ホスホマイシン

ホスホマイシン(膀胱炎の抗菌薬)|効果・飲み方・注意点|0th CLINIC 日本橋

ホスホマイシン(膀胱炎の抗菌薬)細胞壁合成阻害

急な排尿痛・頻尿の原因となる細菌に有効な抗菌薬です。海外では経口3g単回での急性単純性膀胱炎治療が広く用いられます。複雑性や合併症がある場合は培養注射製剤などを含め、設計を変えます。

※当院の診療時間はお知らせをご確認ください。

1. 一般名・商品名・分類

  • 一般名:ホスホマイシン(Fosfomycin)
  • 国内の主な商品名:FOSMICIN®(ホスミシン:静注用ナトリウム塩、錠/カプセル 等|Meiji Seika Pharma)
  • 海外商品名:Monurol® 3g(fosfomycin trometamol 顆粒/分包|Zambon ほか)
  • 薬理分類:細胞壁合成阻害薬(MurA阻害)
  • 主な適応:急性単純性膀胱炎 ※重症/合併症例では適応・投与経路が異なります

膀胱炎は症状・尿検査・(必要に応じて)培養で総合判断し、抗菌薬を選択します。

2. 効果の目安

  • 多くは24–48時間で排尿時痛や頻尿が改善へ。
  • 解熱・血尿の改善には数日を要することがあります。
  • 再発を繰り返す場合は生活要因・膣内環境・解剖学的要因も評価。

3. 飲み方(用法・用量)

  • 経口(海外の一般的運用):3g単回(fosfomycin trometamol 顆粒/分包)。就寝前や空腹時の内服が推奨されることがあります。
  • 国内:流通製剤・適応は剤形により異なります。診察で投与経路・量を決めます(例:複雑性UTIや腎盂腎炎などは静注ナトリウム塩を検討)。
  • 飲み忘れ:単回投与の場合は再度の自己判断投与を避け、指示を確認してください。

※適応・投与量は年齢、腎機能、妊娠・授乳、併用薬で変わります。

4. 副作用

  • 比較的多い:下痢、吐き気、腹部不快、頭痛
  • ときに:皮疹、肝機能検査値上昇、めまい、味覚変化
  • 静注時:高ナトリウム負荷・浮腫、血圧上昇などに注意(ナトリウム塩)

抗菌薬関連下痢・CDI(クロストリジオイデス・ディフィシル感染)に注意。重い下痢や血便は早めに受診を。

5. 使えない/注意が必要な方

  • 重い腎機能障害:用量調整や代替薬を検討。
  • ナトリウム制限:静注製剤ではNa負荷に注意。
  • 妊娠・授乳中は主治医とリスク/ベネフィットを個別に検討。

当院では既往歴・妊娠可能性・腎機能・体液バランス・残尿を確認します。

6. 飲み合わせ(相互作用)・内服のコツ

  • メトクロプラミド:ホスホマイシンの吸収が低下することがあります。
  • 食事:同時摂取で吸収が遅れ、尿中濃度が下がることがあります。指示がある場合は空腹時に。
  • その他の重篤なCYP相互作用は少ないとされていますが、お薬手帳をご提示ください。

7. 受診〜内服の流れ

  1. 問診・尿検査:白血球・亜硝酸・培養(必要時)。妊娠の可能性も確認。
  2. 薬の選択:単純性なら経口、合併症・男性・高齢・カテーテル等は設計変更。
  3. 48–72時間後:症状追跡。培養結果で必要なら抗菌薬をデエスカレート/スイッチ
  4. 再発対策:水分・排尿習慣・性交後排尿、腟内環境、基礎疾患の是正。

8. よくある質問(FAQ)

単回で本当に大丈夫?
急性単純性膀胱炎では海外ガイドラインで3g単回が広く用いられます。状況により地域・製剤で運用が異なります。
男性や複雑性膀胱炎でも使えますか?
一般に単回経口療法は推奨されません。培養結果を踏まえた別設計や静注治療を検討します。
授乳中でも内服できますか?
母乳中に移行します。継続/中止は主治医と相談して個別に判断します。
再発を防ぐには?
水分摂取、我慢しすぎない排尿、性交後排尿、便秘対策、腟内のケアなど。再発性は基礎原因を評価します。

9. 費用の目安

保険診療の自己負担は目安です。剤形・日数・検査有無で変動します。
項目内容自己負担(目安)
初再診・処方診察+尿検査(必要時培養)保険適用
内服薬ホスホマイシン(剤形・日数により)保険適用
注射薬FOSMICIN®静注(重症・合併症例等)保険適用

※薬価改定・在庫状況で実額が変わります。会計時にご案内。

10. 併用すると良い対策

  • 水分・排尿習慣:我慢しすぎない、こまめな水分で洗い流す。
  • 会陰部ケア:温かく保ち、摩擦・香料の強い洗浄は控えめに。
  • 性交後排尿・尿路の保温:再発予防に有効です。

医師監修

本ページは医師が最新情報を確認のうえ監修しています。個別の適応・用量は診察にて決定します。

ご相談・ご予約

症状・培養結果・合併症の有無に合わせて、内服単回から静注治療まで最適なプランをご提案します。

※この情報は一般向け解説です。治療は医師の診察に基づき個別に判断されます。