片頭痛の症状|前兆・吐き気・光過敏・めまい|
片頭痛の症状|前兆・吐き気・光過敏・めまい
片頭痛は拍動性の痛みに加え、悪心・嘔吐・光/音/におい過敏、ときに前兆(オーラ)を伴います。症状は「前駆期→前兆→頭痛期→回復期」と移行し、フェーズごとに対策が異なります。
症状の4フェーズ(個人差あり)
① 前駆期(数時間〜数日)
この段階でのリズム是正・水分補給・仮眠が有効なことも。
② 前兆(オーラ)(5〜60分) ※ない人も多い
視覚(ギザギザ・チカチカ)、感覚(しびれ)、言語(ことばが出にくい)など。通常は可逆的に消失します。
③ 頭痛期(4〜72時間)
片側(時に両側)の拍動性・中等度〜重度の痛み。活動で増悪し、悪心/嘔吐、光・音・におい過敏を伴いやすい。
④ 回復期(数時間〜1日)
疲労感、集中困難、気分の落ち込みなど。無理をせず回復を待ちます。
片頭痛の中核症状
- 拍動性頭痛(階段・歩行・運動で悪化)
- 悪心・嘔吐(制吐薬の併用が有効なことも)
- 感覚過敏:光(まぶしい)・音(うるさい)・におい(気持ち悪い)
- 生活支障:仕事・学業・家事に影響(HIT-6/MIDASなどの尺度で評価)
急性期の薬は早期・適正用量が鍵です → 治療(急性期/予防)
前兆(オーラ)のタイプ
ギザギザ・チカチカ・暗点・ジグザグ線が見える。視野の一部が欠ける。
片側の口/手のしびれが広がる。ピリピリ感。
ことばが出にくい・言い間違える(失語様)。
随伴症状と日常への影響
- めまい・ふらつき・乗り物酔い
- 頸部痛・肩こり・顎関節の不調
- 集中困難・疲労・眠気・不眠
- 光・音・におい・触覚の過敏
仕事・学業への影響を減らすコツ
- 発作の予兆を掴む(前駆期サイン)
- 早期内服(前兆〜痛み初期)
- デスクの光量調整・休憩・水分
- 生活リズム最適化と予防療法の検討
前庭性(めまい)片頭痛
数分〜数時間の回転性めまい・浮動感・頭動で悪化する不快感を、片頭痛の既往/家族歴や光過敏などと併せ持つタイプ。聴力障害が強い場合はメニエール病なども鑑別します。
めまい中心の方は:症状ページ:めまい・ふらつき → 評価後に最適な治療を提案します。
月経関連片頭痛
月経前後のホルモン変化で悪化。急性期薬の早期内服+短期予防(パルス)や予防療法を検討します。
個別の薬剤選択は診察でご相談ください → 治療
鑑別:片頭痛と間違えやすい頭痛
疾患 | 特徴 | 受診・検査 |
---|---|---|
緊張型頭痛 | 締め付け・両側・軽〜中等度。肩こり・姿勢不良と関連。 | 神経所見がなければ保存的。必要に応じて生活改善と内服。 |
群発頭痛 | 一側眼窩周囲の激痛。涙・鼻汁・眼充血等の自律神経症状。夜間に多い。 | 片頭痛と治療が異なるため早期受診。酸素療法等を検討。 |
副鼻腔炎 | 顔面圧迫感・前屈で増悪・膿性鼻汁。 | 耳鼻科的評価。感染兆候があれば抗菌薬等。 |
頸性頭痛 | 頸部可動で誘発・圧痛。長時間PC作業で悪化。 | 理学療法・生活指導を併用。 |
眼疾患(急性緑内障など) | 眼痛・視力低下・虹視。 | 緊急眼科受診。 |
迷う時は当院で評価し、必要時は専門診療科と連携します。
赤旗(危険サイン)と受診の目安
- 突然の激烈な頭痛(人生最悪の痛み)
- 発熱・項部硬直・皮疹など感染兆候
- 神経脱落症状(麻痺・しびれの持続・ろれつ不良・視力障害)
- 新規発症(特に50歳以降)・がん/免疫不全の既往
- 妊娠・産褥期、外傷後、抗凝固薬内服中
- 頭痛の性状が急に変化、徐々に悪化し続ける
赤旗の解説とCT/MRIの目安 → 診断と検査
症状日記テンプレ(無料で使えます)
記録欄(例)
- 日付/開始時刻/持続時間
- 痛みの強さ(0〜10)・拍動性の有無
- 前駆期サイン(あくび・倦怠・頸部こり など)
- 前兆(視覚・感覚・言語/持続分)
- 随伴症状(悪心・嘔吐・光/音/におい過敏・めまい)
- 想定トリガー(睡眠・カフェイン・天候・ストレス・姿勢)
- 内服(薬剤名・用量・開始タイミング・効果・副作用)
記録は治療選択に直結します。次回受診時にご提示ください。
よくある質問(FAQ)
Q. 片頭痛で必ず前兆は出ますか?
A. 前兆はない方が多数です。ある場合も通常は5〜60分で可逆的に改善します。
Q. 痛みが出たらすぐ薬を飲んでも良い?
A. はい。痛みが強くなる前(前兆〜痛み初期)に適正用量で内服するのが最も効果的です。
Q. めまいが主で、頭痛は軽いのですが片頭痛ですか?
A. 前庭性片頭痛の可能性があります。耳鼻科疾患などの鑑別も含めて評価します。
👨⚕️ 医師からのコメント・監修

「片頭痛は、少しの痛みでも生活に支障をきたします。
だからこそ、症状のないうちから予防と管理に取り組むことが重要です。
検査データや生活背景まで丁寧に確認し、“納得して続けられる医療”を心がけています。」
0th CLINICの片頭痛治療では、生活スタイルにあわせた選択肢を複数選択できるように、忙しい現代人にも続けやすい医療設計を行っています。
未来の病気を防ぐ「未病医療」を、あなたの日常に無理なく取り入れていきましょう。
0th CLINIC 日本橋 院長
医学博士(心臓血管外科学)
日本病理学会認定 病理専門医/元外科専門医/プライマリケア認定医
総合診療・救急・心臓血管外科領域での診療経験10年以上
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