高浸透圧高血糖症(HHS)|救急受診の目安と初期対応・退院後の再発予防

高浸透圧高血糖症(HHS)|救急受診の目安と初期対応・退院後の再発予防|0th CLINIC 日本橋

高浸透圧高血糖症(HHS)|救急受診の目安と“つなぐ”初期対応

HHSは重度の高血糖脱水・高浸透圧で意識障害などを起こしうる救急疾患です。多くは入院での輸液・電解質補正・誘因治療が必要になります。

0th CLINIC 日本橋は入院設備がないため、「見逃さない」→「安全に高次医療へ」→「退院後に再発を防ぐ」を軸に支援します。

こんな状態は要注意
  • 強い口渇/水分が追いつかない
  • ふらつき・脱力・尿が極端に減る
  • ぼーっとする/言動が変
きっかけになりやすい
  • 感染症(発熱・咳・尿の痛み)
  • 脱水(下痢・嘔吐・摂取不足)
  • 薬剤(ステロイド等)/介護環境
大事なのは順番
  • まず循環(脱水)を安全に是正
  • 電解質(特にK)を管理
  • その後にインスリンを調整
【最優先】救急要請の目安
意識がもうろう/呼びかけに反応が鈍い/けいれん/強い脱水(立てない・尿が出ない)/呼吸が苦しい/胸痛がある場合は、迷わず119または救急外来へ。
※この状態で「まずクリニックへ来る」はおすすめしません。

HHSとは(Hyperosmolar Hyperglycemic State)

HHSは、極めて高い血糖により体から水分が失われ、脱水と高浸透圧が進行する状態です。 DKAと比べてケトンやアシドーシスが目立たないことが多い一方、高齢者・併存疾患の影響で重症化しやすく、入院管理が必要になることがあります。

このページは一般的な情報提供です。症状が強い場合は自己判断せず、救急受診を優先してください。

受診の目安:まず“どこへ行くか”を決める

今すぐ救急(119 / 救急外来)

  • 意識がもうろう/受け答えが変
  • 立てない、尿がほとんど出ない
  • 強い脱水(皮膚乾燥、冷汗、動悸)
  • けいれん、呼吸苦、胸痛

救急ほどではないが“当日評価”が望ましい

  • 強い口渇・多尿が続く、体重が急に落ちた
  • 発熱・咳・尿路症状など誘因がある
  • 血糖が高い状態が続く(測定できる方)
  • 食事や水分が取れていない(下痢・嘔吐など)

※症状が増悪する場合は救急へ切り替えてください。

自宅での“やってよいこと”は最小限に。
意識がはっきりしていて飲める場合に限り、糖分を含まない水分を少量ずつ。運動は避け、薬の追加・自己調整は行わず、早めに医療機関へ。

0th CLINIC(外来)でできること:HHSを“見逃さず、つなぐ”

① トリアージ(緊急度判定)

  • バイタル・意識・脱水所見の評価
  • 血糖・尿検査(ケトン等)を含めた初期確認
  • 感染徴候や誘因の手掛かりを整理

② 高次病院への紹介・搬送判断

  • 必要時は救急搬送を手配
  • 服薬・既往・経過をまとめた紹介状
  • 退院後の通院先・連携の設計

③ 退院後の再発予防(外来の強み)

  • シックデイの行動計画を作る
  • 薬剤の見直し(脱水・感染時の方針)
  • CGM/SMBGで“崩れる前”に手当て
当院は入院治療そのものは行いません。 その代わり、救急・入院が必要な方を早く正しく見分けて、安全な医療につなぎ、退院後に再発しない形へ整えます。

DKAとの違い(かんたん比較)

ポイントHHSDKA
主役の病態脱水・高浸透圧ケトーシス・アシドーシス
血糖非常に高いことが多い高い(HHSほどでないことも)
ケトン軽い〜目立たないことが多い陽性
好発2型・高齢・併存疾患1型に多い(2型でも起こる)
注意混合型(HHS+DKA)もあり得る同左

「どちらか一方」と決めつけず、病院で血液ガス・電解質・浸透圧などを含めて評価することが重要です。

病院で行う治療の全体像(概要)

HHSの治療は輸液(循環再建)を最優先し、電解質(特にカリウム)を安全域に保ちながら、 必要に応じてインスリンを調整し、誘因(感染症など)を治療します。

① 輸液

循環・尿量を回復しつつ、浸透圧は急に下げすぎないよう管理します。

② 電解質(特にK)

インスリン開始後にKが下がりやすく、不整脈リスクがあるため頻回に確認・補正します。

③ インスリンと誘因治療

輸液だけで血糖が下がることもあるため、反応を見ながら投与計画を立てます。感染症など原因治療も同時に行います。

ここでの記載は“方針の理解”が目的です。実際の投与量・速度は個別の状態(年齢、腎機能、心不全リスクなど)で大きく変わります。

退院後:再発予防(外来で最も差が出るところ)

シックデイ計画を作る

  • 水分・食事が取れない時の行動
  • 測定頻度(血糖/ケトン)
  • “ここから先は救急”の線引き

薬剤の“崩れ方”を把握

  • 脱水で悪化しやすい薬・状況の整理
  • ステロイド等の影響を見える化
  • 中止・再開の告知を明確に

CGM/記録で先回り

  • “上がる時間帯”の原因を特定
  • 食事・睡眠・感染の影響を検証
  • 再発を“点”ではなく“流れ”で防ぐ

よくある質問(FAQ)

HHSはクリニックで治せますか?
多くのHHSは入院での輸液・電解質管理・誘因治療が必要です。当院は入院設備がないため、外来でできる範囲の初期評価を行い、必要時は救急搬送/高次病院へ紹介します。退院後の再発予防(シックデイ計画・薬剤整理・CGM)で力を発揮します。
救急車を呼ぶ基準は?
意識がぼんやり、立てない、尿がほとんど出ない、けいれん、呼吸が苦しい、胸痛がある場合は迷わず119を優先してください。
水を飲めば治りますか?
脱水の一部は補えますが、HHSでは電解質の乱れ誘因(感染症など)の治療が必要になります。症状がある場合は早めに医療機関へ。意識が怪しい場合は自宅対応をせず救急へ。
DKAとの違いは何ですか?
HHSは脱水・高浸透圧が中心で、DKAはケトン増加とアシドーシスが中心です。ただし混合型もあり得るため、病院での評価が重要です。
退院後、何を気をつければ再発を防げますか?
シックデイルール(水分・測定・受診基準)、誘因(感染・脱水・薬剤)への対策、血糖記録(可能ならCGM)で「崩れ始め」を早く見つけることが大切です。

アクセス・ご予約(※救急は119を優先)

※意識障害や重症脱水が疑われる場合は、まず119/救急外来へ

〒103-0027 東京都中央区日本橋2-16-9 CAMCO日本橋ビル4F
日本橋駅 徒歩3分(東西線・銀座線・浅草線 D1出口)
茅場町駅 徒歩5分(日比谷線 12番出口)
※1F入口で「401」を押してお入りください

退院後の再発予防、薬剤の整理、CGM活用など「続けられる形」を一緒に作ります。

高浸透圧高血糖症(HHS)|救急受診の目安と初期対応・退院後の再発予防
高浸透圧高血糖症(HHS)|救急受診の目安と初期対応・退院後の再発予防

監修・診療:黒田 揮志夫 院長

医学博士 / 日本病理学会認定 病理専門医 / 日本プライマリ・ケア連合学会認定 プライマリ・ケア認定医

「救急疾患は“早く正しくつなぐ”ことが最重要。退院後は“同じことを繰り返さない仕組み”を一緒に整えます。」
© 0th CLINIC 日本橋|内分泌代謝内科

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