シングリックス(帯状疱疹ワクチン)

💉 シングリックスとは(帯状疱疹ワクチン)

シングリックス(帯状疱疹ワクチン) ▲ 帯状疱疹ワクチン「シングリックス®」

シングリックス(Shingrix®)は、帯状疱疹を予防する目的で開発された不活化ワクチンです。
従来の生ワクチンとは異なり、免疫低下がある方でも接種可能で、90%以上の高い予防効果を示しています。

項目 内容
一般名 帯状疱疹不活化ワクチン(Shingrix®)
剤形 筋肉内注射用(2回接種)
対象者 50歳以上の成人、免疫力が低下している方
保険適用 ×(自由診療)
特徴
  • 2回の接種で長期間の免疫を獲得
  • 予防効果は90%以上(高齢者も有効)
  • 帯状疱疹後神経痛(PHN)も大幅に減少
  • 生ワクチンと異なり、免疫抑制下でも接種可能

● 接種は2か月間隔で2回行います(例:初回+2か月後)。
● 高齢者やがん治療中など、免疫が弱っている方の帯状疱疹リスクを大きく低下させます。
● 発熱・注射部位の腫れ・倦怠感などの副反応が見られることがありますが、通常は数日で軽快します。

✅ シングリックスは、高齢者の健康寿命を守る重要なワクチンです。
帯状疱疹の不安がある方や再発を予防したい方は、お気軽にご相談ください。

💉 中央区の帯状疱疹ワクチン「シングリックス」助成制度について

中央区では、帯状疱疹の予防を目的として、50歳以上の区民を対象に「シングリックス」ワクチン接種費用の一部助成を行っています。

  • 対象者:接種日時点で50歳以上の中央区民
  • 助成内容:1回あたり10,000円(全2回接種)
  • 自己負担額:1回あたり12,000円(助成後)
  • 実施期間:令和7年4月1日~令和8年3月31日

詳細は中央区の公式ページをご確認ください: 中央区 帯状疱疹ワクチン予防接種助成について

⚠️ 当院では、中央区の助成制度には対応しておりません。全額自費での接種となります。
ただし、50歳未満の方でも医師の判断により接種が推奨される場合があります。ご希望の方はお気軽にご相談ください。

💉 シングリックスの適応と接種タイミング

■ 適応となる方

  • 50歳以上のすべての成人(帯状疱疹の予防)
  • 18歳以上で免疫抑制・免疫低下がある方
    (例:がん治療中、ステロイド・免疫抑制剤使用中、臓器移植後など)
  • 帯状疱疹の再発予防を目的とした接種も推奨されます

■ 帯状疱疹にかかったあとの接種時期

帯状疱疹にかかった方も、再発を予防するためにワクチン接種が推奨されます。
接種タイミングの目安は以下の通りです。

  • 発症から6ヶ月以上経過後に接種するのが一般的な推奨
  • 症状が落ち着いていれば3ヶ月以降で可能とするケースもあります
  • 医師と相談のうえ、体調や免疫状態に応じて判断します

当院では50歳未満でも接種が推奨されるケース(免疫低下・再発予防など)についても対応可能です。
ご希望の方は医師にご相談ください。
中央区の帯状疱疹ワクチン補助制度はこちら(別タブ)
※ 当院は自治体補助制度には対応しておりません。

💉 帯状疱疹予防ワクチンの比較(シングリックス vs 水痘ワクチン)

帯状疱疹の予防には、新しい不活化ワクチン「シングリックス」と、従来型の水痘ワクチン(生ワクチン)があります。
以下に、2つのワクチンの違いを比較してまとめました。

項目 シングリックス
(不活化ワクチン)
水痘ワクチン
(生ワクチン)
ワクチンの種類 不活化(遺伝子組換え) 生ワクチン(弱毒化)
接種回数 2回(2ヶ月間隔) 1回
予防効果 ◎ 約90%以上(高齢者でも有効) △ 約50〜60%(加齢で効果低下)
副反応 接種部位の腫れ・発熱・筋肉痛など 発熱・発疹(ごくまれに帯状疱疹の発症)
免疫低下状態の方への接種 ◯ 接種可(不活化のため) ✕ 接種不可(生ワクチンのため)
保険・助成の対応 ◯ 一部自治体で助成あり ◯ 一部自治体で助成あり

✅ 帯状疱疹の予防にはシングリックスの効果がより高く、特に高齢者や免疫力の低下している方に適しています
接種の可否や選択は、年齢・基礎疾患・生活状況を踏まえ、医師と相談して決めましょう。

💡 シングリックス(帯状疱疹ワクチン)の作用と接種方法

■ 帯状疱疹の発症予防に有効

シングリックスは、50歳以上を対象に開発された帯状疱疹予防ワクチンです。
不活化ワクチンであり、免疫力が低下した方にも安全に接種できるのが特徴です。

■ 高い発症予防効果

海外の大規模臨床試験では、50歳以上で約97%、70歳以上でも約90%の発症予防効果が報告されています。
従来の生ワクチン(乾燥弱毒生水痘ワクチン)と比較して、免疫持続期間が長いことも利点です。

■ 接種回数とスケジュール

● 通常、2回の筋肉注射(初回・2ヶ月後)を行います。
● 副反応として、接種部位の腫れ・痛み、全身のだるさや発熱が一時的にみられることがあります。

■ 費用と助成制度について

● 自費診療での接種が基本ですが、一部自治体では費用の一部を助成しています。
● 中央区では、帯状疱疹ワクチン接種費用の助成制度が実施されています(当院では対応していません)。

✅ 当院では、シングリックス接種は全額自費となりますが、50歳未満の方でも医師の判断で接種が推奨される場合があります。
ワクチン接種を検討されている方は、お気軽にご相談ください。

⚠ シングリックス接種の注意点(帯状疱疹ワクチン)

シングリックスは不活化ワクチンとして、帯状疱疹の予防に高い有効性を示す一方、接種後に一時的な副反応が出現することがあります。
ワクチン特有の反応を理解した上での接種が望まれます。

🟠 接種後によくある症状:
接種部位の腫れ・赤み・痛み、および発熱・倦怠感・筋肉痛・頭痛などの全身症状が、1〜3日ほど持続する場合があります。
これらは自然軽快する免疫反応の一部ですが、体調不良時の接種は避けましょう。

  • 2回接種が必要(1回目から2ヶ月後に2回目を実施)
  • 発熱・筋肉痛が強く出る場合は、解熱鎮痛薬(アセトアミノフェンなど)で対処可能
  • 免疫不全状態の方にも接種可能(生ワクチンとは異なる特徴)
  • 妊娠中の安全性は確立していないため、基本的に接種は控える
  • 重篤なアレルギー(アジュバント成分など)既往がある方は事前に申告を

❓ シングリックスに関するQ&A(よくある質問)

Q. シングリックスとはどんなワクチンですか?

A. シングリックスは不活化ワクチンで、帯状疱疹(ヘルペス)の発症を予防するための新しいワクチンです。50歳以上の方を中心に、高い予防効果(90%以上)が報告されています。

Q. 接種は何回必要ですか?

A. 2回の筋肉注射が必要です。通常は、初回接種から2ヶ月後に2回目を接種します。

Q. 副反応はありますか?

A. 多くの場合は、注射部位の痛み・発熱・筋肉痛・倦怠感などが見られます。1~3日で自然に軽快することがほとんどです。

Q. 生ワクチンと何が違うのですか?

A. シングリックスはウイルスを含まない「不活化ワクチン」なので、免疫が低下している方でも接種が可能です。一方、水痘ワクチン(従来型)は生ワクチンのため、免疫不全の方には使用できません。

Q. 自治体の助成は使えますか?

A. 中央区では助成制度がありますが、当院では助成制度には対応していません。ご希望の方は費用をご確認の上ご相談ください。

Q. 50歳未満でも接種できますか?

A. 原則として50歳以上が対象ですが、帯状疱疹のリスクが高い方(免疫力低下や既往歴あり)には接種が推奨される場合もあります。詳細は医師にご相談ください。

💉 シングリックス(不活化帯状疱疹ワクチン)の国際的評価とエビデンス

■ 国際的な使用状況

シングリックス(Shingrix)は、帯状疱疹および帯状疱疹後神経痛の予防を目的とした不活化アジュバントワクチンです。
世界保健機関(WHO)や米国CDC、欧州CDC(ECDC)などの複数の国際機関により、高リスク群における第一選択の予防接種として推奨されています。

  • 50歳以上の成人に対して広く接種が進められています。
  • 免疫抑制状態のある18歳以上に対しても有効性・安全性が確認されています。
  • ● 米国ACIPでは、従来の生ワクチン(Zostavax)よりも高い優先順位で推奨されています。

■ 臨床試験と有効性

  • ● 大規模試験(ZOE-50, ZOE-70)において、50歳以上で97.2%、70歳以上で91.3%の予防効果が示されました。
  • 帯状疱疹後神経痛(PHN)に対しても90%以上の発症抑制効果が確認されています。
  • ● 不活化ワクチンであるため、免疫不全患者にも接種可能です。

■ エビデンスの出典(代表例)

✅ シングリックスは、国際的にも最も効果が高く、安全性が確立された帯状疱疹ワクチンです。
生ワクチンに比べて効果が高く、免疫抑制患者にも使用できる点が大きな特徴です。

👨‍⚕️ 医師からのコメント・監修

シングリックス(帯状疱疹ワクチン)
「シングリックスは帯状疱疹および神経痛の予防において、現時点で最も効果が高いワクチンです。
免疫力が低下する50代以降の方、持病をお持ちの方にとって、発症予防・重症化予防の両面で重要な選択肢となります。」

帯状疱疹は一度かかると長期にわたる痛みに悩まされることもあります。
発症する前に「予防という選択」を。ご相談はいつでもお受けしております。

監修:荘子 万可 医師
0th CLINIC
・日本泌尿器科学会認定 泌尿器科専門医
・予防医療やワクチン啓発にも注力
シングリックス(帯状疱疹ワクチン)
「当院では、帯状疱疹の既往がある方や免疫低下リスクの高い方にも、シングリックスの接種を検討いただいています。
たとえ過去に発症していても、再発防止や帯状疱疹後神経痛の予防の観点からも重要なワクチンです。」

50歳未満の方でも、基礎疾患や治療内容によっては接種が推奨される場合があります。
どんな方にも寄り添った対応を心がけています。まずはお気軽にご相談ください。

監修:黒田 揮志夫 医師(病理専門医/皮膚病理医)
0th CLINIC 日本橋 院長
・帯状疱疹およびワクチン相談対応多数
・皮膚疾患とワクチン選択の臨床経験豊富

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