チルゼパチド(マンジャロ)
💉 マンジャロとは(基本情報)

▲ マンジャロ皮下注ペン型製剤
マンジャロ(一般名:チルゼパチド)は、GIP/GLP-1受容体作動薬という新しい機序を持つ注射製剤です。
週1回の皮下注射で、糖尿病治療や肥満改善に大きな効果を示します。
項目 | 内容 |
---|---|
一般名 | チルゼパチド(Tirzepatide) |
剤形 | 皮下注射(ペン型) |
適応症 |
2型糖尿病、 肥満症(保険外適応・医師の判断による) |
保険適用 | ○(2型糖尿病のみ) |
特徴 |
GIPとGLP-1の2つのホルモン受容体に作用し、 食欲抑制・インスリン分泌促進・体重減少効果を発揮します。 臨床試験では平均15%以上の体重減少が報告されています。 |
● GLP-1単剤よりも高い減量効果を示すとされ、肥満治療の次世代薬として注目されています。
● 週1回の簡便な自己注射であり、継続しやすい点も大きなメリットです。
● 保険適用は2型糖尿病に限られますが、自由診療での肥満治療にも活用されています。
💉 マンジャロ(Mounjaro)とは(基本情報)
マンジャロは、GIP/GLP-1受容体作動薬(チルゼパチド)として、2型糖尿病や肥満症の治療に用いられる新しい注射薬です。
週1回の皮下注射で、血糖コントロールと体重減少の両方に高い効果が認められています。
■ 肥満症や生活習慣病管理における注目薬
チルゼパチドは、GLP-1単独作動薬と比較して体重減少効果が強く、
肥満に起因する疾患(高血圧・脂質異常症・糖尿病)の包括的管理にも期待されています。
■ 投与法と使用期間
● 週1回、皮下注射にて継続的に使用します。
● 初期用量は2.5mgから開始し、効果と副作用を見ながら最大15mgまで段階的に増量されます。
● 長期管理薬であり、医師の管理下で継続投与が必要です。
■ 心血管・代謝系への多面的効果
血糖コントロールだけでなく、体重・血圧・インスリン抵抗性の改善が報告されています。
心血管疾患リスクの高い患者に対する予防効果も現在研究が進行中です。
■ 副作用と注意点
● 主な副作用には、吐き気・嘔吐・下痢・便秘・食欲不振などの消化器症状があります。
● 低血糖は他の糖尿病薬と併用時に注意が必要です。
● 甲状腺髄様がんの既往がある方、多発性内分泌腫瘍症候群(MEN2型)の方は禁忌です。
● 妊娠中・授乳中は使用できません。
✅ マンジャロは次世代型のGLP-1/GIP受容体作動薬として、肥満・2型糖尿病の包括的治療において高い効果を発揮します。
用量調整や副作用管理が重要な薬剤のため、必ず医師の指導のもとで使用してください。
⚠️ マンジャロを安全に使うための大切なポイント
マンジャロ(Mounjaro)は、週に1回の注射で体重や血糖値の改善が期待できるお薬ですが、使用するうえで知っておいていただきたい注意点があります。
- 使い始めの1〜2週間は、吐き気・お腹の張り・便秘などの症状が出ることがあります。様子を見ながら、少しずつ体を慣らしていきましょう。
- インスリンなどの血糖を下げる薬を併用している方は、まれに低血糖を起こすことがあります。ふらつきや冷や汗などの症状に注意し、異変があればすぐにご連絡ください。
- 妊娠中・授乳中の方、または妊娠を予定されている方は、使用できません。必ず事前にご相談ください。
- ごくまれにすい臓や胆のうに負担がかかることがあります。強いお腹の痛みや背中の痛みがあるときは、すぐに医師に相談してください。
- 甲状腺にしこりがある方や、甲状腺のがんになったご家族がいる方は、この薬を使えない場合があります。必ずカウンセリングで教えてください。
✅ わからないことや、不安な症状があるときは、いつでもスタッフや医師にご相談ください。
正しく使えば、マンジャロは健康への強い味方になります。
💉 GLP-1受容体作動薬の比較:マンジャロ vs オゼンピック
GLP-1受容体作動薬は、糖尿病治療と肥満治療の両方に使用される注射薬です。
ここでは、現在注目されている「マンジャロ(チルゼパチド)」と「オゼンピック(セマグルチド)」の違いをわかりやすくまとめました。
項目 |
マンジャロ (Mounjaro®/チルゼパチド) |
オゼンピック (Ozempic®/セマグルチド) |
---|---|---|
分類 | GIP/GLP-1 受容体作動薬(デュアル) | GLP-1 受容体作動薬(単独) |
投与方法 | 週1回 皮下注射 | 週1回 皮下注射 |
適応症 | 2型糖尿病(日本) 肥満症(海外では承認済) |
2型糖尿病(日本) 肥満症(一部海外で承認) |
体重減少効果 | 非常に高い(平均15〜20%) | 中〜高程度(平均7〜12%) |
副作用 | 吐き気、便秘、食欲低下、下痢 | 吐き気、便秘、食欲低下、下痢 |
禁忌事項 |
・甲状腺髄様がんの既往または家族歴のある方 ・多発性内分泌腫瘍症候群(MEN2型) ・重度の胃腸運動障害 ・妊娠中・授乳中の方 |
・甲状腺髄様がんの既往または家族歴のある方 ・多発性内分泌腫瘍症候群(MEN2型) ・重度の胃腸運動障害 ・妊娠中・授乳中の方 |
保険適用 | 2型糖尿病では保険適用(肥満症は自費) | 2型糖尿病では保険適用(肥満症は自費) |
✅ 両剤とも高い効果が期待できる一方、体調や生活スタイル・安全性に合わせた選択が大切です。
医師と相談のうえ、ご自身に合った治療を選びましょう。
💉 マンジャロ(Mounjaro)の糖尿病治療におけるエビデンスと注意点
マンジャロ(一般名:チルゼパチド)は、GIP/GLP-1受容体作動薬として、2型糖尿病に対する新しい治療選択肢として登場しました。
血糖コントロールに加え、体重減少・インスリン抵抗性改善といった多面的効果が注目されています。
■ 臨床試験と注意点
- ● SURPASS試験群において、HbA1cの有意な改善(-2.3%)と平均体重減少(最大約15kg)が報告されています。
- ● 注射は週1回の皮下注射で、用量は段階的に増量(2.5→5→10→15mg)されます。
- ● 甲状腺髄様がんの既往または家族歴がある方、多発性内分泌腫瘍症候群(MEN2型)の方には禁忌です。
- ● 消化器症状(吐き気・便秘・下痢)は比較的高頻度に見られ、特に導入初期に注意が必要です。
- ● Frias JP et al., NEJM 2021 によると、既存のGLP-1薬(セマグルチド)よりも優れた効果が報告されています。
■ エビデンスの出典(代表例)
- ・Frias JP, et al. Tirzepatide versus Semaglutide in Type 2 Diabetes. NEJM. 2021
- ・Jastreboff AM, et al. Tirzepatide for the Treatment of Obesity. NEJM. 2022
- ・厚労省PMDA「マンジャロ添付文書(PDF)」
- ・American Diabetes Association (ADA) 2023 ガイドライン
✅ マンジャロは糖尿病治療と減量効果の両立が可能な革新的治療薬です。
一方で、禁忌・副作用・投与管理には注意が必要であり、医師の適切な評価と指導のもとで使用しましょう。
糖尿病治療におけるマンジャロの使用
💉 マンジャロとは?
マンジャロ(一般名:チルゼパチド)は、週1回注射する糖尿病治療薬です。
GLP-1受容体に加えてGIP受容体にも作用する「デュアルインクレチン製剤」であり、血糖値と体重の両方を改善する効果が期待されます。
🧪 臨床試験と効果
- ・SURPASS試験では、HbA1cの大幅な改善(平均 -2.3%)と体重減少(最大15kg以上)が報告されました。
- ・従来薬(オゼンピックなど)よりも血糖・体重両面で優れる結果が示されています。
⚠ 禁忌・注意点
- ・甲状腺髄様がんの既往または家族歴がある方
- ・多発性内分泌腫瘍症候群(MEN2型)
- ・妊娠中・授乳中の方
- ・導入初期には吐き気・便秘・下痢などの消化器症状が出やすいため、医師の指導が必要です
❓ よくある質問(Q&A)
Q. マンジャロはどのように使いますか?
Q. 体重も減りますか?
Q. 注射は痛いですか?
Q. 他の糖尿病薬と併用できますか?
🔗 関連リンク
食事・運動療法とあわせた体重管理について
血糖コントロールと合併症予防のために
💉 アテオスの使い方(3ステップ)
アテオスは針の取り付け、薬を混ぜるなどの準備が不要で、すぐに使える週1回の注射製剤です。以下の3ステップで簡単にご使用いただけます。
お使いいただく前に
緑色の印「🔒ロック」の位置にあることを確認してください。
※このときはまだ、ロックを解除しないでください。
① 灰色のキャップをはずす

- 灰色のキャップをまっすぐ引っ張って取り外します。
- キャップは使う直前まで取り外さないでください。
- 外したキャップは捨てるようにし、再装着はしないでください(破損の恐れあり)。
② 底面を皮膚にあて、ロックを解除

- 透明な底面を皮膚にしっかりと当てた状態で、緑の印「🔓ロック解除」方向に止まるまで回してロックを解除します。
- アテオスは垂直にしっかりあてることが重要です。
- 本体中央を強くつままないようご注意ください。
③ 注入ボタンをおす、そのまま待つ

- 紫の注入ボタンを押したまま保持します。
- 「カチッ」という音が2回聞こえたら、注射は完了です。
- 薬液の注入は長くても10秒以内に完了します。
- 透明な部分にピストンロッドが見えていれば、薬液注入は完了しています。
📺 操作動画(約1分)
引用元:https://jp.lilly.com/diabetes_consumer/assets/pdf/ld_patient/PP-TR-JP-1533.pdf
マンジャロ(チルゼパチド)の使いどころと特徴
週1回のGIP/GLP-1デュアル作動薬。患者さんの背景に応じて高齢の方や体重が少ない方で選択することがある一方、食欲低下・体重減少には丁寧なモニタリングが必要です。
- 高齢の患者さん・体重が少ない方で選ぶことがある:週1回でアドヒアランス向上、単剤・非SU/非インスリン併用では低血糖リスクが比較的低い点を評価。
- ただし減量効果が強い特徴があるため、やせ/フレイル傾向では2.5mg開始+“ゆっくり増量”を基本に、栄養・体重を密にフォロー。
- 腎機能低下例でも一般に用量調整不要。一方で消化器症状→脱水→腎機能悪化の連鎖に注意し、水分指導と検査フォローを併用。
※「体重が少ない方」には過度の体重減少を避ける方針で、食事量・体重・フレイル指標(歩行速度/握力/活動量など)を定期モニタリングします。
マンジャロの“特徴的な使い方”
食事と関係なく週1回。同じ曜日で継続性を確保。自己注が難しい場合は外来での看護師サポート投与も可。
通常2.5mg/週を4週間→忍容性を見て5mg→7.5→10→12.5→15mgへ。高齢・やせ型は各段階を長めに取る運用。
SU/インスリン併用時は低血糖回避のため事前減量を検討。SGLT2併用時は体液管理に留意。
急速なHbA1c改善で網膜症の一過性悪化に配慮。高リスクは眼科フォローを前倒し。
用量調整は一般に不要。嘔気・下痢などでの脱水回避と、腎機能・電解質の定期チェックは必須。
やせ/フレイルでは減量を目標にしない設計。十分なたんぱく質摂取と、レジスタンス+バランス訓練を併用。
実践Tips(安全性と運用)
- 増量は症状優先:悪心・食欲低下が強ければ増量を遅らせる/一段階戻す。我慢させて増やさない。
- ミスドーズ対応:予定日から4日(96時間)以内なら思い出した時に投与、4日超は次の予定日に再開。
- 胆嚢・膵の症状に注意:上腹部痛/背部放散・発熱・黄疸などは早期受診指示。
- 注射部位ローテーション:腹部・大腿・上腕で回し、皮下組織が薄い方は部位選択に配慮。
- 高齢で服薬負担を減らしたい(週1回)
- 低血糖を避けたい(SU/インスリン見直しの余地がある)
- CKD合併で用量調整を避けたい
- やせ/フレイルでさらなる体重減少が懸念される
- 持続する強い悪心・嘔吐など消化器症状
- 膵炎既往、胆石症状、甲状腺C細胞腫瘍/MEN2の既往・家族歴
※本記載は一般的な運用の一例です。用法
マンジャロ(一般名:チルゼパチド)は、週1回注射の糖尿病治療薬で、段階的に用量を増やしていくことで高い効果が期待されます。
✅ マンジャロは体重・血糖を同時に改善できる画期的な治療薬ですが、保険診療対象は原則「2型糖尿病」に限られます。
マンジャロ(一般名:チルゼパチド)は、週1回注射の糖尿病治療薬で、段階的に用量を増やしていくことで高い効果が期待されます。
✅ マンジャロは体重・血糖を同時に改善できる画期的な治療薬ですが、保険診療対象は原則「2型糖尿病」に限られます。
マンジャロ(チルゼパチド)は、糖尿病治療薬として開発された一方で、肥満症に対する顕著な体重減少効果が報告され、肥満治療薬としても世界的に注目されています。
マンジャロは週1回皮下注射で使用され、初回は2.5mgから始め、最低4週間ごとに2.5mgずつ増量し、最大15mgまで段階的に調整されます。
● 糖尿病合併例では血糖値と低血糖リスクの定期的なモニタリングが必要です。
✅ マンジャロは、肥満症に対する新しい注射治療の選択肢として、高いエビデンスを有しています。
私は外科・総合診療の経験をもとに、「見た目の変化」と「健康の質」双方を意識した治療方針を掲げています。
💉 マンジャロの薬価と自己負担について
以下は、各用量ごとの薬価と3割・1割負担時の自己負担額の目安です(2024年時点)。
■ 保険診療での薬価(2024年改定時点)
製剤名
薬価(1キット)
3割負担
1割負担
マンジャロ皮下注 2.5mg
1,924円
約577円
約192円
マンジャロ皮下注 5mg
3,848円
約1,154円
約385円
マンジャロ皮下注 7.5mg
5,772円
約1,731円
約577円
マンジャロ皮下注 10mg
7,696円
約2,309円
約770円
マンジャロ皮下注 12.5mg
9,620円
約2,886円
約962円
マンジャロ皮下注 15mg
11,544円
約3,463円
約1,154円
■ 自己負担の目安(外来使用)
肥満症を目的とした使用は自費診療となるため、事前に医師とご相談ください。
💉 マンジャロの薬価と自己負担について
以下は、各用量ごとの薬価と3割・1割負担時の自己負担額の目安です(2024年時点)。
■ 保険診療での薬価(2024年改定時点)
製剤名
薬価(1キット)
3割負担
1割負担
マンジャロ皮下注 2.5mg
1,924円
約577円
約192円
マンジャロ皮下注 5mg
3,848円
約1,154円
約385円
マンジャロ皮下注 7.5mg
5,772円
約1,731円
約577円
マンジャロ皮下注 10mg
7,696円
約2,309円
約770円
マンジャロ皮下注 12.5mg
9,620円
約2,886円
約962円
マンジャロ皮下注 15mg
11,544円
約3,463円
約1,154円
■ 自己負担の目安(外来使用)
肥満症を目的とした使用は自費診療となるため、事前に医師とご相談ください。
⚖ 肥満治療としてのマンジャロ(Mounjaro)
■ 国際的な臨床試験と有効性
■ 投与方法とモニタリング
減量目的の場合も、副作用を最小限に抑えつつ最小有効量で維持することが推奨されます。
● 糖尿病網膜症を有する方では、急速な血糖改善による悪化リスクがあるため、慎重な増量と観察が必要です。
■ 副作用と禁忌事項
■ 禁忌
ご希望の方は、医師と相談のうえ、保険適用の可否や治療の適応を判断してください。
👨⚕️ 医師からのコメント・監修
「マンジャロ(チルゼパチド)は、GLP-1とGIPの二重作用を持つ新世代の痩身注射です。
肥満は単なる美容の問題ではなく、糖尿病・高血圧・脂質異常症・脂肪肝など生活習慣病と密接に関係しており、医学的にアプローチする価値があります。」
自由診療においても、エビデンスに基づいた用量設計と副作用管理を徹底し、安全かつ効果的な体重管理をサポートしています。
0th CLINIC 日本橋 院長
日本病理学会認定 病理専門医/元外科専門医/代謝性疾患に関する診療経験多数
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