テストステロンエナント酸エステル(テスチノンデポー)

💉 テストステロンエナント酸エステルとは(基本情報)

テストステロンエナント酸エステル(テスチノンデポー) ▲ テストステロンエナント酸エステル筋注製剤

テストステロンエナント酸エステルは、男性ホルモン(テストステロン)の持続型注射剤で、主に男性ホルモン補充療法(TRT)や性腺機能低下症の治療に使用されます。
筋肉内に注射すると、数日から2週間以上にわたって血中濃度を維持する長時間作用型の特徴があります。

項目 内容
一般名 テストステロンエナント酸エステル(Testosterone Enanthate)
剤形 筋肉注射剤(油性製剤)
適応症 性腺機能低下症、男性更年期障害(LOH症候群)、遺伝性低テストステロン血症 など
保険適用 ○(症状・診断により保険診療可)
特徴
  • 長期間にわたるテストステロン補充効果
  • 注射頻度は2〜4週ごとが一般的
  • 性欲・筋力・集中力・活力の改善が期待される

● 副反応として、皮脂の増加・にきび・軽度の浮腫がみられることがあります。
● 血液検査で赤血球増多や前立腺関連マーカーのチェックが必要です。
● 自己注射は推奨されておらず、医師の管理下での投与が原則です。

✅ テストステロン補充は、適切な診断と経過観察を伴う安全な医療介入として、多くの男性に活力とQOLの改善をもたらします。
疲れや集中力低下、性機能の低下などを感じる方は、お気軽にご相談ください。

💡 テストステロンエナント酸エステル注射の作用と使い方

■ 男性ホルモン補充療法(TRT)の中心的治療薬

テストステロンエナント酸エステルは、男性ホルモン(テストステロン)の補充に用いられる注射薬です。
特に加齢に伴う男性更年期症状(LOH症候群)や性腺機能低下症の治療に広く使われています。

■ 数週間ごとの注射でホルモンを安定化

テストステロンエナント酸エステルは油性製剤で、筋肉内に注射することで徐々に血中へ放出されます。
通常は2〜4週間ごとに注射を行い、性欲・活力・集中力・筋力の改善を目指します。

■ 投与法と投与量の目安

● 一般的には、テストステロンエナント酸エステル 125〜250mgを筋肉注射します(患者の状態に応じ調整)。
● 定期的な血液検査で、血中テストステロン濃度や赤血球・肝機能・前立腺マーカーなどをチェックします。

■ 特徴と治療中の注意点

● 注射直後に皮脂の増加やニキビ、軽度のむくみを感じることがあります。
● 長期使用により、赤血球増多や前立腺肥大のリスクが上がる可能性があります。
自己判断での中断・変更は避け、必ず医師の指導のもとで管理してください。

✅ テストステロン補充療法は、適切な診断と医師の管理下で行えば安全で効果的な治療法です。
倦怠感・性欲低下・筋力低下などのお悩みがある方は、ぜひ一度ご相談ください。

⚠ テストステロンエナント酸エステル注射の注意点

テストステロンエナント酸エステル(テストステロンエナンセート)は、男性ホルモン補充療法(TRT)の中心的な注射剤です。
安定した血中濃度を維持しやすい反面、投与に際してはいくつかの副反応や注意事項が存在します。

🔵 重要な注意点:
注射後、数日以内に皮脂の増加・にきび・軽度のむくみや気分変動が見られることがあります。
特に治療開始初期高用量投与時に多いため、経過観察と定期検査が重要です。

  • 自己判断での中断・増量・間隔変更は厳禁(ホルモンバランスが乱れるリスク)
  • 前立腺疾患や赤血球増多の既往がある場合は慎重投与(PSAやHtの定期モニタリング)
  • 注射後に一時的な気分の高揚・イライラが見られる場合があり、症状に応じて投与量調整
  • 注射部位に疼痛・硬結が出ることがあり、筋肉量の多い部位(臀部・大腿)へ深部注射が推奨されます
  • 長期投与では定期的な血液検査(テストステロン値・赤血球数・肝機能・脂質など)が必要です

💉 更年期障害に用いるテストステロン製剤の比較

男性更年期障害(LOH症候群)では、不足したテストステロンを補う治療(TRT)が行われます。
使用される製剤には、注射・貼付・塗布・内服などがあり、それぞれに特徴と利点・欠点があります。
以下は、主なテストステロン補充製剤の比較表です。

項目 テストステロン注射
(エナント酸エステル等)
テストステロン塗布剤
(グローミン®など)
テストステロンパッチ
(海外製品中心)
剤形 筋肉注射(2〜4週ごと) 外用薬(1日1〜2回、皮膚に塗布) 貼付剤(1日1回貼付)
効果の持続性 ◎ 長時間持続し血中濃度が安定 △ 毎日の使用が必要 △ 剥がれやかぶれの懸念あり
即効性 ◎ 効果を実感しやすい ○ 穏やかに効く ○ 持続的に作用
副作用・注意点 赤血球増多・肝機能変化・にきびなど
血中濃度の上昇変動に注意
接触部位の皮膚炎・女性や子供への接触に注意 貼付部位のかゆみ・赤み・剥がれやすさ
使用のしやすさ △ 医療機関での注射が必要 ◎ 自宅で簡単に使用可能 ○ 自己管理可能だが皮膚に注意
日本での入手性 ○ 保険診療で使用可(診断基準あり)(注意) ○ 一部保険適用外(自由診療で多用) △ 一部海外製を個人輸入で使用

✅ テストステロン製剤はライフスタイル・通院頻度・副作用への配慮に応じて選択されます。
医師と相談のうえで、最適な補充方法を決定することが大切です。

 

⚠️ 現在のお知らせ:
国内におけるテストステロンエナンセート注射剤の供給が不安定な状況が続いております。
そのため、当院では安全性の確認された輸入製剤を用いた自由診療(自費)での対応となっております。
保険診療での投与は現在一時的に休止しておりますので、あらかじめご了承ください。

❓ テストステロンエナント酸エステル注射のQ&A(よくある質問)

Q. テストステロンエナント酸エステルとはどんな薬ですか?

A. テストステロンエナント酸エステルは、男性ホルモン(テストステロン)を補うための長時間作用型の注射薬です。主にLOH症候群(加齢性男性性腺機能低下症)や性腺機能低下症に用いられます。

Q. どのように投与されますか?

A. 通常、2〜4週に1回、筋肉注射で投与されます。患者さんの症状や血中ホルモン値に応じて、投与間隔や用量が調整されます。

Q. 注射後に副反応はありますか?

A. 一時的に皮脂分泌の増加・にきび・むくみ・気分の変動などがみられることがあります。まれに赤血球増多や前立腺肥大などの影響もあるため、定期的な血液検査が必要です。

Q. 治療中に気をつけることはありますか?

A. 自己判断での中断や増量は避け、定期的に血中テストステロン値・前立腺マーカー(PSA)・赤血球数などを確認します。副作用や違和感がある場合はすぐにご相談ください。

Q. 自費診療になりますか?

A. 現在、国内での製剤供給が不安定なため、当院では安全性の確認された輸入製剤による自費診療を行っています。保険診療は一時休止中です。料金や治療内容については初診時にご説明いたします。

Q. どのような効果が期待できますか?

A. 性欲の回復、筋力や活力の向上、集中力や気分の改善などが報告されています。効果の現れ方には個人差があり、複数回の投与で徐々に実感されることが多いです。

💉 テストステロンエナント酸エステル補充療法の国際的使用とエビデンス

■ 国際的な使用状況

テストステロンエナント酸エステル(Testosterone Enanthate)は、加齢男性性腺機能低下症(LOH症候群)や性腺機能低下症の治療に使用される長時間作用型の男性ホルモン補充剤です。

  • ● 欧米をはじめとする多くの国で、男性ホルモン補充療法(TRT)の標準的注射製剤として広く使用されています。
  • ● 通常は2~4週間に1回の筋肉注射により、血中テストステロン濃度を安定的に維持します。
  • ● 国内では一時供給不安の影響もあり、輸入製剤を用いた自由診療での対応が増加しています。

■ 臨床研究と使用上の注意点

  • ● TRTにより、性欲・筋力・活力・集中力・骨密度の改善が示されています。
  • ● 一方で、赤血球増多・肝機能変化・前立腺関連疾患への注意が必要です。
  • AUA(米国泌尿器科学会)2021ガイドラインでは、PSA・ヘマトクリット・血中テストステロン値の定期評価が推奨されています。

■ エビデンスの出典(代表例)

✅ テストステロン補充療法は、科学的根拠に基づいた治療法であり、生活の質(QOL)の向上に寄与します。
適切な診断とモニタリングのもとで、安全かつ効果的に治療を行うことが重要です。

💉 テストステロン補充療法に用いる注射剤の薬価と自己負担額

男性更年期障害(LOH症候群)や性腺機能低下症の治療には、長時間作用型テストステロン注射が使用されます。
代表的な製剤であるテスチノンデポー筋注用の薬価と3割負担での自己負担額の目安は以下の通りです。

■ 保険診療での薬価(2024年時点目安)

製剤名 薬価(単価) 用法例 薬剤費(3割負担)
テスチノンデポー筋注用 125mg 630円/管 2〜4週ごとに1回筋注 約189円/回
テスチノンデポー筋注用 250mg 1,147円/管 2〜4週ごとに1回筋注 約344円/回

■ 比較と注意点

  • ● 注射剤は月1回前後の頻度で済むため、通院回数を抑えた管理が可能です。
  • ● 保険診療で使用するには、診断基準を満たす必要があり、医師の判断のもとで投与されます
  • ● 現在、国内供給の不安定化により保険診療が一時休止されている場合もあります(当院は自費診療対応)。

✅ テストステロン注射剤の使用にあたっては、費用・通院頻度・供給状況を総合的に考慮し、医師と相談のうえで治療を選択することが大切です。

👨‍⚕️ 医師からのコメント・監修

テストステロンエナント酸エステル(テスチノンデポー)
「テストステロンの低下は、日常生活の活力や性機能、集中力にも大きく影響します。
エナンセート注射は、効果の実感が早く、継続しやすい補充療法として多くの患者さんに選ばれています。」

男性更年期に関する悩みは、我慢せずにご相談ください。
しっかりと検査を行い、ホルモンバランスを整えることで、人生の質を高めるお手伝いをしています。

監修:荘子 万可 医師
0th CLINIC
・泌尿器科専門医
・男性更年期・性機能障害に精通
・自由診療におけるTRT経験多数
テストステロンエナント酸エステル(テスチノンデポー)
「テストステロン補充療法は、診断・治療だけでなく、定期的な血液検査による安全管理が重要です。
しっかりとリスクを評価しながら、その人らしいパフォーマンスを最大限に引き出す治療を行っています。」

長く健康に活躍するためには、ホルモンバランスの最適化も欠かせません。
健康診断では気づかれにくい症状も、ぜひお気軽にご相談ください。

監修:黒田 揮志夫 医師(病理専門医/自由診療統括)
0th CLINIC 日本橋 院長
医学博士/TRT・疲労・ホルモン治療に精通
検査から治療まで一貫してサポート

関連コラム

    ただいま準備中です。少々お待ちください。