肩こりからくる頭痛かも?|受診の目安と原因別ガイド
肩こりからくる頭痛かも?
肩や首のこわばりと頭痛が同時にあると、緊張型頭痛が思い浮かびますが、実際には複数の原因が重なっていることも少なくありません。このページでは、緊張型だけに限定せずフラットに鑑別を紹介し、赤旗(危険サイン)と受診の目安、セルフケア、当院の対応をまとめました。
緊急性が高い可能性(赤旗)
次に当てはまる場合は救急受診を含めて至急ご相談ください。
- 突然の激しい頭痛(雷鳴頭痛)/今までで最悪の痛み
- 発熱・項部硬直、ろれつ不良、片側の麻痺・しびれ、視力低下/二重視
- 首の激痛や拍動性の頸部痛(頸動脈/椎骨動脈解離が疑わしい)
- 頭部外傷後、妊娠/産褥期、高齢で新規発症、がん/免疫不全、抗凝固療法中
→ 詳細は 赤旗チェック を参照。
原因別ガイド(代表例・フラット)
緊張型頭痛(筋緊張・姿勢)
- 両側性の締め付けるような鈍い痛み、肩・首のこわばり
- 長時間のPC作業・歯ぎしり・ストレスで増悪
- 軽い運動・ストレッチ・睡眠/環境の調整が有効なことも
顎関節症・歯科要因(咬筋緊張・噛みしめ)
- 朝のこめかみ痛、歯のしみ、顎のカクつき
- マウスピースや咀嚼筋リラックス訓練が有効なことも
眼精疲労(視力矯正・ドライアイ)
- 画面作業で前頭部〜眼周囲の鈍痛、肩こり
- 休憩リズム、作業距離、ブルーライト・照明の調整
頸椎症・神経根症(腕のしびれ/痛み)
- 首の運動で悪化、上肢の放散痛・しびれ
- 整形外科連携で評価(画像・理学療法 等)
高血圧・睡眠時無呼吸・自律神経
- 朝の頭痛、いびき・日中の眠気、血圧変動
- 生活習慣是正・必要時は専門連携
脳血管障害(まれだが見逃せない)
- 神経症状(麻痺・感覚異常・言語障害・複視)を伴えば緊急
- CT/MRIで精査が必要
※ 上記は代表例です。複数要因が重なることもあります。迷う場合は受診してご相談ください。
受診の目安と簡易フローチャート
まずは
- 赤旗があれば救急/至急受診
- 痛みの部位・性状(締め付け/拍動)・誘因(姿勢/PC/食いしばり)・持続時間をメモ
- 市販薬・処方薬・カフェイン量・睡眠/ストレス・運動習慣を整理
当院でできること
- 問診・神経/整形スクリーニング・咬筋触診・体位血圧
- 必要時:採血、提携機関でのCT/MRI手配
- 初期対応(鎮痛・筋緊張緩和・生活調整)と再発予防の設計
- 整形外科・耳鼻科・歯科口腔外科・神経内科など専門連携
初期セルフケア(安全域で)
姿勢・環境
- 机・椅子・モニターの高さを調整(肘・膝は約90°)
- 1時間に3〜5分のマイクロブレイク(肩回し/首ストレッチ/遠くを見る)
- 寝具の見直し(枕の高さ・硬さ)
生活・習慣
- 就寝/起床の時刻を安定化、飲酒を控えめに
- 噛みしめ対策:リラックス、歯科相談(必要時)
- 鎮痛薬の連用は回数管理(MOHを避ける)
※ 改善しない/悪化する/反復する場合は受診してください。薬の中止/増量は独断で行わないでください。