NSAID胃炎(ロキソニン等)|原因・症状・治療・予防と受診の目安
NSAID胃炎(ロキソニン等)|原因・症状・治療・予防と受診の目安
「毎日ロキソニンを飲んでいるけど胃は大丈夫?」「胃薬は一緒に飲むべき?」——NSAIDsによる胃粘膜障害を、専門医がやさしく整理。受診のタイミングや検査、タケキャブ(ボノプラザン)やPPIなどの選択肢も解説します。
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NSAID胃炎とは(ロキソニン等で起こる胃粘膜障害)
ロキソニンなどのNSAIDsは、痛みや炎症を抑える一方で、胃を守るプロスタグランジンの産生を低下させ、胃粘膜が傷つきやすくなります。軽い胃痛・胸やけから、潰瘍・出血まで幅広い症状を引き起こすことがあります。
今日からできること
- なるべく食後に服用・十分な水で飲む
- 飲酒・空腹時服用を避ける、自己判断での増量はしない
- 症状が続く/悪化するなら早めに受診
起こしやすい人(リスク要因)
リスク要因 | 例 |
---|---|
既往歴 | 過去の胃・十二指腸潰瘍や消化管出血 |
年齢 | 65歳以上 |
併用薬 | 抗血小板薬・抗凝固薬・ステロイド・SSRI など |
用量/期間 | NSAIDsの高用量・長期使用 |
H. pylori | ピロリ菌感染が疑わしい/未評価 |
※ 一つでも当てはまる場合、胃を守る薬(PPI/ボノプラザン等)の併用や、薬の見直しを検討します。
主な症状(こんな時はご相談を)
- みぞおちの痛み・重さ、胸やけ・呑酸
- 食欲低下、胃もたれ、吐き気
- 鉄欠乏性貧血(ふらつき・動悸)
🚩 緊急受診を検討
- 黒色便・吐血、激しい腹痛
- 意識が遠のくような貧血症状
- 体重減少が続く/飲み込みづらい
診断・検査:必要なときに、必要なだけ
主な検査
- 上部消化管内視鏡(胃カメラ):胃炎・潰瘍・出血の確認、必要に応じて生検
- ピロリ菌検査:陽性なら除菌も検討
受診でできること
- 症状・服薬歴・併用薬の確認
- 胃薬(PPI/ボノプラザン/粘膜保護)の最適化
- NSAIDsの用量・代替の検討(処方元と連携)
治療:薬の見直し+胃を守る処方+ピロリ対応+生活
薬物療法の例
- タケキャブ(ボノプラザン):酸分泌を強力・安定に抑制
- PPI(オメプラゾール等):酸分泌抑制の標準治療
- H2ブロッカー:夜間症状や頓用の補助に
- 粘膜保護薬(レバミピド等):保護層強化の補助
生活の工夫
- できる限り食後服用・飲酒を控える
- 空腹時の鎮痛薬は避ける、自己増量しない
- 再発しやすい場合は、主治医と予防内服を相談
※ 併用薬・基礎疾患・妊娠/授乳などにより適した薬・用量は異なります。必ず医師にご相談ください。
再発予防(長くNSAIDsが必要な方へ)
- リスク(年齢・潰瘍歴・併用薬)を踏まえた予防的な胃薬併用
- ピロリ陽性なら除菌治療を検討
- NSAIDsの最小有効量・最短期間の使用、代替薬の相談
- 飲み忘れ・自己中断は避け、症状が再燃したら早期受診
よくある質問(FAQ)
ロキソニンは食前・食後どちら?
一般に食後が推奨です。空腹時は胃の負担が増えます。症状が続く、悪化する場合は受診してください。
タケキャブ(ボノプラザン)はNSAID胃炎の予防に有効?
酸分泌を強力・安定して抑える薬で、予防・治療に用いられることがあります。適応・用量は医師が個別に判断します。
胃カメラは必ず必要?
黒色便・吐血・貧血・体重減少などの警告症状がある場合、または症状が長引く/再発する場合は検討します。
ピロリ菌は関係ある?
ピロリ菌感染は潰瘍リスクを高めます。陽性なら除菌を検討します。
👉 科全体の質問は 消化器内科FAQ(100問) へ。薬固有のQは タケキャブFAQ をご参照ください。
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👨⚕️ 医師からのコメント・監修

「NSAIDsが欠かせない方ほど、潰瘍リスクの見極めと胃を守る処方が大切です。
生活や併用薬まで含め、安全で続けやすい計画をご一緒に設計します。」
監修:黒田 揮志夫 医師(病理専門医/総合診療医)/0th CLINIC 日本橋 院長
※本ページは一般情報です。診断・治療は医師の判断に基づいて行われます。緊急性が疑われる場合は至急受診/救急要請を。
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