デュラグルチド（トルリシティ）

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💉 トルリシティとは（基本情報）

デュラグルチド（トルリシティ）

▲ トルリシティ皮下注ペン型製剤

トルリシティ（一般名：デュラグルチド）は、GLP-1受容体作動薬に分類される週1回の注射薬です。
2型糖尿病治療薬として保険適用があり、自己注射が苦手な方にも扱いやすい構造を備えています。

項目 内容
一般名 デュラグルチド（Dulaglutide）
剤形 皮下注射（ペン型、使い捨て）
適応症 2型糖尿病（単剤または他剤併用）
保険適用 ○（2型糖尿病）
特徴 週1回の投与で済み、専用の注射補助具が不要な簡単構造。
心血管疾患のリスク低減が期待されるエビデンスもあり、
インスリン未使用の糖尿病患者においても導入しやすい薬剤です。

● オゼンピックやマンジャロと同様、週1回のGLP-1治療として血糖コントロールに有効です。
● 投与法が簡便であるため、高齢者や注射に不慣れな方にも適しています。
● 体重減少効果はややマイルドですが、安全性の高い長期使用向け製剤として位置づけられています。

💉 トルリシティ（Trulicity）とは（基本情報）

トルリシティは、GLP-1受容体作動薬（デュラグルチド）として、2型糖尿病の治療に用いられる週1回の自己注射製剤です。
使い捨てのプレフィルド型ペンで、注射器を見ずに簡便に投与できるのが特長です。

■ 糖尿病治療における位置づけ

トルリシティは、血糖値の改善効果に加えて心血管疾患の予防効果も示されており、心血管リスクのある2型糖尿病患者に推奨される薬剤のひとつです。
肥満症単独での適応はありませんが、体重抑制効果も一部認められています。

■ 投与法と使用期間

● 週1回、自宅で皮下注射を行います（腹部・太ももなど）。
● 初期用量は0.75mg、必要に応じて1.5mg、3.0mg、最大4.5mgまで増量可能です（国内では最大1.5mgまで保険適用）。
● プレフィルド型のペン製剤で、ボタンを押すだけで投与が完了します。

■ 血糖コントロールと体重抑制効果

SUSTAIN・REWIND試験にて、HbA1cの改善とともに、体重減少（2〜4kg程度）や心血管イベントのリスク低減が報告されています。
低血糖のリスクが比較的低く、単剤治療でも効果が期待できます。

■ 副作用と注意点

● 主な副作用は、吐き気・便秘・下痢などの消化器症状です。
● まれに膵炎や腎機能障害が報告されています。
● 妊娠中・授乳中の使用は避けてください。
● 甲状腺疾患や消化管運動障害のある方は医師と相談してください。

✅ トルリシティは、週1回の簡便な投与と心血管保護効果を両立した、バランスの良い2型糖尿病治療薬です。
使用を継続することで、血糖と全身の健康リスクの両方を改善できます。

⚠️ トルリシティを安全に使うための大切なポイント

トルリシティ（Trulicity）は、週1回の自己注射で血糖コントロールに効果を発揮する薬剤ですが、使用に際して以下の点にご注意ください。

  • 開始初期には、吐き気・便秘・胃の不快感・下痢などの消化器症状が見られることがあります。
    多くは使用を継続することで自然に軽快します。
  • インスリンやSU薬との併用時には、低血糖のリスクがあります。
    ふらつき・空腹感・冷や汗があれば、速やかにブドウ糖や糖分を摂取してください。
  • 妊娠中・授乳中、または妊娠を希望される方は使用を控えてください。治療開始前に必ず医師にご相談ください。
  • 重度の胃腸障害（胃の動きが悪いなど）がある方は慎重な使用が求められます。症状がある場合は医師へお知らせください。
  • 膵炎・胆石・腎障害の既往がある方は注意が必要です。
    腹痛や背中の痛み、尿の異常などがあれば、すぐに医療機関を受診してください。

✅ トルリシティは、正しく使用することで糖尿病管理に有効な治療選択肢となります。
不安な点があれば、いつでも医師・スタッフへご相談ください。

💉 GLP-1受容体作動薬の比較：マンジャロ vs オゼンピック vs トルリシティ

GLP-1受容体作動薬は、糖尿病と肥満の両方にアプローチ可能な注射薬です。
ここでは現在注目されている マンジャロ（チルゼパチド）、 オゼンピック（セマグルチド）、 トルリシティ（デュラグルチド）の違いを比較します。

項目 マンジャロ
（Mounjaro®／チルゼパチド）		 オゼンピック
（Ozempic®／セマグルチド）		 トルリシティ
（Trulicity®／デュラグルチド）
分類 GIP/GLP-1 受容体作動薬（デュアル） GLP-1 受容体作動薬（単独） GLP-1 受容体作動薬（単独）
投与方法 週1回 皮下注射 週1回 皮下注射 週1回 皮下注射
適応症 2型糖尿病（日本）
肥満症（海外で承認）		 2型糖尿病（日本）
肥満症（海外で一部承認）		 2型糖尿病（日本）
（肥満には未承認）
体重減少効果 非常に高い（平均15〜20%） 中〜高程度（平均7〜12%） 低〜中程度（平均2〜5%）
副作用 吐き気、便秘、下痢、食欲低下 吐き気、便秘、下痢、食欲低下 吐き気、便秘、腹部不快感など
禁忌事項 ・甲状腺髄様がんの既往または家族歴
・MEN2型、多発性内分泌腫瘍症候群
・妊娠・授乳中、重度の胃腸障害 		・甲状腺髄様がんの既往または家族歴
・MEN2型、多発性内分泌腫瘍症候群
・妊娠・授乳中、重度の胃腸障害 		・甲状腺髄様がんの既往または家族歴
・MEN2型、多発性内分泌腫瘍症候群
・妊娠・授乳中、重度の胃腸障害
保険適用 2型糖尿病：保険適用
肥満症：自費診療		 2型糖尿病：保険適用
肥満症：自費診療		 2型糖尿病：保険適用
肥満症：適応外使用

✅ 各薬剤にはそれぞれの特徴があり、体重減少の強さ・副作用・コスト・利便性などを考慮して選択することが重要です。
医師と相談しながら、ご自身に最適な治療法を見つけましょう。

💉 トルリシティ（Trulicity）とは？有効性・安全性のエビデンス

トルリシティは、週1回投与のGLP-1受容体作動薬（一般名：デュラグルチド）で、2型糖尿病の治療薬として広く使用されています。
血糖値の改善に加え、心血管疾患リスクのある患者に対する予防効果も報告されています。

  • ● 自己注射による週1回の投与で、日常生活への負担が少なく継続しやすい設計です。
  • ● 投与量は0.75mgまたは1.5mgから開始され、必要に応じて増量されます（日本では最大1.5mgまで）。
  • ● REWIND試験では、心血管疾患の既往がない糖尿病患者も含め、心血管イベント抑制効果が示されました。
  • ● 消化器症状（吐き気・下痢・便秘）は比較的軽度で、継続投与で軽快することが多いとされています。
  • ● Gerstein HC et al., REWIND試験. Lancet 2019 にて、主要心血管イベント（MACE）リスクの低下が報告されています。

■ エビデンスの出典（代表例）

✅ トルリシティは2型糖尿病治療において心血管保護効果を有する選択肢であり、簡便な週1回投与が魅力です。
適切な管理のもと、安全に治療を継続していくことが重要です。

糖尿病治療におけるオゼンピックの使い方

糖尿病治療におけるトルリシティの使用

💉 トルリシティとは？

トルリシティ（一般名：デュラグルチド）は、週1回注射するGLP-1受容体作動薬です。
2型糖尿病治療薬として広く使われており、血糖コントロールの改善に加えて、心血管イベントの予防効果も報告されています。

🧪 臨床試験と効果

  • ・REWIND試験では、HbA1cの改善（-1.4%程度）と心血管イベント（MACE）の有意な抑制が示されています。
  • ・体重減少効果は軽度（1〜3kg程度）で、主に血糖改善と心血管保護に重きを置いた薬剤です。

👉 Lancet: REWIND試験（2019）

⚠ 禁忌・注意点

  • ・甲状腺髄様がんの既往または家族歴がある方
  • ・多発性内分泌腫瘍症候群（MEN2型）
  • ・妊娠中・授乳中の方
  • ・使用初期に吐き気・便秘・下痢などの軽い消化器症状が見られることがあります

❓ よくある質問（Q&A）

Q. トルリシティはどのように使いますか？
A. 週に1回、自宅で皮下注射します。通常は0.75mgから始め、1.5mgまで増量されます（日本国内）。
Q. 体重も減りますか？
A. 減少幅は比較的少なく1〜3kg程度とされますが、心血管保護や血糖改善に効果的です。
Q. 注射は痛いですか？
A. ペン型の自己注射で針が見えない設計になっており、痛みも少なく使いやすい構造です。
Q. 他の薬と併用できますか？
A. インスリンやSU薬との併用時は低血糖に注意が必要です。多くの糖尿病薬と併用が可能です。

💉 トルリシティの薬価と自己負担について

トルリシティ（一般名：デュラグルチド）は、週1回皮下注射のGLP-1受容体作動薬です。
以下は、2024年時点の薬価と、3割・1割負担時の患者様自己負担の目安です。

■ 保険診療での薬価（2024年改定時点）

製剤名 薬価（1キット） 3割負担 1割負担
トルリシティ皮下注 0.75mg 2,749円 約825円 約275円
トルリシティ皮下注 1.5mg 5,498円 約1,649円 約550円

■ 自己負担の目安（外来使用）

  • ● 3割負担の方： 約825〜1,649円／回
  • ● 1割負担（高齢者など）： 約275〜550円／回
  • ※ 初診料・管理料・検査費用・処方料などは別途発生します

✅ トルリシティは血糖コントロールに加え、心血管保護効果が証明された薬剤です。
2型糖尿病患者を対象とした保険診療で使用可能ですが、肥満症単独での使用は適応外となるためご注意ください。

👨‍⚕️ 医師からのコメント・監修

デュラグルチド（トルリシティ）
「トルリシティ（デュラグルチド）は、週1回の皮下注射で安定した血糖コントロールが得られるGLP-1受容体作動薬です。
特に高齢者や体重が少ない患者さんにも使用しやすく、安全性の高い治療選択肢として重宝しています。」

トルリシティは、用量調整の柔軟性や低血糖リスクの低さから、生活習慣の改善が難しい方や多剤併用中の方にも適応しやすい薬剤です。
患者様の年齢や体格に応じて、安全性と効果のバランスを見極めながら導入しています。

監修：黒田揮志夫 医師（病理専門医／元外科専門医）
0th CLINIC 日本橋 院長
日本病理学会認定 病理専門医／元外科専門医／慢性疾患・代謝疾患に関する診療経験多数

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