片頭痛(Migraine)|症状・診断・CT/MRI・治療薬・予防
片頭痛(Migraine)|症状・診断・CT/MRI適応・治療と予防
「痛みで仕事や学業に支障が出る」「市販薬が効かない」— 片頭痛は適切な診断と治療でコントロールが可能です。当院は症状評価 → 赤旗確認 → 必要最小限の検査 → 急性期治療 → 予防設計の順で、再発を減らす現実的な計画をご提案します。


片頭痛とは
拍動性の頭痛を特徴とする一次性頭痛の一つで、悪心・嘔吐、光・音過敏、におい過敏を伴うことがあります。発作は4〜72時間持続し、活動で悪化することが多いのが特徴です。女性に多く、睡眠不足、天候、ホルモン変動、ストレスや週末のリズム変化が誘因になります。
- 拍動性・中等度〜重度の痛み
- 日常動作で悪化しやすい
- 悪心・光音過敏を伴いやすい
視覚のギザギザ・チカチカ、感覚のしびれ、言語のもつれなど。発作前〜発作早期に30〜60分で消失することが多いです。
緊張型頭痛、群発頭痛、二次性頭痛(出血・感染・腫瘍・血管炎・薬剤関連)などを見分けます。
主な症状と前兆
- 片側(ときに両側)の拍動性頭痛、階段や歩行で増悪
- 悪心・嘔吐、光・音・においへの過敏
- 視覚前兆(閃輝暗点)、感覚・言語の一過性症状
- 発作後の倦怠・集中困難(後症状)
CT・MRIは必要?—「赤旗(危険サイン)」があれば検討
主な赤旗の例
- 突然発症・稲妻のような激痛(最悪の頭痛)
- 発熱・項部硬直・皮疹など感染を疑う所見
- けいれん、意識障害、進行する神経脱落症状
- 新規発症(特に50歳以上)やがん・免疫不全の既往
- 妊娠・産褥期、外傷後、抗凝固薬内服中
- 頭痛の性状が急に変わった/悪化が持続
診断と検査
国際頭痛分類(ICHD)の基準を参考に、発作の回数・持続時間・随伴症状・活動との関係・家族歴・誘因を整理します。身体診察・神経診察に加え、必要に応じて血圧・発熱・神経所見などを確認します。赤旗がなければ、画像検査は必須ではありません。
目的 | 検査例 | 実施の目安 |
---|---|---|
二次性頭痛の除外 | CT/MRI、採血(炎症・凝固など) | 赤旗あり、初発・性状変化、妊娠/産褥、外傷後など |
誘因・併存症の把握 | 睡眠、カフェイン、肩こり、ストレス評価 | 再発予防設計に反映 |
治療:急性期と予防の二本立て
1) 急性期治療(発作が来たら)
- 早期内服(前兆~痛み初期)と適正用量がポイント
- 選択肢:トリプタン系、CGRP受容体拮抗薬、鎮痛薬 など
- 悪心が強い場合は制吐薬の併用を検討
2) 予防療法(発作頻度や重症度を下げる)
- 月の発作日数・重症度・生活支障・急性期薬の使用過多を基に選択
- 選択肢:CGRP抗体薬、抗てんかん薬(例:バルプロ酸)、β遮断薬 等
- 定期フォローで有効性・副作用・目標達成度を確認
薬剤解説:エレヌマブ/リメゲパント/バルプロ酸ナトリウム
併用時の注意
急性期薬の過量使用は「薬剤過剰使用頭痛(MOH)」の原因になります。月の使用日数の上限や予防薬への切替を医師と相談しましょう。
再発予防と生活調整
睡眠・食事・運動の「時刻」をそろえる。週末の寝溜めは避ける。
光まぶしさ・音・におい・天候アプリなどトリガー管理を。
とりすぎ・断ちすぎの双方が誘因に。日中の上限を決める。
当日の診療の流れと費用目安
- 受付・問診(誘因・既往・薬歴・赤旗確認)
- 診察・神経学的評価(必要に応じて検査方針を相談)
- 治療計画(急性期薬/予防薬/生活調整)
- 処方・フォロー(効果と副作用の確認、再発予防)
項目 | 内容 | 目安 |
---|---|---|
初診料(保険) | 問診・診察 | 保険点数に準拠 |
検査(必要時) | 血液・画像 等 | 適応時にご案内 |
処方 | 急性期薬/予防薬 | 薬剤により異なる |
詳細:費用と保険適用
よくある質問(FAQ)
Q. 片頭痛でCTやMRIは毎回必要ですか?
A. いいえ。赤旗(危険サイン)がなければ必須ではありません。初発で激烈、発熱や神経症状を伴う、妊娠・外傷後などの場合は画像検査を検討します。
Q. 薬を飲むタイミングは?
A. 痛みが強くなる前の初期(前兆〜痛み初期)が目標です。悪心が強い場合は制吐薬の併用を相談してください。
Q. どのくらいで予防薬を考えますか?
A. 月の発作日数・生活支障・急性期薬の使用状況を見て判断します。頻回・重症・市販薬の多用がある場合は検討します。
Q. 天候や生理で悪化します。対策は?
A. 生活リズムの安定、睡眠衛生、カフェイン管理、トリガーの記録が有効です。必要に応じて予防薬を併用します。
さらに詳しいQ&A:片頭痛FAQ(詳細版)/関連コラム:天候・ホルモンと片頭痛、CT/MRIが必要なケース
👨⚕️ 医師からのコメント・監修

「片頭痛は、少しの痛みでも生活に支障をきたします。
だからこそ、症状のないうちから予防と管理に取り組むことが重要です。
検査データや生活背景まで丁寧に確認し、“納得して続けられる医療”を心がけています。」
0th CLINICの片頭痛治療では、生活スタイルにあわせた選択肢を複数選択できるように、忙しい現代人にも続けやすい医療設計を行っています。
未来の病気を防ぐ「未病医療」を、あなたの日常に無理なく取り入れていきましょう。
0th CLINIC 日本橋 院長
医学博士(心臓血管外科学)
日本病理学会認定 病理専門医/元外科専門医/プライマリケア認定医
総合診療・救急・心臓血管外科領域での診療経験10年以上
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