ST合剤(バクタ)

ST合剤(バクタ)

▲ ST合剤(スルファメトキサゾール・トリメトプリム)

ST合剤(バクタ®など)は、スルファメトキサゾールとトリメトプリムの合剤で、
相乗的な抗菌作用を持ち、尿路感染症・肺炎・皮膚感染症などに幅広く使用されます。

項目 内容
一般名 スルファメトキサゾール・トリメトプリム
剤形 錠剤、顆粒、注射剤
適応症 膀胱炎、前立腺炎、ニューモシスチス肺炎、皮膚感染症、耳鼻科感染症 など
保険適用 ○(保険診療で処方可)
特徴 2成分の相乗作用により広い抗菌スペクトラムを持ち、
耐性菌への対応や、特定の難治性感染症(例:P. jirovecii肺炎)に有効です。
特に泌尿器・呼吸器領域での使用頻度が高い薬剤です。

食後の服用が推奨されます(胃腸障害予防のため)。
アレルギー体質の方・腎機能障害・高カリウム血症のある方には注意が必要です。
● 長期投与や高齢者では定期的な血液検査(白血球・腎機能・電解質)を推奨しています。

💡 ST合剤(バクタ)の作用と使い方

■ 抗菌作用とメカニズム

ST合剤はスルファメトキサゾールとトリメトプリムを配合した合剤で、2つの成分が細菌の葉酸合成を段階的に阻害します。
相乗効果により広い抗菌スペクトラムを持ち、尿路や呼吸器、皮膚などの感染症に用いられます。

■ 主な適応と使用目的

ST合剤は以下のような感染症に使われます:
膀胱炎・前立腺炎・腎盂腎炎などの尿路感染症
ニューモシスチス肺炎(PJP)の予防・治療
皮膚感染症、耳鼻科感染症

■ 服用のタイミングと効果発現

1日1〜2回の服用で抗菌効果が期待できます。
食後に服用することで胃腸症状を軽減できますが、水分を多めに取ることも重要です。
必ず処方された日数を守って最後まで服用してください。

■ 服用方法と注意点

成人の標準用量:1回1錠を1日2回(内容により変動)
腎機能が低下している方・高齢者では減量が必要です
光線過敏症、皮疹、発熱、血液障害(白血球減少・貧血)などに注意
● 長期使用時は定期的な血液検査・腎機能モニタリングが推奨されます

■ 泌尿器科系疾患への応用

ST合剤は尿路感染症や前立腺炎において効果的な選択肢のひとつです。
特に再発性の膀胱炎や難治性前立腺炎などに用いられます。
尿の混濁、排尿痛、頻尿といった症状の改善が期待できます。

✅ ST合剤は複数の感染症に対応できる信頼性の高い抗菌薬です。
ただし副作用や飲み合わせに注意が必要なため、必ず医師や薬剤師の指示に従って服用してください。

⚠ ST合剤(バクタ)内服時の注意点

ST合剤(成分名:スルファメトキサゾール・トリメトプリム)は、相乗的な抗菌作用を持つ合剤で、
尿路感染症やニューモシスチス肺炎などに広く使用されます。
通常は1日2回、食後に服用されることが多く、水分をしっかりとることが推奨されます

🔵 重要な注意点:
バクタは腎機能への影響や、高カリウム血症・低ナトリウム血症を引き起こす可能性があります。
特に高齢者や腎機能が低下している方では、定期的な血液検査が必要です。
また、光線過敏症や皮膚アレルギー反応が現れることがあるため、日差しの強い外出時には紫外線対策を行ってください。

  • 通常は1日2回、食後に服用します(用法は医師の指示に従ってください)
  • 十分な水分摂取を心がけ、腎障害予防を行いましょう
  • 副作用として吐き気・発疹・発熱・食欲不振などが報告されています
  • 白血球減少・血小板減少・高カリウム血症などの重篤な副作用もまれにあるため、異変を感じたらすぐに医師に相談してください

✨ レボフロキサシンと膀胱炎治療薬の比較一覧

レボフロキサシン(クラビット)は、膀胱炎の治療に広く使われるニューキノロン系抗菌薬です。
ここでは、代表的な抗菌薬とその特徴を比較しています。

薬剤名 分類 主な特徴 注意点
クラビット
(レボフロキサシン)
ニューキノロン系 耐性菌にも有効。
1日1回の服用でOK。
重症例・男性の膀胱炎にも使用。
光線過敏・腱障害に注意。
妊娠・授乳中は禁忌。
ケフレックス
(セファレキシン)
第1世代セフェム系 軽度の膀胱炎に有効。
比較的副作用が少なく安全。
ペニシリン系との交差アレルギーに注意。
ホスミシン
(ジョサマイシン)
マクロライド系 細菌数が少ない非定型膀胱炎にも使用。
小児や妊婦にも使用されることがあります。
消化器症状(吐き気・腹痛)に注意。
腎機能が低下している方は医師と相談を。
バクタ
(ST合剤)
サルファ剤 + トリメトプリム 安価で古くから使われる薬。
軽症の膀胱炎に有効。
皮疹や血液障害に注意。
腎障害のある方は要注意。

✅ 膀胱炎の治療は原因菌・症状の程度・患者さんの体質により使い分けが必要です。
自己判断せず、必ず医師の診断と処方に従って治療を受けてください。

■ 臨床試験と推奨治療法

  • ● ST合剤(バクタ®)はスルファメトキサゾールとトリメトプリムの合剤で、2つの抗菌作用が相乗的に働く抗菌薬です。
  • 尿路感染症、呼吸器感染症、皮膚感染症などに加え、ニューモシスチス肺炎(PJP)やノカルジア症などの治療・予防にも用いられます。
  • ● 経口・注射剤の両方があり、利便性が高く、幅広い場面で使用可能です。

■ エビデンスの出典(代表例)

✅ ST合剤は尿路・呼吸器・皮膚感染症に加え、免疫低下時の肺炎予防にも有効な抗菌薬です。
特に再発性膀胱炎やニューモシスチス肺炎の治療・予防において重要な選択肢となっています。

🗣️ ST合剤(バクタ)を使用した患者さんの声

繰り返す膀胱炎で処方されました。
服用して2日ほどで排尿時の痛みや違和感が和らぎ、再発への不安も軽減しました。
※これはあくまで個人の感想であり、効果には個人差があります。

前立腺炎で処方され、最初は不安でしたが徐々に排尿の違和感が軽減。
医師の指示通り、最後まで服用することで改善が見られました。
※これはあくまで個人の感想であり、効果には個人差があります。

❓ よくある質問(FAQ)

ST合剤は膀胱炎、前立腺炎、腎盂腎炎などの尿路感染症をはじめ、
ニューモシスチス肺炎(PJP)や皮膚感染症、耳鼻科感染症にも使用されます。

通常、成人では1日2回、朝と夕に食後服用することが多いです。
医師の指示に従って、必ず決められた期間を飲み切るようにしましょう。

一般的な副作用には以下があります:
吐き気、食欲不振、発疹、発熱
● まれに白血球減少、高カリウム血症、光線過敏、腎機能障害が起こることがあります。
気になる症状があれば、早めに医師に相談しましょう。

ST合剤は妊娠中・授乳中は使用を避けるべき薬剤とされています。
胎児・乳児への影響が懸念されるため、他の抗菌薬が選択されることが一般的です。

利尿薬、降圧薬、カリウム製剤、ワルファリンとの併用には注意が必要です。
副作用や相互作用が起こる可能性があるため、必ず医師や薬剤師に相談してください。

⚠ ST合剤(バクタ)の副作用について

■ 主な副作用(比較的よく見られるもの)

  • ● 吐き気・食欲不振・腹痛
  • ● 軽度の発疹・かゆみ
  • ● 倦怠感・軽度の発熱
  • ● 頭痛

■ まれに起こる副作用

  • ● 光線過敏症(日焼け様の皮膚症状)
  • ● 高カリウム血症・低ナトリウム血症
  • ● 肝機能障害(AST・ALTの上昇など)
  • ● 血小板減少・白血球減少
  • ● 薬剤熱(発熱)

■ 重篤な副作用(極めてまれ)

  • ● 中毒性表皮壊死症(TEN)
  • ● スティーブンス・ジョンソン症候群(SJS)
  • ● 骨髄抑制(汎血球減少)
  • ● 腎機能障害(間質性腎炎など)
  • ● アナフィラキシー

✅ 副作用の多くはまれですが、皮膚の異常・発熱・倦怠感・尿の減少・電解質異常などの症状がある場合は、直ちに服用を中止し医師にご相談ください
高齢者・腎機能が低下している方・長期服用の方は特に注意が必要です。

💰 レボフロキサシンの薬価と自己負担について

レボフロキサシン(商品名:クラビットほか)は、広範囲に効果を発揮するニューキノロン系抗菌薬です。
呼吸器感染症、尿路感染症、皮膚感染症など幅広く使用されており、保険適用がある内服薬として処方されています。

■ 保険診療での薬価(2024年時点)

💰 ST合剤(バクタ・ダイフェン)の薬価と自己負担について

ST合剤は、スルファメトキサゾール+トリメトプリムの合剤で、さまざまな感染症に使われる保険適用の抗菌薬です。
後発品も含め、比較的安価に処方されます。

■ 保険診療での薬価(2024年時点)

製剤名 薬価(単価) 用量の例 薬剤費(3割負担)
バクタ配合錠 69.2円/錠 12錠(2錠×2回/日×3日) 約250円
ダイフェン配合錠(後発品) 15.1円/錠 12錠(2錠×2回/日×3日) 約55円

■ ST合剤が選ばれる理由

  • 尿路・呼吸器・皮膚など多様な感染症に適応
  • 1日2回の服用でしっかり効果
  • 後発品ならさらに薬価が安く、自己負担が軽い
  • PJPや前立腺炎など特殊な用途にも対応

✅ ST合剤は広範囲の感染症に対応するコストパフォーマンスの高い抗菌薬です。
後発品(ダイフェン)を選べばさらに経済的に治療が可能です。

👨‍⚕️ 医師からのコメント・監修

ST合剤(バクタ)
「ST合剤(バクタ®)は相乗的な作用をもつ2種類の抗菌成分からなる合剤で、尿路感染症や前立腺炎、ニューモシスチス肺炎など幅広い感染症に使用されます。
特定の難治性感染症においても第一選択となるケースがある、非常に有用な薬剤です。」

当院では、患者さんの病状や背景(基礎疾患・体力・検査所見)を踏まえた抗菌薬選択を行っています。
ST合剤は特に再発性膀胱炎や前立腺炎、免疫低下時の肺炎予防などで活躍する重要な治療手段です。
また、血液や腎機能への影響など副作用もあるため、必要に応じて血液検査を行いながら安全に使用しています。

監修:黒田揮志夫 医師(病理専門医/皮膚病理医)
0th CLINIC 日本橋 院長
日本病理学会認定 病理専門医/総合診療、救急科での診療歴10年以上

関連コラム

    ただいま準備中です。少々お待ちください。