ドキッとする脈・一瞬の脈飛び…期外収縮(PAC/PVC)かも|0th CLINIC 日本橋
ドキッとする・脈が飛ぶ・胸がザワッとする…それ、期外収縮(PAC/PVC)かもしれません
期外収縮は、心臓のリズムから早めに出る“余分な脈”のこと。
上室性(PAC)と心室性(PVC)があり、多くは良性で自然に落ち着きます。
ただし症状が強い・頻度が多い・基礎心疾患がある場合は評価と対策が必要です。
診断は心電図(ECG)・Holter、必要に応じ心エコーなどを行い、生活調整・薬物、稀にアブレーションを検討します。
関連ページ(不整脈の全体像/病型)
目次
🔍 期外収縮(PAC/PVC)とは
期外収縮は、正常な拍動のリズムより早く出る拍動(期外興奮)です。
心房由来がPAC(上室性期外収縮)、心室由来がPVC(心室性期外収縮)。多くは良性で、刺激(カフェイン・アルコール・ストレス・睡眠不足)や電解質変化で増えることがあります。
心電図で形やタイミングが異なります。
🩺 主な症状・危険サイン
- 動悸・ドキッとする一拍、脈が抜ける/飛ぶ感覚、胸の違和感。
- 無症状(検診のECGやウェアラブルで偶然見つかる)。
- 症状が長時間持続、運動で悪化、息切れやめまいを伴うときは評価が必要。
・強い胸痛や冷汗、意識消失/失神、持続する動悸・息切れ
・心筋梗塞・心不全・心筋症など既往の心疾患がある/家族に突然死の既往がある
🧪 検査の流れ(ECG・Holter・心エコー)
- 12誘導心電図(ECG): PAC/PVCの波形や頻度、二段脈・連発の有無を確認。
- Holter心電図/イベントレコーダー: 24時間以上の記録で発作性や日内変動、負荷との関連を把握。
- 経胸壁心エコー: 左室機能・壁運動、弁膜症、心筋症など基礎疾患を評価。
- 運動負荷試験: 運動誘発や虚血の関与を評価。
- 血液検査: 電解質、甲状腺機能、腎肝機能、貧血など。
📊 分類(PAC/PVC/パターン)
- PAC(上室性期外収縮): 心房や房室接合部から発生。心房細動の前駆として増えることも。
- PVC(心室性期外収縮): 心室から発生。形が大きく感じやすい。連発や多形性は評価が必要。
パターン: 二段脈(1拍ごとに出る)、三段脈、連発(2連発=二連、3連発=非持続性VTの可能性)など。
💊 治療の全体像(生活調整・薬物・アブレーション)
1) 生活調整(まずはここから)
- カフェイン・エナジードリンク・アルコールの過量を控える。
- 睡眠不足・ストレスの是正、適度な運動、禁煙。
- 電解質異常(発汗・脱水・下痢など)の補正、サプリや薬の見直し。
2) 薬物療法(症状が強い/頻度が高い場合)
- β遮断薬や非DHP系Ca拮抗薬で自覚症状を緩和。
- 必要に応じて抗不整脈薬(背景疾患・副作用に注意)。
3) カテーテルアブレーション(選択肢)
- 薬で不十分な高頻度PVCや心機能低下に関連する場合などで検討。
- 焦点が明確な単形性PVCは有効率が期待できることがあります。
4) 基礎心疾患の治療
- 虚血性心疾患・心不全・弁膜症・心筋症などがあればその治療を優先。
🌱 生活習慣・再発予防
- 睡眠とストレス管理: 寝不足・過労は誘発因子。
- カフェイン・アルコール: 量とタイミングを見直し、症状との関連をメモ。
- 水分・電解質: 発汗時は適切に補給。無理な減量・断食に注意。
- 運動: 有酸素運動を中心に無理なく継続。症状が強い日は休む。
- 禁煙: 心血管イベント全般の予防に有効。
🔄 フォローアップと緊急受診の目安
- 再診頻度: 症状・頻度に応じて数週〜数か月ごと。調整後は個別化。
- 再評価: Holterで負荷割合、症状日誌、必要に応じ心エコー。
- 薬剤管理: 効果と副作用、血圧・脈拍、併用薬の相互作用を確認。
🏥 当院でできること(0th CLINIC 日本橋)
- 初期評価: ECG、Holter手配、血液検査(電解質・甲状腺)、心エコー。
- 生活指導: 誘因の洗い出しと行動プランの作成。
- 薬物治療: 症状と背景に応じβ遮断薬等を検討し、効果と安全性をモニター。
- 専門連携: 高頻度PVCや心機能低下例でのアブレーション適応を専門施設と協議。
- 長期管理: 再発・負荷割合の追跡、基礎心疾患の並行管理。
❓ よくある質問(Q&A)
Q:期外収縮は放っておいて大丈夫?
多くは良性で自然に減ります。ただし症状が強い・頻度が多い・基礎心疾患がある場合は評価と対策が必要です。
Q:カフェインやお酒はやめるべき?
個人差があります。まずは量・タイミングを控えめにし、症状との関連を記録して調整しましょう。
Q:薬は一生飲み続けますか?
多くは症状が落ち着けば減量・中止が可能です(医師判断)。誘因対策と再評価を行いながら調整します。
Q:アブレーションで治りますか?
焦点がはっきりした単形性PVCなどでは有効例が期待できます。適応は頻度・症状・心機能低下の有無などで判断します。
ほかにも気になる点があれば、ご受診時にお気軽にお尋ねください。
▲ ページ上部へ戻る
📚 期外収縮(PAC/PVC)・診断と治療に関する科学的根拠と外部リンク集
🔬 公的機関・国際機関
- MedlinePlus(NIH):Premature Ventricular Contractions(PVC)
- StatPearls:Premature Atrial Contractions(PAC)
- NHS(UK):Arrhythmia(不整脈全般の解説)
- NI Direct(UK公的情報):Ectopic beats(期外収縮)
🏛 学会・専門団体ガイドライン
- ESC 2022:心室性不整脈と突然死予防ガイドライン(PVCの評価・治療)
- ESC 2019:上室性頻拍(PACを含む)ガイドライン
- AHA/ACC/HRS 2017:心室性不整脈と突然死予防ガイドライン
- ACC/AHA/HRS 2015:上室性頻拍ガイドライン(PACを含む)
- HRS/EHRA/APHRS/LAHRS 2019:心室性不整脈アブレーション合意文書
📖 学術レビュー・教科書
🇯🇵 日本の公的情報・ガイドライン
🤝 参考:患者支援・生活管理
- British Heart Foundation:Heart rhythms(期外収縮を含む解説PDF)
- Arrhythmia Alliance(UK):Ectopic beats(期外収縮)
- Cleveland Clinic:Ectopic heartbeat(PAC/PVC患者向け解説)
これらのリンクは、期外収縮(PAC/PVC)の症状と診断、
リスク評価、生活管理と治療(β遮断薬/電解質是正/アブレーションなど)
を体系的に学べる公的機関・学会ガイドライン・査読リソースです。
実際の方針は基礎心疾患の有無、
症状の強さ、
心機能、
期外収縮の頻度や形態を総合的に判断して決定します。
👨⚕️ 医師からのコメント・監修(期外収縮)
「期外収縮(PAC・PVC)は不整脈の中で最もよく見られるタイプです。多くは良性で経過観察が可能ですが、頻発する場合や基礎心疾患がある場合には精査が必要です。
主な症状は動悸・脈が飛ぶ感じ・胸部不快感などで、無症状のことも少なくありません。
診断には心電図やHolter心電図が有用で、必要に応じて心エコーや血液検査で基礎疾患を調べます。
治療は生活習慣の改善(睡眠・アルコール・ストレス管理)が基本で、症状が強い場合はβ遮断薬やCa拮抗薬などの薬物治療、高度に頻発する場合にはアブレーションも選択肢になります。」
0th CLINICでは、初期評価(心電図・Holter・血液検査)を行い、必要に応じて心エコーや睡眠時無呼吸検査を追加します。
その上で、症状の程度・心機能への影響・基礎心疾患の有無を踏まえて、経過観察・薬物治療・専門施設との連携(アブレーション)をご提案します。
また、カフェイン・飲酒・喫煙・ストレスなど生活習慣の見直しが再発予防に重要です。
0th CLINIC 日本橋 院長/医学博士/日本病理学会認定 病理専門医/総合診療・救急科での診療歴10年以上
関連コラム
ただいま準備中です。少々お待ちください。
