ワクチンと感染対策(IBD)|“免疫抑制中でも安心”連携型アプローチ

ワクチンと感染対策(IBD)|“免疫抑制中でも安心”連携型アプローチ|日本橋の消化器内科 0th CLINIC

ワクチンと感染対策(IBD)|“免疫抑制中でも安心”連携型アプローチ

当院には内視鏡設備はありません。点滴投与や入院を要する処置は連携医療機関で実施し、
当院はワクチン計画の設計・可否判定・紹介手配接種結果の確認薬剤調整・感染予防の助言再活性化/再感染のモニタリングまで一貫して伴走します。

高熱・呼吸苦・意識障害・重度脱水などの急性重症感染が疑われる場合は、救急連携を優先します。

接種は当院または連携先で実施/当院が計画設計・可否判定・手配・結果確認まで伴走
LINEで24時間受付 ※一部ワクチンは連携先での接種となります

概要(IBDのワクチンと感染対策の要点)

  • なぜ重要? IBDでは生物学的製剤・JAK阻害薬・ステロイド・チオプリン等で感染リスクが上昇。計画的なワクチン接種と感染対策で重症感染と中断を減らします。
  • 原則不活化ワクチンは原則いつでも接種可生ワクチンは中等度以上の免疫抑制中は原則禁忌で、開始前に前倒し接種を検討します。
  • 当院の役割接種歴・抗体の棚卸し必要ワクチンの設計可否判定・手配接種後の記録と次回計画、加えて結核/HBV/PJPのスクリーニングと予防までコーディネート。

免疫抑制と生ワクチンの原則

  • 生ワクチン(例:麻疹風疹・水痘/帯状疱疹・黄熱・経口チフス・ロタなど)は、中等度以上の免疫抑制中は原則禁忌
  • 前倒し接種免疫抑制開始の4週間以上前に生ワクチンを済ませるのが目安。終了後はおおむね3か月以上(薬剤により長め)空けて再検討。
  • 不活化ワクチン(インフルエンザ、肺炎球菌、COVID-19、HBV/HAV、破傷風/ジフテリア/百日咳、HPV、髄膜炎菌など)は投与中でも接種可ですが、開始前の接種が免疫原性の点で理想

推奨ワクチン(成人IBD:代表例)

  • インフルエンザ(不活化):毎年シーズン前に。
  • 肺炎球菌PCV系+PPSV系のシーケンス(自治体/年齢制度に準拠)。
  • COVID-19:最新の推奨スケジュールに追随(追加接種含む)。
  • HBV(B型肝炎)HBs抗原/抗体/コア抗体でスクリーニングし、陰性者は接種を検討。
  • HAV(A型肝炎):流行地域渡航やリスクがある場合に接種。
  • Td/Tdap(破傷風・ジフテリア・百日咳):10年ごとにブースター(百日咳含有の機会接種を推奨)。
  • HPV:定期接種の対象年齢・キャッチアップに準拠。
  • 帯状疱疹(不活化:リコンビナント)免疫抑制患者に推奨。生ワクチンは原則避ける。
  • MMR/水痘(生)免疫抑制前のみ。抗体陰性であれば前倒し接種を検討。
  • 髄膜炎菌/インフルエンザ菌b型/狂犬病/腸チフス等(主に渡航)目的地と滞在内容で選択(生ワクチンは可否要確認)。

タイミングと間隔の目安(簡易チャート)

  • 治療開始前:可能なら2–4週間前までに不活化4週間前までに生ワクチンを完了。
  • 治療中不活化は接種可。反応性が弱い可能性があるため記録保持と次回計画を徹底。
  • 治療終了後:生ワクチンは薬剤により少なくとも3か月(一部は6か月)空けて可否を再評価。
  • 同時接種:異なる不活化同士は同日可。生+不活化は多くが同日可(詳細は個別判断)。

感染対策(結核/HBV/PJP/生活・旅行)

  • 結核(TB):生物学的製剤/JAK前にIGRA+胸部画像でスクリーニング。潜在結核は予防内服を連携先と調整。
  • HBV再活性化HBsAg/Anti-HBs/Anti-HBcで層別化。キャリア/既感染ではウイルス量モニタリングや核酸アナログ予防を専門科と協議。
  • PJP(ニューモシスチス)高用量ステロイド併用や多剤免疫抑制では予防内服(SMX/TMP等)を検討。
  • 日常生活:手指衛生、混雑時のマスク、食中毒リスク(生肉・生卵・非加熱魚介)の回避、ペットの糞便処理は手袋着用。
  • 旅行:水/氷は密封飲料、屋台の非加熱生ものは回避。生ワクチンが必要な地域事前相談で代替策/証明書(渡航不可欠の時は医師書類)を検討。
  • 抗血栓薬や他薬剤:同時接種や予防内服の相互作用を確認し、再出血リスク・腎機能にも留意。

妊娠・授乳/小児/手術前後

  • 妊娠不活化は原則可(季節性インフルエンザ等)。生ワクチンは妊娠中禁忌のため妊娠前に計画。新生児が< u>胎内で生物学的製剤に曝露された場合、生ワクチンの接種時期を小児科で調整
  • 授乳:多くの不活化は可。薬剤暴露歴と赤ちゃんの接種可否は小児科と共有。
  • 小児IBD:定期接種を基本に、生ワクチンは免疫抑制前倒しが原則。
  • 手術前後:周術期は免疫応答が低下しやすく、不活化でも術前後は時期調整を行います。

連携フロー(当院が窓口となり伴走します)

  • 初診評価:接種歴・抗体価・治療計画(開始/増量/中止)を棚卸し、必要接種をリスト化
  • 可否判定:薬剤・病勢・妊娠/授乳などを踏まえ、生/不活化の可否と優先順位を決定
  • 接種手配:当院または連携先で予約・接種、記録を一元管理
  • 結果説明:副反応/効果判定、次回スケジュールの確定
  • フォロー:結核/HBV/PJPのモニタリング、流行状況や渡航に応じて追加更新

よくある質問

生物学的製剤やJAK阻害薬の治療中でもワクチンは受けられますか?
不活化ワクチンは原則可能です。免疫原性はやや低下することがあり、接種時期やブースター計画を個別に調整します。
生ワクチンは完全に禁止ですか?
中等度以上の免疫抑制中は原則禁忌です。開始前4週間以上空けての前倒し接種や、終了後一定期間を置いてからの可否再評価を行います。
帯状疱疹ワクチンはどちらを選べば?
不活化(リコンビナント)ワクチンを推奨します。生ワクチンは免疫抑制下では原則避けます。
渡航予定があります。何を準備すべき?
目的地により必要ワクチンが異なります。生ワクチンが必要な国では代替証明や時期調整が必要になるため、早めにご相談ください。
HBV再活性化が心配です。
治療前にHBsAg/Anti-HBs/Anti-HBcで層別化し、必要に応じ予防内服や厳密なモニタリングを行います。

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