、効果判定の節目を事前共有して進めることが推奨されます。
🛡 安全性
- 全身的な免疫抑制が相対的に少なく、高齢者・多剤併用でも検討しやすい選択肢。
- 一方で、体外循環・抗凝固に伴う注意点があり、施行施設でのモニタリングが前提です。
👨⚕️ 医師からのコメント・監修(GMA・連携型)

「高齢発症の潰瘍性大腸炎では、感染や骨・代謝への影響を考えると、 非薬物療法のGMAは検討しやすい選択肢です。薬の相互作用が少なく、 ステロイド減量の橋渡しとしても有用です。
当院は適応判断・紹介手配・結果説明に加え、薬剤調整と再燃予防まで “患者さんの負担を減らす”流れで伴走します。」
0th CLINICは“高齢者にも使いやすい”連携型で、必要な治療に最短でつなぎます。
監修:黒田 揮志夫 医師(プライマリケア認定医/病理専門医/皮膚病理医)
0th CLINIC 日本橋 院長/医学博士/日本病理学会認定 病理専門医/総合診療・救急科での診療歴10年以上
0th CLINIC 日本橋 院長/医学博士/日本病理学会認定 病理専門医/総合診療・救急科での診療歴10年以上
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