片頭痛の治療|急性期(トリプタン・ゲパント)と予防(CGRP抗体ほか)
片頭痛の治療|急性期(トリプタン・ゲパント)と予防(CGRP抗体ほか)
治療は①急性期(来た時にすぐ抑える)と②予防(来にくくする)の二本立て。早期・適正用量の内服と、再発を減らす予防の設計で日常生活の支障を最小化します。
急性期治療(発作時の対応)
基本戦略
- 早期内服:前兆〜痛み初期が最も有効
- 適正用量:不足は無効、過量は副作用やMOHに
- 制吐薬の併用:悪心が強い場合は吸収を改善
- 環境調整:暗室・休息・水分補給
よくあるつまずきと対処
- 「効かない」→ 投与タイミングが遅い/用量不足/別系統へ切替の検討
- 「再発する」→ 2回目投与の適切なタイミング/予防療法の併用
- 「副作用が気になる」→ 系統変更、制吐薬併用、非鎮静系の選択
薬剤ページ(詳細):
予防療法(発作頻度・重症度を下げる)
以下の状況では予防療法を検討します:発作が頻回/重症度が高い/急性期薬の使用過多/日常生活の支障が大きい など。
カテゴリー | 概要 | ポイント |
---|---|---|
CGRP関連 | CGRP抗体薬、CGRP阻害薬(内服) | 近年の選択肢。月1回注射や内服など、生活に合わせやすい。 |
抗てんかん薬 | バルプロ酸ナトリウム 等 | 有効例あり。妊娠計画や副作用に配慮。 |
循環器系 | β遮断薬 等 | 高血圧・動悸傾向がある場合の候補。 |
その他 | 三環系・SNRI 等 | 睡眠・気分の問題を併せ持つ時に検討。 |
設計のコツ
- 目標設定(発作日数・強度・QOL改善を数値化)
- 2–3か月で効果を判定、必要に応じて調整
- 副作用・相互作用を定期確認
短期予防(パルス)
月経関連など時期が予測できる場合は、前後の短期間のみ用いる方法を検討します。
薬剤過剰使用頭痛(MOH)を避ける
急性期薬の使用日数の多さは頭痛の慢性化に直結します。月の上限や予防療法への切替を、計画的に行います。
- 「効かない」からと回数を増やすのは逆効果 → 早期内服・系統変更を検討
- 症状日記で使用日数を管理(発作・服用・効果を記録)
- 減量が必要なときは計画を立てて実施
併存症・ライフステージに合わせた選択
悪心・嘔吐が強い
- 制吐薬の併用で吸収を改善
- 服用タイミングを前倒し(前兆〜初期)
めまい主体(前庭性)
- めまい誘発因子の管理(頭位・視覚刺激)
- 急性期薬+予防療法の併用を検討
睡眠・気分の問題が目立つ
- 睡眠衛生・生活リズムの是正
- 適応に応じて薬剤選択を工夫
月経関連
- 短期予防(パルス)戦略
- トリガー予測と早期内服
※妊娠・授乳・基礎疾患のある方は、選択できる薬や用い方が限られることがあります。診察でご相談ください。
当日の流れと費用目安
- 症状評価(発作頻度・強度・日常支障・薬使用状況)
- 治療計画(急性期の最適化+予防の要否)
- 処方・説明(目標設定・副作用・使用日数の上限)
- フォロー(2–3か月で効果判定、必要時に調整)
項目 | 内容 | 目安 |
---|---|---|
初診料(保険) | 問診・診察 | 保険点数に準拠 |
検査(必要時) | 血液・画像 等 | 適応により異なる |
処方 | 急性期薬/予防薬 | 薬剤により異なる |
よくある質問(FAQ)
Q. 急性期薬はどのタイミングで飲むのが良い?
A. 前兆〜痛み初期のできるだけ早期が最も効果的です。悪心が強い場合は制吐薬の併用を検討します。
Q. 予防薬はどれくらいで効果がわかりますか?
A. 多くは2–3か月で効果を判定します。目標に達しない場合は調整や変更を行います。
Q. 市販薬でしのいでいますが大丈夫?
A. 使用日数が多いとMOHの原因になります。回数が増えている場合は受診して治療計画を見直しましょう。
👨⚕️ 医師からのコメント・監修

「片頭痛は、少しの痛みでも生活に支障をきたします。
だからこそ、症状のないうちから予防と管理に取り組むことが重要です。
検査データや生活背景まで丁寧に確認し、“納得して続けられる医療”を心がけています。」
0th CLINICの片頭痛治療では、生活スタイルにあわせた選択肢を複数選択できるように、忙しい現代人にも続けやすい医療設計を行っています。
未来の病気を防ぐ「未病医療」を、あなたの日常に無理なく取り入れていきましょう。
監修:黒田 揮志夫 医師(病理専門医/外科病理医)
0th CLINIC 日本橋 院長
医学博士(心臓血管外科学)
日本病理学会認定 病理専門医/元外科専門医/プライマリケア認定医
総合診療・救急・心臓血管外科領域での診療経験10年以上
0th CLINIC 日本橋 院長
医学博士(心臓血管外科学)
日本病理学会認定 病理専門医/元外科専門医/プライマリケア認定医
総合診療・救急・心臓血管外科領域での診療経験10年以上
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