動悸・胸の違和感・脈の乱れ…不整脈かも|症状・検査・治療
動悸・脈の乱れ・めまい/失神…それ、不整脈のサインかもしれません
不整脈は心臓の電気信号の乱れにより、脈が速い/遅い/不規則になる状態です。
代表的なものに心房細動、発作性上室頻拍、期外収縮、房室ブロック、洞不全症候群、心室頻拍/心室細動などがあり、薬物療法・カテーテルアブレーション・ペースメーカー/ICD等で治療します。
⚠️ 運動中の失神、胸痛・冷汗・強い息切れ、突然の意識消失は救急受診を
アクセス
東京都中央区日本橋二丁目16番9号 CAMCO日本橋ビル4階(東京駅八重洲口・日本橋駅から徒歩3分)
代表的な不整脈(疾患別ガイド)
目次
🔍 不整脈とは
心臓の電気信号の伝わり方(刺激伝導系)の異常により、脈が速い(頻脈)・遅い(徐脈)・不規則になる状態です。無症状のこともあれば、動悸・息切れ・胸部不快感・めまい・失神を生じ、基礎心疾患の有無で重症度が変わります。
🩺 主な症状・危険サイン
- 動悸・脈の乱れ: ドキドキ/脈が飛ぶ・一瞬止まる感じ
- めまい・ふらつき・失神: 脳血流低下のサイン
- 息切れ・胸部不快感: 心不全や虚血の合併に注意
🧪 検査の流れ(心電図→ホルター→負荷/EPS)
- 12誘導心電図:発作時と平常時で所見を確認。
- ホルター心電図/イベントレコーダー:日常生活中の発作を記録。
- 心エコー:心機能・弁膜症・心筋症など基礎心疾患を評価。
- 運動負荷試験:誘発性の不整脈・虚血の評価。
- 血液検査:電解質・甲状腺機能など誘因検索。
- 電気生理学的検査(EPS):起源同定とアブレーション治療計画。
📊 代表的な種類(頻脈/徐脈/不規則)
- 不規則: 心房細動、心房粗動(しばしば規則性あり)
- 頻脈: 発作性上室頻拍(AVNRT/AVRT)、心房頻拍、心室頻拍
- 徐脈: 洞不全症候群、房室ブロック
- 期外収縮: 上室性(PAC)、心室性(PVC)
- 遺伝性: WPW、QT延長、ブルガダなど
それぞれで治療目標(症状緩和、突然死予防、脳梗塞予防など)が異なり、個別化が重要です。
💊 治療の考え方(薬・アブレーション・デバイス)
薬物療法
- 抗不整脈薬: 発作抑制/再発予防(副作用と禁忌に配慮)。
アプリンジン(アスペノン) / アミオダロン(アンカロン) / ジソピラミド(リスモダン) / シベンゾリン(シベノール) / ソタロール(ソタコール) / ニフェカラント(シンビット) / ピルジカイニド(サンリズム) / フレカイニド(タンボコール) / プロパフェノン(プロノン) / ベプリジル(ベプリコール) / リドカイン(キシロカイン) - β遮断薬: レートコントロールに使用。
カルベジロール / アテノロール / プロプラノロール(インデラル) / メトプロロール(セロケン・ロプレソール) / ランジオロール(オノアクト) - Ca拮抗薬: 心拍コントロール・血圧調整。
アムロジピン / ニフェジピン / ベニジピン / シルニジピン / ニルバジピン / ジルチアゼム(ヘルベッサー) / ベラパミル(ワソラン) - 抗凝固療法: 心房細動の脳梗塞予防に。
ダビガトラン(プラザキサ) / リバーロキサバン(イグザレルト) / アピキサバン(エリキュース) / エドキサバン(リクシアナ) / ワルファリン - その他:
アデノシン三リン酸 / ジゴキシン
カテーテルアブレーション
- 頻拍の根治を目指す治療。適応は種類・重症度・合併症で判断。
- 合併症:血栓/出血/血管損傷/心タンポナーデ等(まれ)。
デバイス治療
- ペースメーカー(PM): 洞不全や高度房室ブロックなどの徐脈に。
- 植込み型除細動器(ICD)/CRT-D: 致死性不整脈や重症心不全の予防。
- 心臓再同期療法(CRT): 左脚ブロック等での同期不全に。
🌱 再発予防・生活の工夫(QOL)
- 誘因のコントロール: カフェイン・アルコール・過労・睡眠不足・脱水の是正。
- 運動: 主治医の許可範囲で有酸素+筋力トレーニング。
- 基礎疾患の管理: 高血圧・糖尿病・甲状腺・睡眠時無呼吸など。
- 服薬アドヒアランス: 抗凝固薬・抗不整脈薬は自己判断で中止しない。
🔄 フォローアップと緊急受診の目安
- 再診頻度: 症状・治療内容に応じて数週間〜数か月ごと。調整可。
- 再評価: 心電図、ホルター、心エコー、必要に応じて血液検査。
- デバイス: PM/ICD/CRTの遠隔モニタリング・定期チェック。
🏥 当院でできること(0th CLINIC 日本橋)
- 初期評価: 問診・身体診察、12誘導心電図、必要に応じて血液検査
- 記録機器の手配: ホルター心電図やイベントレコーダー
- 専門治療の連携: カテーテルアブレーション、PM/ICD/CRTの適応評価と提携病院紹介
- 抗凝固療法・薬物の調整: 効果・副作用・相互作用を確認し最適化
- 生活指導: 誘因コントロール、運動・睡眠・栄養の支援
❓ よくある質問(Q&A)
Q:動悸がある=必ず治療が必要?
症状の強さ、頻度、基礎心疾患の有無によって異なります。まずは心電図と発作記録で評価し、必要時に治療を検討します。
Q:カテーテルアブレーションは安全ですか?
多くのケースで有効ですが、出血・血栓・心タンポナーデなど稀な合併症があり、適応判断が重要です。専門施設と連携して最適解をご提案します。
Q:心房細動は放置しても大丈夫?
放置は脳梗塞や心不全のリスクがあります。抗凝固療法の適否評価と、心拍/リズムの管理が必要です。
Q:ペースメーカー/ICDは空港ゲートや家電に影響しますか?
多くは問題ありませんが、磁力の強い機器の近接など注意点があります。装置手帳の提示と、詳しい指導に従ってください。
ほかにも気になる点があれば、ご受診時にお気軽にお尋ねください。
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📚 不整脈・診断と治療に関する科学的根拠と外部リンク集
🔬 公的機関・国際機関
- NHS:Heart rhythm problems (arrhythmia)
- NHS:Atrial fibrillation(AF)
- ESC 患者向けガイド:Atrial Fibrillation(2024)
🏛 学会・専門団体ガイドライン
- 心房細動(AF): ESC 2024:AF ガイドライン / ACC/AHA/ACCP/HRS 2023:AF ガイドライン Hub (要点まとめ)
- 上室性頻拍(SVT, AVNRT/AVRT等): ESC 2019:SVT ガイドライン (Pocket 版)
- 徐脈・伝導障害: ACC/AHA/HRS 2018:徐脈・伝導障害ガイドライン
- 心室性不整脈・突然死予防(VA/SCD): ESC 2022:VA/SCD ガイドライン / AHA/ACC/HRS 2017:VA/SCD ガイドライン
📖 学術レビュー・教科書
🇯🇵 日本の公的情報・ガイドライン
- 日本循環器学会(JCS):ガイドライン一覧
- JCS/JHRS 2020:不整脈薬物治療ガイドライン(英語版/要旨) / JCS/JHRS 2021:非薬物療法(カテーテル/デバイス)Focused Update
🤝 参考:患者支援・生活の質(QOL)
これらのリンクは、心房細動(抗凝固・レート/リズム・アブレーション)/上室性頻拍(迷走神経刺激・アデノシン・アブレーション)/ 徐脈・伝導障害(ペースメーカー)/心室性不整脈(ICD/アブレーション/薬物)まで幅広くカバーする、公的・学会ガイドラインや 学術誌の一次情報です。個々の治療は症状・基礎心疾患・リスク評価・生活背景で異なります。実際の方針は最新ガイドラインと専門医の判断に基づき決定してください。
👨⚕️ 医師からのコメント・監修(不整脈)
「不整脈はすべてが危険というわけではありませんが、失神・胸痛・強い息切れを伴う発作や、 長時間の頻拍・極端な徐脈は緊急評価が必要です。診断は12誘導心電図・ホルター・心エコーを軸に、 発作の開始/終了・誘因の記録が鍵になります。
心房細動ではまず脳梗塞予防(CHA2DS2-VASc)の適応を見極め、症状・心機能・基礎疾患に応じて レートかリズム戦略を選択。SVTはアブレーションで根治が期待できる例が多く、 洞不全・房室ブロックではペースメーカー、心室性不整脈や心機能低下合併では ICD/CRTを検討します。患者さんの生活・職業・スポーツも踏まえ、 過不足のない治療強度を心がけます。」
0th CLINICでは初期評価・原因検索・リスク層別化(CHA2DS2-VASc/HAS-BLED、電解質・甲状腺など)を行い、
アブレーションやPM/ICD/CRTの適応は循環器専門施設と連携してスムーズにご案内します。
併せて薬剤相互作用・腎機能・出血リスクを確認し服薬を最適化、再発予防の生活指導や
デバイス遠隔モニタリングにも対応しています。
0th CLINIC 日本橋 院長/医学博士/日本病理学会認定 病理専門医/総合診療・救急科での診療歴10年以上
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