コラム
インフルエンザの「ワクチン」と「予防内服」、どう使い分ける?
インフルエンザの「ワクチン」と「予防内服」、どう使い分ける?
予防の基本はワクチン。一方で、家庭・職場・受験などで曝露の可能性が高い場面は、医師の判断で予防内服(化学予防)を検討します。対象と時期の考え方をケース別に整理しました。
ワクチンと予防内服の違い
| 項目 | ワクチン(季節前〜流行期) | 予防内服(化学予防) |
|---|---|---|
| 目的 | 重症化や発症リスクの低減を目指す | 濃厚接触等での発症リスク低減を目指す |
| 使う場面 | 流行前〜流行期に計画的に接種 | 家族/職場での曝露が疑われるとき等、医師が適応を判断 |
| 期間の考え方 | シーズン全体を見据えて接種 | 曝露後早期から一定期間の内服 |
| 注意点 | 副反応や接種時期を考慮し個別に判断 | 適応・禁忌・副作用を確認し、自己判断での服用は避ける |
※いずれも効果には個人差があり、結果を保証するものではありません。
ケース別の考え方(例)
- 家庭内に発症者:高齢者・基礎疾患・受験生など、リスクや事情に応じて予防内服を検討。ワクチンは基本。
- 職場クラスター懸念:曝露レベルと役割(欠勤リスク)に応じ個別判断。マスク・手指衛生・換気を徹底。
- 受験/大会:時期と曝露状況で判断。短期的な予防内服は使用期間や副作用も説明の上で検討。
- 医療・介護従事者:ワクチン接種を基本に、曝露時の化学予防は職場方針と医師判断を併用。
※具体的な適応は診察・既往・同居状況等を総合して医師が判断します。
受診の流れ
よくある質問
ワクチンと予防内服は併用できますか?
目的が異なるため、状況により併用することがあります。適応や服用期間は医師が個別に判断します。
予防内服は誰でも使えますか?
禁忌・相互作用・副作用の観点から、年齢・基礎疾患・服薬歴を確認し適応を決めます。自己判断での服用は避けてください。
接種や内服のタイミングは?
接種は流行前〜流行期の早めが推奨されます。予防内服は曝露後の早期開始が目安ですが、症状や状況により異なります。
まずは適応の確認から
インフルエンザ対策は、ワクチン接種を基本に、家庭や職場の状況に合わせて 予防内服を検討します。自己判断ではなく、医師の診察で安全に進めましょう。
※本記事は一般的な医療情報であり、診断・効果を保証するものではありません。実施の可否や内容は診察と医師の判断に基づきます。
