スマトリプタン(トリプタン系)|効き方・飲み方・注意点
スマトリプタン(トリプタン系)
片頭痛の急性期に用いる代表的なお薬です。三叉神経血管系に作用して痛みと吐き気・光過敏などを和らげます。前兆〜痛み初期の早い段階での内服がポイントです。
概要(効き方・位置づけ)
- 分類 トリプタン系(5-HT1B/1D作動薬)
- 効き方 脳硬膜血管の過度な拡張を抑え、三叉神経からの炎症性ペプチド放出を抑制
- 使う場面 片頭痛の急性期(発作時)。予防薬ではありません
- 比較 他の選択肢:ジタン系/ゲパント系
※ 医師の判断のもとで処方します。ここでは一般的な情報を示しています。
剤形・用量
剤形 | 特徴 | 用量の例 |
---|---|---|
内服(錠/口腔内崩壊) | 携帯しやすい。悪心が強いと吸収遅延あり | 痛み初期に1回1錠。必要に応じ2回目を検討(医師指示) |
点鼻 | 吐き気が強い時に選択。比較的速やかな吸収 | 片側噴霧×1回。再投与は間隔を空ける |
皮下注 | 発現が速い。重度例や嘔吐時に | 医師の指示に従う(自己注含む) |
※ 国内採用剤形は医療機関・時期により異なります。院内でご案内します。
飲み方・タイミング
基本
- 前兆〜痛み初期にできるだけ早く
- 悪心・嘔吐がある場合は制吐薬を併用
- 2回目が必要な場合は医師の指示に従う
効きが弱い時の見直し
- 服用タイミングが遅くないか
- 用量・剤形の見直し(点鼻/皮下注)
- 別系統(ゲパント等)への切替
禁忌・注意が必要な方
重篤な副作用を避けるため、以下に該当する方は使用できない/慎重投与となる場合があります。
- 虚血性心疾患・脳血管障害の既往
- 未治療または重度の高血圧
- 重篤な肝障害 ほか
- エルゴタミン製剤との同時使用不可
- 他のトリプタンとの近接投与に注意
- SSRI/SNRI等との併用でセロトニン症候群に注意
※ 詳細は診察時に既往歴・服薬歴を確認し、適否を判断します。
相互作用
- エルゴタミン/ジヒドロエルゴタミン:併用禁忌(一定時間の間隔が必要)
- 他のトリプタン:近接投与を避ける
- SSRI/SNRI/MAOI など:セロトニン症候群に注意
主な副作用
比較的よくあるもの
- 吐き気、眠気、めまい、倦怠感
- 胸部圧迫感・ほてり・しびれ感(多くは一過性)
稀だが重篤なもの
- 冠攣縮・心筋虚血、脳血管障害
- セロトニン症候群(発熱・興奮・筋硬直等)
異常を感じた場合は使用を中止し、医療機関へご相談ください。
運転・妊娠/授乳・生活上の注意
運転・作業
- 眠気・めまいが出る場合あり。服用後の運転や危険作業は控える
妊娠・授乳
- 妊娠/授乳中は必ず医師に相談(状況に応じて選択肢を検討)
トリガー管理・生活調整は → 再発予防と生活調整
薬剤過剰使用頭痛(MOH)を避ける
使用日数が多すぎると頭痛が慢性化しやすくなります。月の上限や予防療法への切替を一緒に検討します。
- 「効かない」時は回数を増やすよりタイミングと系統を見直す
- 症状日記で服用回数・効果を記録 → テンプレ
治療全体は → 片頭痛の治療
費用感(目安)
薬価・日数・剤形で変動します。自己負担は数百〜数千円台のことが多いです(保険診療内)。詳しくは受診時にご案内します。
関連リンク
- 症状:片頭痛の症状/原因とメカニズム
- 診断:診断と検査(赤旗・CT/MRI)
- 治療:急性期・予防の使い分け/再発予防
- 他の薬剤:ラスミジタン/ウブロゲパント/エレヌマブ
よくある質問(FAQ)
Q. どのタイミングで飲むのが一番効きますか?
A. 前兆〜痛み初期が最も有効です。悪心が強い場合は制吐薬の併用を検討します。
Q. 2回目はいつ飲めますか?
A. 医師の指示に従ってください。近接投与や他トリプタンとの切替には間隔が必要です。
Q. 胸の圧迫感が出て不安です。
A. 一過性のこともありますが、強い痛みや呼吸苦を伴う場合は使用を中止し受診してください。
Q. 妊娠・授乳中でも使えますか?
A. 個別に安全性を確認して判断します。必ず事前にご相談ください。
👨⚕️ 医師からのコメント・監修

「片頭痛は、少しの痛みでも生活に支障をきたします。
だからこそ、症状のないうちから予防と管理に取り組むことが重要です。
検査データや生活背景まで丁寧に確認し、“納得して続けられる医療”を心がけています。」
0th CLINICの片頭痛治療では、生活スタイルにあわせた選択肢を複数選択できるように、忙しい現代人にも続けやすい医療設計を行っています。
未来の病気を防ぐ「未病医療」を、あなたの日常に無理なく取り入れていきましょう。
監修:黒田 揮志夫 医師(病理専門医/外科病理医)
0th CLINIC 日本橋 院長
医学博士(心臓血管外科学)
日本病理学会認定 病理専門医/元外科専門医/プライマリケア認定医
総合診療・救急・心臓血管外科領域での診療経験10年以上
0th CLINIC 日本橋 院長
医学博士(心臓血管外科学)
日本病理学会認定 病理専門医/元外科専門医/プライマリケア認定医
総合診療・救急・心臓血管外科領域での診療経験10年以上
関連コラム
ただいま準備中です。少々お待ちください。